『人は日々の反復に等しい愚劇を演じつつ、その螺旋の内に前進する』とかの有名な劇作家は言っておられた。オッス おら虚構!全然 進歩がねぇぞ!
旅行(というには質素な現実逃避旅行)も出発からはやくも2日が経ち、マクドナルドのチーズバーガーを買うのも躊躇うような財布事情になってしまったので今日は道中の茨城県 那珂湊 漁港でなんとか魚を釣りあげて昼食兼夕食にしたかった。
こんな切実な思いから釣りをしている私を中学生の頃の自分が見たらどう思うのだろうか
さてそれでは釣果をまとめる
実釣レポート
日中 間違って那珂湊おさかな市場に釣り装備で紛れ込んでしまい非常に恥ずかしかったので訪れるひとは気をつけて。すげー人いるし場違い感半端ないから 。
釣り場所
那珂湊漁港
実釣場所
あの、外の高めな堤防で釣りしてました。結構高かったです。
釣りコンディション
オレが切実になればなるほど風が猛烈に吹き荒れる気がするけど気のせい?
風速10メートル。およそ釣りをするコンディションではない。というかもう、外出するコンディションでない。帽子が吹き飛ばされそうになる。
日中の満潮は16時くらい干潮は21時だったっけかな。中潮で潮は決して悪くなかった。湾内でアジとかサバを釣ってる人もチラホラいた。
ちなみにこんなコンディションなのにライジャケ(ライフジャケット)も着ないで釣りをしている人が結構いた。釣り人ってのはバカ命知らずか
釣果
今日は本能的に卑しく鳴くお腹を理性でなんとかおさえつつ、風が吹き荒れるなか必死に釣りをした。その集中力たるや釣り竿が体の一部のように感じるほど研ぎ澄まされリールを巻く手はボトム(底)の感触は勿論 海底がどのような地形であるかを明瞭に伝えてきた
しばらく地形を知るために海底をずるずるジグヘッドワームを這わせると
ゴゴゴッ!
と根掛かりのしかかるほどの険しい根とか海藻があることが分かった。焦って合わせたら完璧に根がかって仕掛けをなくした。
だが、根の周りは魚が居着くはずなので、その周辺を執拗に念入りにジグヘッドワーム(ルアーね)を通すのみ。今日の私は冴えていた
その後、2回ほどキャストした後、
ビビビッ!!!
と衝撃的なアタリが!もはや腕の一部と化した釣竿をしならせて合わせる!魚がかかった!
今日は豪華な夕食になるぞ!と思いイキり、とくに連れがいるわけでもないのに「キタ!!」と声に出していた。恥ずかしい
その声につられてか隣で釣りをしていた親子連れの父が話しかけてきた。「すごいですね~」と。「そんなことないですよ~」と謙遜しながらも最早 腕と一体化している竿をしならせるオレ23歳 無職 童貞。
粘る魚を見た私と親子連れの父はどんな大物が釣れたのだろうかと期待して緩やかに海面へと上がってきた魚を見た。お、思いのほか小さい。。
タモ網を使おうとしたものの、魚の大きさ的には抜きあげられそうだったので思い切り海面から引き抜いた魚がこちら。
ヒラメ(35㎝)。ソゲとも呼ばれているヒラメの幼魚だそうだった。なにうえあんなに引きが強かったのか考えた。おそらく使っていた竿が7.6フィート(2メートルくらい)でリールが2000番台のリールだったからかなぁ。
それにしてもこのヒラメは活性が高かったのかよく引いた。
釣れた仕掛けはその辺に落ちていた10グラムくらいのジグヘッド+ソフトワーム。
親子連れの父はヒラメを見たことがなかったのかお世辞か「すごいですね!」と言ってくれた。私もなぜか嬉しくなって自分の夕食があるというのに「よろしければ差し上げますが」なんて言ってヒラメをあげてしまった。これが痛恨のミスであり、以降私はなにも釣りあげることができず、なくなく近くのスーパーでおにぎりセット(特価160円)を買い、テントで食べるのだった。
しかし、ヒラメをあげて少しして「やっぱり自分で持ち帰ったらよかったかも、、、」と後悔し始めた私のかたわら、親子連れの父と子供2人がやってきて「ヒラメありがとうございました」と子供たち。「ありがとうございました」と親子連れの父が再度 感謝を伝えに来てくれた。その後は少しだけルアー釣りを教えてあげたりして一緒に釣りを楽しんだ。教えるほど上手くないんだけど、、、
最後「私たちはこれで帰りますので、お気をつけて」と言って、お茶とお菓子をくれた。
まとめ
「人間はパンのみにて生くるものに非ず」というのはマタイ福音書第四章に出てくる一文である。人は物質的な満足だけを目的にして生きるものではなく、精神的なよりどころが必要である、という意味だそうだ。尊い
そう考えると、釣れたヒラメを食すことで得られる満腹感よりも人の温かさのようなものに触れたような満足感に満たされているので今は、かえってよかったのではないかとも思えてくるので不思議だ。
でも明日こそは満腹になりたい。人は精神的なよりどこだけで生きていけることもないからな。