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よし、こんなもんでいいだろう。
今回は名作ファンタジー漫画『Helck』の4巻で登場する強敵『アウギス』についてまとめてみる。コメディ系漫画として読んでいた読者達を立ち止まらせて、こいつはただのWeb漫画じゃないぞ…!と傑作の予兆を感じさせたのがアウギス回(29~33話)だった。
冒頭で忠告した通り、結構なネタバレを含むので、最終巻まで読んでいない人は……記事でまとめる[伏線③]くらいまで読んだらページを閉じてほしい。勝手な申しつけだが、漫画を楽しく読む上では過剰なネタバレは避けてね。
[Helck]闇の戦士 アウギスまとめ
アウギスとは、ヘルクとヴァミリオが帝国へ帰る道中、滅んだ2か国(イベリア、ネベイ)の跡地で遭遇した作中でもトップレベルの強敵である。戦闘レベルは90越えと、明言されてる上ではヘルクと幼少期アズドラの次に強い人物。
付近の村に住む住人からは2国の間を徘徊する化け物『闇の戦士』と呼ばれ恐れられている。遭遇すれば生きて帰れない、とされているため住民たちは2国の間を避け、迂回するルートを使っているようだった。
その正体は数年前に片方の国で戦っていた戦士の一人。古くから伝えられていた禁呪『闇の呪法』によって他の戦士達は理性を失っていき、ドースマン王のように暴力性が極限まで高まり殺戮の限りをつくした。しかし、アウギスは適正があったのか、変貌する仲間の様子を見られるくらいには終盤まで理性を保っていたようだった。しかし、妹のイーリスが危害を加えられそうになった瞬間に意識を途絶え、悍ましいオーラを纏い始めた。
戦士たちの変貌の過程から、ミカロスの禁呪(解呪)のような呪法を想像させられる。時系列は言及されていないが、各地への放浪の末、ミカロスは自国の人間達の覚醒方法を確立したので、アウギスの国に伝わっていた呪法を参考にした、もしくはアウギスの国でテストした可能性も。
伏線っぽい言葉が3つほどあったので、そちらについての考察をしてみる。何度もしつこいけど、結構なネタバレを含むので、最終巻まで読んでいない人は[伏線③]くらいまで読んだらページを閉じて、本編を読み進めてね。
伏線①:『あぁ…そうか、お前も…』
ヘルクがアウギス自身と同じ、闇の力を持っていることに対しての発言と見られる。勇者としての発言、と一時は考えていたが、そもそも勇者とは『人間の国でたまに出現する強い個体』であり、アウギスはこれに属さない(人間に見えるが…)。
推測の域を出ないが、おそらくは闇の呪法は世界の意思を繋がっており、闇の戦士として適正がある場合はミカロスや覚醒エディル、そしてアウギスのように『ボシュッ』と瞬間移動のような術が使えるように考えられる。
また物語後半の、『世界の意思に触れた存在が各地に出現している』という支配の王の発言からも、アウギスが世界の意思接触者=闇の戦士として、同じ接触者のヘルクに『あぁ…そうかお前も…』と言ったという経緯が妥当な線だと思う。
伏線②:『だが、それはお前が持つべきじゃないだろう?』
ヘルクが持っていた『勇者殺し』の剣を指しての発言と見られる。ヘルクを勇者として認識してたかどうかには猜疑的だが、ただならぬ武器だと感じていたの確実に勇者殺し。
伏線①で述べたように、手を合わせてヘルクが闇の力(新世界由来)を持っていることが分かっていたので、アウギスのように精神を飛ばすような事態になった場合に、自分ではなく他人が『勇者殺し』でヘルクを止めるべきだと考えての発言、だと思う。
伏線③:『多少呪われているが…』
これに関してはヘルクを既に10周以上読み返しておいて恥ずかしい限りだが、考察できない。呪いって…なに?どう頭を捻っても『持ち主の顔面を整える』くらいしかヘルクに変化を与えていなかったと思う。そのあと、『お前なら扱えるだろう…』ということで、本当にちょっとした呪いなだけだったのかもしれない。
アウギスの言う通り最終決戦にて顕現した世界の意思(実体化)にとどめを刺すくらいには大活躍した『呪われた剣』だった。
[超強敵] 闇の戦士 アウギス
以上、アウギスについてまとめてみた。先述したように、物語の序盤でエンカウントするには強すぎるキャラだった。戦闘レベル90越えは本編でアウギス含めて3人程度しか出ないことから如何に超強敵だったのかが分かる。ヘルク以外だったら間違いなくパーティは全滅必須の超難敵である。
そんなアウギスを数話で倒すテンポの良さと、会話3つの伏線だけでこんなに(これまで約2000字)書ける漫画Helckの凄さよ。圧巻の面白さである。
2019年には難航して一度ストーリーを組みなおした七尾ナナキの新作『異剣伝説ヴェルンディオ』が先月よりスタートした。あまり期待しすぎるのもよくないが、現在3話を終えて、はやくも面白くなっているのでHelckを読み終えた人は是非。
それでは。