こんにちは諸君。
諸君とはいっても数人ばかりしかこんな記事に目を通してくれる人はいないだろうけど諸君。悲報だ。概ねタイトルの通り。
この数か月間、有り余るとは口が裂けても言えないが富をなした余は数か月間まったく働かずに毎日 酒を鯨飲し、馬食できるだろうと高を括っては毎晩 外食に繰り出し、愉快に暮らしている。破産・破滅することに悦楽を感じる、と資本家だか実業家の人が言っていたが こんな気分なのかもしらん。いよいよオーストラリアンマネーが尽きそうなので 数か月以内に働く必要が出てくるだろうが、そんなものは考えないのだ。その日が来たら その日の私が考えればいい。今を生きよ。躊躇してはワンナイトビリオネアにはなれぬ。
そんな阿保ここに極まれりみたいな生活をしている余だが、バックパッカー宿という安宿に暮らしているとは思えないような豊潤で深淵な素晴らしい生活を送る上でも もっとも楽しいことがある。それが他人に『奢る』というコトであった。
特に男に奢るのが楽しい
誤解しないでいただきたいが、なにも男にだけ奢っていたのではない。無論、Tinderという崇高でステキなアプリケーションやらで出会った麗しき女性達には食事は勿論、酒類やナイトクラブの入場料まで奢るくらいな器量のデカさ、財政的余裕を見せてきた。
別にでいてぃんぐアプリで出会った女性以外とも食事に行ったときには奢ったりしていた。そんな羽振りのよさもあってか、ここウェリントンの狭きコミュニティの中でもドアを開けば『Hey Sho!!How's Going!!』と声をかけられるような馴染みのバーや飯屋が数軒できた。
勘違いしないでいただきたいのだが、別に孤独なことがイヤであったからそのような振る舞いをしたのではない。誰一人 余のことを知らない国の町であろうと、余は何ら痛痒を感じない。余は、自己であるためにいちいち他者の鏡を必要とするような軟弱な人間ではない。ひとり孤独にあるときにこそ、余は完全に己が欲する余になることができるのである。
しかし、余が良しとすることをし、さらに余を讃える者達が増えるのならばぞれを拒む理由もない。
ということで、人に奢るのに悦楽を感じ、思うままに奢ってきた。これを散財と言わずになんとする。良い子は反面教師として参考にするように。
男女、分け隔てなく奢ってきたのだが 奢り始めてひと月も経ったころ、ふと思った。
男に奢ったほうが、楽しい。
と。
おそらく、人々は『男に奢ったところで、その先 何にでもなるわけもないのに。可哀そうに、拗らせすぎて頭がどうにかしちゃったのね』などと思うだろう。余もそうだった。しかし、そこに盲点があったのだ。
というのも 見渡す限り 男が男に奢るということは、ウェリントンではまったくといって見かけないモノであったのだ。母国 日本では目上のお偉い人に食事に連れて行ってもらったときなどには奢ってもらったことはあった。しかし、外国人。それも男同士だと 見栄だとか見栄などが複雑に絡み合ってしまうので、全くといっていいほど奢る、ということは起こらないのだ。一杯奢る、とかはあるだろうが私のようにその日の食事代を出す、なんていうのはあまり起こらないらしい。ほぼ全員に『こんなに気前の良いアジア人は初めて見た』と言われた。
男に奢ったときと その後、女に奢ったときと その後のリアクションやら関係性の変化を見ると 男に奢ったほうが劇的であることにも気が付いた。端的に言って、男に奢ったほうが愉快であった。奢られ慣れてない感じはありつつも、大袈裟に感謝してくれるし、そのあと色々と奢ってくれたり、家に招待してくれたり、友達を紹介してくれたりと 色々してくれるので面白かった。別に女性にそのような見返りを求めているワケではまったくないのだが、男共の変わりようが面白かった。女性の皆さんは社交性があるので友達・知り合いが比較的簡単にできるようだが、男同士は難しいのだ。
それに、ある懸念もあった。
初対面で奢るのはギラギラしているからNG?
この数か月間 日本人女性ともデートをしてみた。言葉が通じるのはやはり楽しかった。どういうわけか海外で見る日本人女性、それもポカホンタスのようにはならず 日本人的なメイクをきっちりしている女性が とてつもなく魅力的であった。
しかし、余は日本人女性を知らぬ。そういうことで余が頬への接吻を許すほどに全面的に信頼しているサエ氏に相談してみた。
すると、
やら
だの
という返答を矢継ぎ早に言われ、余はすっかり自信をなくした。なんで難しいのだ日本人女性よ。
外国人女性にも同じような質問をしたら、ほぼほぼ『嬉しい』ということだった。
そういうわけもあって、ここ数か月は7:3くらいの割合で積極的に男に奢ってきた。二回目の食事時は逆に奢ってくれたりするコトも多く、損得勘定は抜きにしても良い人間関係を構築するうえで大変 役立ったように思える。
そんな最中、ある日本人大学生のタクミ君(20)が、恐る恐る聞いてきたのだ。
ショーさんって、そっち系だったりしますか?
なんのことか分からなかった。最難関私立大学の医学部受験で不合格になるくらいには性能の良いと思っていた自慢の思考回路が一瞬 まったく機能しなかった。
そっち系、、、?
どっちだ、、? と。
しばらくするとタクミ君が
『いえ、全然 オレは大丈夫なんですけど。一応 聞いておきたくって。すみません。。。。』
と、非常に申し訳そうな顔をして聞いてくるではないか。これには余も流石に気付き、タクミ君が余を男色の気があるのかと勘違いしたことが分かった。
『ばっ、、、!!そんなわけないだろう、!!男よりも女の方が好きだ!』
といっても良かったのだが、そこは切れ者の余。
『ふむ。そうだったら、どうなんだ?』
と少し間をおいて逆質問をしてみた。
一瞬 口元がピクリと動いたようだったが、少ししてタクミ君は
『そうですね。いえ、う~~ん。。別に変らないですけど(笑)』
というようなあっけらかんと反応だったのでネタ晴らし。
タクミ君は安堵しているようだったが、余は心底 驚いていた。
タクミ君に何故、そのように思ったのか詰問していくと、余がたまに参加するテニスやキャンプをする日本人同士のグループで余の羽振りの良さ。それも特に男に対する羽振りの凄さが話題になっていたそうだ。男からすると 初対面で奢られること、それも年齢もさして変わらずに無職(余は無職とは思っていない)の男から奢られるのは初めてな者達が多かったとのこと。
なるほど、奢るのは楽しいのだが、そのような声にも耳を傾ける必要があるだろう。
まぁ、はじめて男色と間違われた良い経験にはなった。