第30話 独白
家に帰ると待っていたのは
勿論お母さん。
顔を合わせた瞬間に、
のどが締め付けられたように、言葉が出てこなくなってしまった。吃音症は、静子の前でより顕著に出るそうだ。
『どこへ行ってたん?』
という静子の質問に、
学校にいた、と嘘をついてしまう静一。
誰といたのか気になったのか、『一人で?』と聞く静子。
こくり、とうなづく静一を見た静子は、、、
……
薄っすら笑みを見せたような口元。
静一がひとり孤立していくのが嬉しかったのか、それ以降が追及を止める。
静一が就寝したのを確認した静子が部屋に入ってくるんだけど、枕元に立って語る静子がね、本当に恐ろしすぎた。あぁ、なるほど…と、これまでの奇行が繋がったような感じがしたのと同時に、先行きの暗さに鬱々した。
これまでの血の轍という作品で、最も戦慄したシーンは2巻の第12話「来訪者2」で静一の見た夢に出てきた静子の豹変シーンだったと思う。が、個人的には第30話の、枕元に立ったお母さんの言葉と表情も多くの読者が慄いただろう。僕は深夜に電気を消して読んでたんだけど、思わず周囲を見渡すくらい動揺した。4巻の見所の一つだ。是非、本編で読んでほしい。
第31話 芳香
念入りに『今日は早く帰ってくるのよ』と静子に言われた静一だが、
心休まるのは吹石さんと一緒にいるとき。
静子との約束を破って、いつものベンチで吹石さんと話していた。
日が暮れてからも話す2人。
吹石さんのちょっとした変化に気付いた静一は『なにかあったん?』と聞いてみると、
お父さんと大喧嘩したらしい吹石さん。毎日 帰りが遅い吹石さんを叱るお父さんと、モノが飛び交うほどケンカをしたようだ。普通、そんなことをしていたら母親の方は止めると思ったのだが、
話を聞くと、吹石さんは片親。母親の方は離婚して出て行ってしまったそうだった。
『じゃあはやく帰らなくちゃ』と提案する静一だったが、『帰りたくない、ずーと長部とここにいたい』という吹石さん。
静子からははやく帰ってくるように言っているし、昨日、枕元での一言が忘れられない静一だったが、、
……
第32話 草叢の声
遠くに静子の影。
……
自転車を乗り捨てて、こちらに迫ってくる、表情の見えない静子。
パニックになった静一は、
吹石さんの手を引いて、背の高い草叢(くさむら)の中に駆けこむが…
後を追って、静一を探している静子。
……
『ママに嘘ついてたんね!裏切ったんね!!』
表情が全く見えない分、余計に切迫感と恐怖心が凄かった。。
どんどん静子の言葉で追い詰められていく静一。
すぐそばで静一を見ていた吹石さんが対処してくれるが……
微かに言葉が聴こえたのか、ついに草叢の中、2人を見つけ出した静子。その表情は……
第33話 いらない
これ以上はネタバレが過度になってしまうので割愛。
血の轍 4巻 感想と考察
という血の轍 4巻だった。
相変わらず読んでいてどっと疲れるんだけど、どんどん引き込まれる。32話の最後、静一を必死で探し回っていた静子の表情が明らかになるんだけど、4巻を電子版で読んだ読者は僕のように、ゆ~~くりとページを開いた人も少なくないと思う。はやく見たいんだけど、2巻12話のような表情だった場合はショック死不可避なので過去にないくらいゆ~っくり指をスライドさせた。
いつものように、メインパートをちょこっと紹介しただけなので、これで読んだ気にならないようにね。今記事だけ読むと、吹石さんが全面的に信頼できる最高の彼女っぽいが、
というように、押見修造の描き方もあって若干 怖いように感じたシーンもいくつかあったよ。
ネタバレを割愛したように、第33話『いらない』の意味不明度は凄まじいぞ。これまでも要所要所、理解が追い付かない場面は多々あったけど、さらにワケわからなくなった。気になる人の為に1ページだけ紹介するが、マジで本編で読んでほしい。ネタバレサイトで読むには勿体なさ過ぎる、怒涛の展開だぞ。
まだ『血の轍』を読んでいないって方は、こんなネタバレサイトなんかで読んだ気にならないで、是非 本編が全巻配信されてるU-NEXTでページの隅々まで見渡せる最高の状態でじっくり読んでみよう。あらゆるコマが妙な雰囲気を妊んでいるのが『血の轍』だぞ。
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計算したら一日当たり26円はお得すぎる。
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読んでいて少々キツイが(精神的に)、ますます続きが気になった血の轍 4巻だった。
それでは。