知人(26)が既婚者の女(31)と不倫をしてる。
別に綺麗でもなければ性格が良いわけでもない(不倫してるし)。ただ異常に性欲が強いだけで付き合っても良いコトが見当たらない(風俗代は浮くとか言ってたかな?)だけならまぁ良いんだけど、
- 貴重な20代という時間が無駄になる
- 不倫がバレて慰謝料を請求される可能性
- 最近 本気(マジ)になってきちゃってる
と地獄に方足突っ込んでたので『不倫なんて当事者以外を不幸にするからやめな~?ね~?』と給湯室のOLのような口調でやんわり諭すも『は?関係ないじゃろ?』とキレられてしまった。もう既に轟轟と不倫の炎が燃え盛っていた次第で、僕は気付かずに薪をくべてしまっただけに終わった。『不倫相手はオレが幸せ(結婚)するから!』ってお前、奪った女なんて簡単に奪われるだろーがバカか。
(友達が少ない)僕の周りですらチラホラ話を聞く『不倫』。
すでにガチ不倫をしてるヤツに読ませても知能指数と想像力が落ちているので『オレ等はこうならないし?は?』と効果は見込めないかもしれない。が、そうでないナイーブな男共に読ませることで『不倫・浮気やばい…こわい…』と強烈な抑止力になる漫画が今回紹介する《ただ離婚してないだけ》である。
もくじ
ネタバレ・画バレ含む
『ただ離婚してないだけ』概要
結婚生活は7年目。
しかし、主人公夫婦の関係は最悪。
子供なし、会話なし、セックスなし。なしなしなしの『家庭内別居』に陥っていた。
夫婦としての信頼関係などはすでに破綻しており、お互いに理解・向き合うコトを避け続けてきた2人。
特に会話を交わすこともなく、ダラダラと「離婚してないだけ」の毎日を送っていた。
妻の雪映(ゆきえ)の方は高校教師。夫の正隆(まさたか)はフリーのWEBデザイナー。共働きの甲斐もあって(?)か、お互いに不満を抱きつつもギリギリで体裁を保っていた。まさに、ただ離婚してないだけ。
現実に向き合うと疲れる
理想を求めると辛い
と正隆は達観・割り切ったつもりでおり、とくに充足感もない現状に飽きていた。
そんなときに偶然にも知り合ったらしい『新聞配達の女(未成年)』。
……
…………
……………
円満な『家庭内別居』のコツとして選んだのが不倫。
日頃のストレスや性欲の捌け口として未成年の女との関係を選択。妻が不在なのを良いコトに自宅で行為に至るという迂闊さ。
あくまで「体の関係」を貫く正隆。
不倫を長く続かせるためにアフターケアも欠かせない。どうせやることはセックスだけだから…、と一時は断った不倫旅行も敢行。
そして…
……
不倫相手が妊娠。
ここからが本当の地獄の始まりだった……
という感じの概要。
毎日1話ずつ無料で読むなら
単行本を購入するなら
がおすすめだよ。
不倫防止として有効?!
漫画『ただ離婚してないだけ』の面白さ
漫画『ただ離婚してないだけ』の魅力①:
不倫による転落人生が4巻にギュッと凝縮!
不倫をする予定のある男性諸君の脳内に強制的にインストールさせたい本作品。安易な気持ちで人生が崩壊していく様が圧倒的なので女性諸君は是非 部屋の本棚に置いて「え?こういうの読むんだ…はは…」と 訪れた男をビビらせてほしい。
本編は4巻という短さ。
しかしながら、
犯罪が犯罪を引き起こし、どんどん袋小路に追い詰められていく過程が半端ない。
欲望を我慢できず利己的、極めて自分勝手で他人をあっさり傷付ける主人公を筆頭に、借金で悩む反グレ風の男、若さゆえにか不倫に突っ走る女だったり、出てくるキャラクターは それぞれに現実的な悩みをかかえている。そんな悩みと迂闊さ、人間のどうしようもない所が重なり合って悲劇に発展するところが素晴らしいグラデーションで、超ナチュラルに描かれている。
荒唐無稽なようでいて、世界のどこかで起きていそうな不気味なリアリティ。ウシジマくんとかを読んで『こんな世界もあるのか…』としみじみ考えられる方におすすめだ。
漫画『ただ離婚してないだけ』の魅力②:
心理描写の細かさ
上は不倫相手の女の子が豹変する直前のシーン。
すんごいリアル、分かるだろ男。元カノに『床に髪の毛落ちてるよ?』って言ったらブチギレられたの思い出したわ。女性は不満を抱き続け何かをきっかけに爆発するケースが非常に多いそうだ。そんな女性感情の機微が分かるシーンでもある。
そんな感じで、出てくるキャラクターの心象が丁寧。
まるで実体験かと思ってしまうほど細かく描かれているのもスゴイ。
主人公は正隆。
不倫する男の心象が抽出されているので読者の方からは
……これでバレないつもりなんだから恐れ入る。主人公の頭蓋には脳みその代わりに白味噌でも詰まってんのか?
