激昂するしげる君の両親によって警察に連行された静子。
残された静一は……
という感じ。簡単に言うと。複雑に言うと3万字あっても足りなくなるので割愛。ホント本編を読んだ方がイイぞ。恐ろしさというか、目を覆いたくなるような狂気というか、、。
とにかく嫌な感じのする血の轍。陰鬱な雰囲気はこれ以上ないくらいで、物語の結末によっては僕は多分、もう押見修造の漫画は読まないと思う。それくらい前代未聞な完成度。漫画という表現媒体でここまでできるんだと驚嘆。僕が中坊の時からなんも変わってないな押見…、読むと精神的に疲弊してしんどいよ…
というわけで、今回は血の轍 9巻のネタバレ記事。
しかして一言一句を描写するような記事を期待している人には申し訳ないけど、そういう紹介はできない。マジでどこの馬の骨が書いたかもわからないような駄作分でストーリーを紹介しても本編の面白さを損なうどころかマイナスなのでな。僕はそれで鬼滅の刃への興味が一切なくなり、流行に乗り遅れたからしてああいった記事は書きたくない。
ということで、詳細なネタバレは書かないので、その点よろしく。
それでは血の轍 9巻の大まかなあらすじの各話をさらっと紹介……はできないので見所をいくつかピックアップしたので、そんな感じで紹介するぞ。
血の轍 9巻
ネタバレ・画バレ含む考察と感想
大増ページ!毒親と息子の壮絶すぎる記憶!
家に乗り込んで来た伯母の追及に対し
遂にしげるを崖から突き落としたことを認めたママ。
狼狽する父、激昂する伯父、修羅場と化す居間…
頑なに謝罪をせず出頭しようとするママに
静一は必死に追いすがる…
しかしその先に待っていたのは、静一の“心”の思わぬ覚醒だったーーー!?引用:Amazon
何度も言うように、本編の面白さを抜くようなネタバレはしないように細心の注意を払ってまとめているけど、ネタバレはネタバレ。魅力を伝えるには絵が最良だと思って付けているので、『真っ白な状態で読みたい』という人はここでブラウザバックだ。これが最終忠告ぞ!
静子が警察送り
紹介文の通り、ついにしげる君を突き落としたことを自白した静子。
これにしげる君の両親は、
激怒。
8巻から顕著になったが、第3巻で
というような、目撃者として静一が落ち込んでいると思って優しく頭を撫でてくれたり、家族のだれも心配してくれなかった吃音症にも気を配ってくれた叔母が
と、静一をも嫌悪するような表情、言動をするのは見るに堪えなかった。罵る表情もメチャクチャリアルでな。。僕のように当事者意識を少しでも持ってしまっていると凹むと思う。
今まで寡黙だったしげる君の親父さんも、
と、家族全員に土下座を要求したり、修羅場以外の何物でもなかった。
今まで静子に蔑まれた態度をとられたりして、一旦は出て行ってしまったこともあったお父さん(一郎)だが、それでも静子を想う気持ちはあるのかオロオロしつつも庇っていた。
静子を攻めるしげる君の両親の気持ちは理解できる。謝罪の言葉どころか反省の色ひとつ見せない静子に息子に障害を負わされたのだから激怒は必須だろう。
ただ、
それでも、土下座を強要される姿を見ると、まだ僕は静一視点で静子を見ているのか居た堪れない気持ちになった。。
静子が去った後の静一の変化
そして訪れた静子との別れ。叔父と叔母によって警察に連行される間際、
最後、涙ながらに ある一言を投げかけて静子は去っていった。
未だ、よく分からない点が多いが、最後のシーンで静子が語ったことは本当っぽい気がする。2巻で、徐々に孤立する静一を喜んだような表情を一瞬 見せ、その晩に静一の枕元で『ごめんね、こんなママでごめんね』と言ったが、それと同じ人格っぽい。静一を束縛し、洗脳してきた人格ではなく、僅かにあった母親としての人格なのかしらん。
今更 静一はどうやって、ママなしで生きればいいのか分からないだろう。依存のような状態で訪れた突然の別れに涙を流して車を追うが、お父さんに諭されて一人、誰もいなくなった家に帰ることに。
そして、
……
……
深呼吸した後に浮かべた静一の表情は筆舌し難い。
や、これ以上はネタバレが過ぎるので、是非 本編で読んでほしい。あれ?ってなることは必須だから。
で、
抑制された感情が沸々 湧き上がってきたように、精気を取り戻していく静一。
