風のある日に釣りをするかどうか・そもそも釣れるのか、というのは釣り人ならば一度は考える問題だと思う。私も今までに何回も考えてきた。
そして今日、遠路はるばる片道130キロという距離をひたすら進み、辿り着いた釣り場で風速9メートルという準強風の中、朝5時から夜の7時までぶっ通しで釣りを敢行してみた。
白波荒れ狂う海と殺意を感じる強風の中でもめげずに、諦めずに努力したのに、、、な結果だったので、「なんて私は無駄な一日を過ごしてしまったのか、、、」という深淵なる後悔と燃え盛る怒りのはけ口として記事を書き殴らせていただこうと思う。
とか言い出す輩がいると思うが、私はあくまでも初心者の気持ちを忘れない釣り人であるし、したがって初心者の観点からの執筆になるのでそこは了承していただきたい。どんなに腹が立っても虫唾がダッシュしても寡黙を貫くような温厚な私であるが、あまりにも思慮に欠けた発言は筆者にあなたの脳天めがけて120グラムのメタルジグをフルキャストさせることになるので注意してほしい。
それではまとめていく。
もくじ
結論(持論):釣りしないべきである
釣れるわけがない、というのがゆるぎない結論(持論)である。当たり前である。釣れるわけねーだろばーかうんこたれ
「風の日はシーバス(スズキ)が釣れます!」だとか「海面が風で荒れることによって魚の警戒心が薄くなって魚の活性があがります!」なんていう耳当たりの良い情報がネットには流れているようだが、そんなことは一部の上級者とかにしか当てはまらないから注意だ。魚の活性が上がるって言ったって人間の活性とやる気的なものは劇的に下がることを忘れないように。
釣れるわけがないのだ。そんなストレスで釣り方が雑になった状態で頑張ったところで魚に警戒心なんてのがあるというなら溢れんばかりの私の殺意も察知してるだろうよ。
釣りといっても”ぶっこみ釣り”やら”ブラクリ釣り”などの釣り方であったらまだ釣れる、もしくは釣りになるのかもしれないが(無論 それでも厳しいが)、ルアー(疑似餌)を使った釣りは本当に至難を極める。というか無理。釣りにならなくないか?
「釣れなくても楽しかったから良かった」
というのは釣り人全般に見られる迷言・負け惜しみの一種である。
まぁ何に楽しみを感じるかどうかは個人個人で違うのでそれについてとやかく言うつもりはないのだが、私からすればそんな迷言を言っていいのは友達と釣りに行った者、もしくは有り余る時間を持て余してるような後期高齢者に限られてくる。わざわざ遠征までして釣りにいって朝から晩まで竿を何百回も振り続けた挙句 釣果なしの青年が帰宅早々「釣れなくても楽しかったから良かった」なんて狂言まがいのこと言ったらあなたはどう思うだろうか。引くでしょ。引かないまでも「時間もったいなくないのかな?」とは思うでしょ。うるせーよ。もったいねぇよ。こんなことなら観光しときゃよかったよ
そんな「釣れなくても楽しかった」っていう魔法のような負け惜しみも、強風の日に釣りをした場合は出てこない。辛さしかないからである。楽しむ余裕がなく、ただひたすらにストレスが蓄積する。私の場合 友達と一緒にそんな強風の中で釣りをして何も釣れないどころかルアーを何個もロスとして帰りの車の中が殺伐とした雰囲気になった。
冒頭でも書いたけどストレスしか感じないのだ。どんな温厚な人でも風のある日の釣りなんていうのは修行・苦行でしかないと思うんだよ私は。
だいぶ前置きが長くなったが、それでは私がそう思う理由を書いていく。
理由①:うまくキャスト・投げられない
投げられないんだよルアーが。真っすぐ投げられないのだから狙ったポイントに全然いかないの。
って思う人がいると思う。私もそうだった。
釣り人の諸君等は勿論 橋の下がシーバスのポイントであることはご存じだろう。私もついこの間 知ったところだ。常夜灯がどうだとか色々と理由があるらしいのだが、その中でも橋脚周辺というのは私が初めてシーバスを釣ったところでもあるのでよく狙ったりする。なんとかの一つ覚えというやつだ
橋脚ギリギリ。字のごとく橋脚のギリギリにルアーを投げるという超高等テクニック(個人的)を要するのがこの橋脚ギリギリ。さぁ風の強い日に橋脚ギリギリを狙うとどうなるのか。
風によって進路の変わったルアーが橋脚にぶち当てて木っ端微塵に砕け散るのだ。上州屋で買った1400円のバイブレーション、はじめて買った思い出の1000円以上のルアーが四方に爆散するのである。泣けるのである。
これを「いやあんたが初心者レベルなだけでしょ」と思うかどうかは読者に任せるが、風のある日にストラクチャー(障害物)周辺を探ろうとするのはやめたほうがよいことは間違いない。
理由②:ボトム(海底)が取れない
海底付近にいるヒラメやマゴチなどの魚を狙うときには海底(ボトム)を必ず取る。取る、というのはボトムに落ちた感触をつかむ、ということだ。ボトムについたら軽くシャクり、10秒リールを巻いて再度 ボトムを取って、、、という釣り方をする。ボトムボトムうるさいね