など、正隆への罵詈雑言が多い。関西弁への流れ弾まであってウケる。
↑圧巻の正当化パートもえげつない。『フェラタイム短ない?夜の夫婦生活のとき頑張ってほしい』という話まで持ち出すところがなんとも下衆でリアル。ベリーベリークズ。女性からすると『信じられない!』と唾棄してしまうかもしれないが、現実的には正隆のようなタイプも少なくないと思う。Lisaの旦那とかも自宅不倫やってたしな。
優柔不断で悪い主人公なのは間違いない。
しかし、根本的な男性特有の思考が細やかに描写されている。
というレビューもあるように、人生の後学になる漫画だと思うので是非。
漫画『ただ離婚してないだけ』の魅力③:
ただの不倫破滅マンガで終わらない!
不倫を美化するような描写は一切なく、終始 不倫によって引き起こされた事柄に振り回される主人公夫妻。しかし、奇しくもソレによって夫婦間に『繋がり』が生まれ、なんと『愛情』のようなものを取り戻したりする。
ショッキングな内容が多いサスペンス漫画というジャンルに分類される『ただ離婚してないだけ』だが、
夫婦って、なんだろう?
というシンプルな疑問を抱かせてくれる良い漫画だとも思う。
巻末コメントにもあったけど、冷めきってしまう夫婦の原因として『期待』が挙げられるらしい。夫婦なんだから、このくらいのことは察してくれるだろう…、という期待。所詮 他人なのに、「夫だから…」「妻だから…」といって、相手に過度な期待をしてしまうから失望に終わり、ストレスが溜まっていく。結果 心が離れてしまうそうだ。
新聞を読んでても
『夫(妻)が全然 察してくれない』
といった類の人生相談をよく目にする。そんな何気ない悩みやストレスからも、主人公夫妻のような冷めきった夫婦に陥りかねないと知れたのは非常に勉強になった。ま、結婚を考えられる相手なんていねぇけどな!
夫婦って、期待って何だろうね。
ネタバレ・画バレ含む
漫画『ただ離婚してないだけ』:総括
秘密を共有することで夫婦間の絆が強まっていくという皮肉なストーリーが、4巻という少ない話数に凝縮させられた良作漫画でした。広告がしつこかったので「面白くなかったらボロクソに批評してやるけぇのぉ…」と思って読み始めたんだけど、想像以上に面白かった。こんな記事書くくらいには影響も受け、誰かにおすすめしたくなった。
作者は本田優貴。堀江貴文が絶賛してたハスリンボーイは読んでみたけど超絶イマイチだったので『ん~、どうしようかなぁ…』って悩んでたけど、読んでよかったわホント。てかハスリンボーイの方は作画担当だったしな。
記事中にも書いたけど、本編は4巻まで。最終巻の5巻はIF(仮定)のストーリーで、人によっては蛇足に感じる人もいるそうだ。個人的には普通に見応えあったけどな。
…
キャバ嬢いわく
の筆頭らしい「ただ離婚してないだけ」。
漫画《ただ離婚してないだけ》は
- 日常で潜む恐怖・ホラー作品が読みたい
- 胸糞悪い主人公が劇的に転落する人生が読みたい
- 浮気してるorしてそうな彼氏・旦那がいる
という方には特に面白いと思います。オススメ。
こちらも読まれてます
- 【普通な君が読むべき鬱漫画】古谷実の異作&傑作《ヒミズ》の微ネタバレ有 魅力紹介
- 【32歳 孤独な男の末路?】異端な漫画《わにとかげきす》が気持ち悪くて面白い件
- 【知?血?地?】『チ。-地球の運動ついて-』ネタバレ含む 魅力・面白さ解説記事