ただのカップラーメンを食べるときでさえ、
この表情である。もっちゃもっちゃ。
いかに静子といるとき、自分を抑制していたかが分かる。
徐々に取り戻し始めた自我は一見、好転しているように見えるが…どうなんだろうね。
聴取を受ける静一
警察に連行された静子。しげる君を突き落としたことは“事件”として捜査が始まったようで、静一もその場に居合わせた参考人として聴取を受けることになってしまった。
以前、校内で暴力事件を起こした際は、『母が来るまで話せません』と黙秘権を使っていた静一だったが、今回は
刑事と見られる人物の質疑に素直に応じる静一。
事件の当日に起きたことを思い出しながら、ゆっくりと詳細を語っていく。
が、
自分の所感を求められると、それまでは普通に話せていたのに言葉が途切れ途切れになる。自分自身がどう思っているのかについて質問されると、急に吃音症が出たりする様子。否応なしに静子を案じたり、静子を通して物事を考えていることが露呈しはじめた感じだった。
そして、
『お母さんのこと、好き?』
という質問には
唖然、といった表情の静一だった。
その後も聴取は続き、淡々と当日の様子を語っていくが、ずっと心でこだまする質問。
血の誓約を交わしてから、それまで以上に静子に懐き、拒否されても後をついていく従順な犬のようになっていた静一。当然、好き、に違いないはずだったが
……
『僕はママを好きか?』
ということが強い疑念となって、頭から離れない様子だった。
爽快、ということは全くないが、刑事さんの鋭い質問によって静一が自分自身と向き合い始めたように見えた描写はゾクゾクした。一種の謎解きのような、陰鬱で見えなかった部分が徐々に明らかになっていく過程は必見。見所なポイントだ。
聴取は終盤、いよいよ最重要な『静子がしげる君を突き落とした場面』に差し掛かったとき
いるはずのない静子の影を見るように、怯えて言葉を詰まらせた静一に、
刑事さんの言った一言が、おそらく静一の核となる問題を言い当てたように見えた。目をジッと見て、語りかけてくれた刑事さんの言葉で、静一はようやく静子の纏わりつくような呪縛から逃れ始めたようだった。
これ以降は本編で。ネタバレサイトで読むには惜しすぎる。
血の轍 9巻 感想と考察
そんな感じの血の轍 9巻だった。
今までも狂気というか、得体のしれない恐怖を存分に感じてきた血の轍。各巻が『衝撃的』であったが、第9巻では先述したように、謎解きのような衝撃があった。いよいよ静子が物語から離れ始めたようで、静一に焦点が当て始めたことで発覚した過去のこと。
なお、画像を数枚使って紹介したが、すべて9巻に収録されている前半部分からの引用となっている。そしてさらに、極力 あらすじの表層くらいしか触っていないので、本編の面白さには1割にも満たないと思う。
本編では紹介した部分以外にも、
現場検証に行く静一だったり、
鮮明に蘇った静一の記憶だったりと、とにかく見所で一杯な血の轍9巻だった。
……やっぱり、血の轍。9巻も恐怖で溢れてた。
もうホント、息を呑むような描写の連続で疲れるので、精神的に余裕のある人以外は読まない方がいいと思うよ。
はたして静一は静子の呪縛から離れられるのか。
静子はすでに警察に連行されたのに、それまで同様 精神的に緊迫した状態のつづく静一だった。正念場、という表現がおそらく適切だろう、血の轍 9巻だった。
まだ『血の轍』を読んでいないって方は、こんなネタバレサイトなんかで読んだ気にならないで、是非 本編が全巻配信されてるU-NEXTでページの隅々まで見渡せる最高の状態でじっくり読んでみよう。あらゆるコマが妙な雰囲気を妊んでいるのが『血の轍』だぞ。
現在、31日間の無料体験キャンペーンもやっているようだ。是非 この機会にどうぞ。
計算したら一日当たり26円はお得すぎる。
そもそも今は無料体験期間で雑誌は読み放題などの特典もある。
解約料金はかからないぞ。
U-NEXTの無料体験は本当におススメ。
3分もかからずに登録できるぞ。
netflixは無料体験を終了したようだ。いつU-NEXTの無料キャンペーンも終了してしまうか分からないので機会を逃さないよう注意。
まちがいなく単行本で読んだほうが良い、血の轍 9巻だった。
それでは。