もう言わなくても分かるだろうが海底(ボトム)が取れないとなるとこの釣りは極めて困難なのである。ルアーが着水してから秒数を数えるというやり方もあるが、やっているうちに「本当に海底についているのだろうか、、、」、「そもそもこんな風の日に、、、」と疑惑を持ちはじめ、疑惑は自信を失わせていつのまにか海面スレスレでルアーが泳ぐことになる。当初は「なんだよこのルアー不良品じゃねぇか?!」と思ったが不良品は私の頭だった
私の得意技の一つに"底ズル引き"という釣り方もある。
名前の通りボトムをズルズルと引きずってくるだけである。この釣り方だとボトムを必ずしもとる必要はないので着水して適当に数秒まって、あとは一定の速度でリールを巻くだけ。ただこの底ズル引き釣行、ルアーのロストが極めて多いのが難点だ。そりゃそうだ。海底が一面砂地でもない限り、ゴツゴツとした岩場や青々と茂る海藻なのだからロスト率も高くなるのだ。よほど地形に自信のあるところ以外ではやりたくない釣り方なのだ。
そういうわけで、ボトムを取れない、というのはルアーロストにも繋がるような悪条件なのである。
理由③:糸がふける(たゆむ)
若干、前項の理由②と重なるが、糸がふける(たゆむ)というのも風の強い日に釣りをする上では大きなデメリットになるだろう。
ルアーを着水させて、リールを巻く。リールを巻いているときというのはどんなにルアーが軽くても、竿に合った重量のルアーを使っている限り手元にはその重さやアクション(動き)の感触があるものだ。しかし、糸がたゆむとその感触がない。だから「ルアーがちゃんとアクションをしているのだろうか、、、?」、「狙ったレンジ(海底からの高さ)で泳いでいるのだろうか、、、?」という疑心が芽生え、疑心は自信を失わせ気づくと表面スレスレでルアーを泳がせてしまっている。パチャパチャと無邪気に持ち主のもとにルアーが帰ってくる姿には安堵と情けなさを感じるのである。
理由④:アタリ(魚信)が分からなくなる
よくよく考えたら理由③の続きみたいなことだが、風の強い日だと風にあおられて糸がふける。ふけてるもんだから魚からのアタリが全く分からない。魚釣り、それもルアー釣りに限って言えば魚からのアタリをいち早く察知することは大事なことであるし、なによりその瞬間が一番 楽しいといっても過言でなかったりする。そんな楽しみを奪うのが強風である。
もう、たいして楽しめないのなら釣りなんてしない方がよいのである。来週まで待て。無益なことに貴重な時間を空費させるのは愚かなコトである。
理由⑤:仕掛けを直す気がなくなる
仕掛けを根がかりとかで無くしたら付け替える あの作業。
いかにコンデションの良い日であったとしてもあまり楽しいものではないだろう。強風の日は楽しくないどころか異様にムシャクシャしてイライラする。PEラインを使ってる人はリーダーをつけることだと思う。FGノットだのPEノットだののリーダーとPEラインを結ぶ作業。あれは本当にストレスの塊でしかない。強風の中 糸と糸を特殊な面倒くせぇ結び方で結ぶ作業。苦行以外の何なのだろうか。
そういうわけで私は電気ウキ釣りという釣り方を覚えたんだけど、ウキと重りと糸とウキ止めが4つともくんずほぐれつに絡まったときには殺意の波動を覚えるほどイライラする。というか帰りたくなる。いや帰る。やってられないんだよバカ野郎
理由⑥:やる気がなくなる
なんかこれまで理由づけて書いてきて来たけど要約したらこの一文に行き着く。やる気がなくなるのだ。なくなるというよりはイラつくのだ。
釣りに出かけたときのやる気を100とすると、強風の中 無謀にも頑張って釣りをしてルアーを何個かロストして帰ってきたときのやる気はー2,000だ。可能性に満ち満ちていたはずの一日を無駄に無意味に過ごしてしまった自分に、「風の強い日の方が釣れやすい魚もいます!」っていうYahoo知恵袋の情報を盲信してしまった自分に憤りを感じるのだ。私の握力次第では強く握りしめた握りこぶしからは血が滴り落ちていただろう。握力が弱くて助かった
まとめ
それでも釣りに行きたいんだよな。
ただ、強風の日は釣れないんだ。経験上 まったく釣れないんだ。
というか、強風の日には釣れないどころか釣りそのものができないんだ。
「せっかく釣り場に来たんだし、、、」という言い分もすごい分かる。片道何時間もかけて釣りに来た人に「今日は釣れないからやめときな」とは私も言いづらいが、来る前に天気予報などで風速は確認しておこう。大の大人たるもの予定は立てよう。
自信がある方ならばそんな強風の日に挑戦しても良いだろうが、おそらくきっと釣れないだろう。というか釣りにならないだろう。釣り具のメンテナンスでもしましょう。
初心者にとっては間違いなく修羅モード。おとなしく何か他のことをやりましょう。釣りが嫌いになっちゃうぞ。