第73話 湿版写真
今では滅多に見ることのなくなった『湿版写真』での写真撮影回。“今では見なくなった”なんて達者に書いてしまったけど、勿論僕も見たことない。非常に歴史あるカメラ、印刷技術である。コロジオンプロセスとも呼ばれてるらしいよ。
現在でこそ皆 一眼レフとかでパシャパシャと写真を撮っているけど、当初(19世紀後半らへん)ではこの湿版写真が時代の最先端。サスペンスとかコナンで登場したシアン化カリウム(青酸カリ)なんかの危険な薬剤を都度 調合して写真を作っていたそうだ。今の時代に生きていて良かった。。
調合用品、計量機器、ガラス版に固定枠、アルコールランプといった様々な器具。そしてコロジオン、ジエチルエーテルなんかの薬品類。
73話ではそれら機器、薬剤の使い方の説明が4割を占めていたと思う。
まぁ劇薬揃いの薬品だからね…
で、そんなアブナイ薬品を持ち運んで旅をすることに決めたスミスさん。
戦災が近いかもしれない状況だけど、スミスさんはそれでも文字、そして写真にして後世に伝えたいものがあるそうだった。
第74話 前日
出発までの準備回。
カメラの調節
旅の足ともなるラクダの調達
など多方面で活躍するアリさん。非常に頼りになる。。
『のんびりしててください』と言われても外に出て働くので、生来の働き者なんだろう。僕も見習いたい。
とまぁアリさんの働きっぷりにも注目だけど、その他にも旅の護衛となったニコロフスキさんの過去、タラスさんの懸念(心配?)なんかも知れた74話だった。
第75話 南へ
旅の準備が整ったスミスさん一行は南、アンタリヤに向かって出発。
旅らしく、道中 見慣れない遊牧民もいた。
こちら、アヒル(?)と飼う遊牧民。
子供のころ小学校でアヒルを飼っていたけど、まぁ普通に池があった。スミスさん一行がいるのはトルコらへんの乾燥地帯だと思ったんだけど、池とかは点在してはいたのかな。
夜を迎えた一同は廃墟、ではないがたまに訪れる旅人以外には使われることのなくなった家に。
そんなわけで宿泊。
文字にすると僕の文章力の低さもあって、なんとも味気ないように感じる。が、本編を読めばまるで自分が右も左も分からない異国、朝晩は冷え込むような秋冬に旅をしているような錯覚を覚える乙嫁語りなんです。いいから本編を読め!、と言うのは記事として無責任だけど、言葉にならないような独特の雰囲気があることは理解してくれ!
なんてことないコマがジーンと胸に響くんだよ森薫すごい。正直 乙嫁語り読むまでは以上にメイドが好きな漫画家(性別は本当に女なのか疑問)だったけど、旅パートも繊細に描ける傑物だった。
第76話 時計
スミスさんが投げ捨てた懐中時計を巡る物語。
まぁ序盤はいかにも物拾いが上手そうな遊牧民に拾われて…
あれよあれよと貴族の元へと渡り…
徐々にスケールが大きくなっていくという御伽噺のような物語。
第77話 アンタリヤ
いよいよアンタリヤ。
港町に訪れたスミスさん一行。
夫婦水入らず、アンタリヤの街を散策する2人。
あるモノを見てタラスさん
思わず声が弾む。
タラスさんが見たのは子供の頃、お祭りで乗ったことがあるというブランコ(アルトゥバカンとも呼ばれる)。
草原地帯のお祭りではよく見られた遊びらしく、家族数人で乗れることもあってなかなか迫力のあるアトラクションだそうだ。
男女でも乗ることができるラブいアトラクションだそうで、滅多に見ることはないだろうタラスさんのはしゃぎっぷりが見られる77話。
すっかり薄幸の未亡人キャラが強まってしまったけど、もっと幸せになってもらいたいね。
ご都合主義でもなんでもいいからとにかく幸せになってほしい。
そのほか、the美人、蠱惑的な女性(ベルベル人:モロッコから来た人)なんかも登場したが、タラスさんのブランコシーンからすれば些事。ここでは紹介しない。
とにかくブランコでキャッキャするタラスさんが良かった。
2話くらいひたすらブランコ回でも良かった。
乙嫁語り 11巻の感想と考察
というわけで乙嫁語り11巻でした。
冒頭で述べたように、11巻の見所はタラスさん。ご都合主義が大好きな僕としては旅の一員になってくれたことが非常に嬉しい。これからは特に不幸もなく、仲睦まじくいてほしい。最近のマンガにありがちな胸糞設定は全くいらんぞ森薫…頼むから穏便に幸せにしてやってほしい…
物語はアンカラを発ったスミスさん達がメインだった。
何事もなく目的地にたどり着ければいいのだけど、ロシアの侵攻など緊迫した状況になっているそうだ。どうにか無事に、また何気ない日常回を読んでいられたらいいな。