いきなりスマン。
ただ読んでるだけ?なんてハナにつく言い方しちゃったけれども煽ってるワケではないんだ。ただ折角 青のオーケストラという漫画を読んでいるのに演奏曲を聴かないで済ませちゃっているなんてな、おじさん勿体ない気がしてならないんだよ。便所をエビアンで流している気がするんだよ。
そういうわけで今回は青のオーケストラで演奏された曲まとめ。
騙されたと思って読みながら聴いてください、って言っても四六時中目にする過剰広告にウンザリした君達はYoutubeのリンクひとつすら踏んでくれないだろうからシーンや描写なんかも紹介させていただく。
もくじ
青のオーケストラ 演奏曲まとめ
先述したようにシーンや描写も紹介しちゃってるので冗長な記事に仕上がった気がする。
ので、曲だけが気になる人はそちらは読み飛ばしちゃってください。
それでは、まとめていきます。
『新世界より』第2楽章
こちらが4巻 34話で先輩たちのセッションで初めて弾かれた『
地域によっては夕方5時のチャイムだったり、図書館の閉館前なんかで流れる曲でもある。僕自身 結構思い入れのある曲で聴くと無性に切なくなる。家に、というかあの時期に帰りたくなる。。
そんな温かさを感じる曲だ。
演奏曲は数あれど、強くおススメしたいのが新世界より第二楽章。
特に演奏回の最中、40話で『新世界より』第2楽章が始まったときからの演奏、そしてエピソードはホント 漫画史に残る出来だった。40話は是非、曲をかけながら読んでもらいたい。お願いだから、新世界より第二楽章は絶対にかけてくれ。頼む。
一緒に入部した友達がどんどん辞めていってしまった先輩。
自分も辞めようかな…と思いながらも、
()
名前も思い出せないようなサブキャラ先輩の断片的なエピソードでもグッとくる。ハンカチが必要になるだろ。終わりの時間が見えてきた、ってコマでは本当に堪えられんかった。
そんな魅力的な、どこか物悲しくなるような40話、もとい第二楽章の演奏シーンだった。
第2楽章が始まった瞬間に『あ、これはくるな…』と思い、Youtubeで新世界より第二楽章流し始めた僕だ。そのときほどYoutubeプレミアムに登録しといて良かったと思った瞬間はない。
まだ40話を読んでない人は是非。本当に良い曲だと思うよ新世界より第二楽章。
既に読んだ人はもう一度 曲を聞きながら読み返してほしい。『でももうあらすじ知っちゃってるし…』、って?大丈夫、何度読み返しても汗のようにポロポロ涙 流してる僕が言うんだから間違いない。
『新世界より』第4楽章
羽鳥先輩が新世界の中でも最も好き、というのがこの第4楽章だ。
オーケストラはイマイチ、演奏会で観るのと動画で聴くのには大きな違いがあるが、41話を読みながら聴くと良いぞ。雰囲気が十分に伝わる。
『あぁ、多分ここら辺を演奏してるんだろうな…』って思いながら耳で楽しみ、読んで楽しむと良いぞ(多分そういったギミックも仕掛けつつ描いてるから執筆が2か月遅れたりするんだぞ阿久井真は。第二の富樫とか言うな!両方に失礼だぞ貴様等!)。
弦楽器と管楽器が合わさり、熱と轟音を生む!ってシーンは上の動画 0:17秒くらいからの弦楽器・管楽器の交わり。
立石部長が弾いてた
このシーンは4:26からのそれだと思う
作曲者のドヴォルザークは1891年にニューヨークに旅立つ。音楽の為かと思いきや、その大半はアメリカの鉄道を体験するためだったという逸話があるくらい鉄オタのドヴォルザーク。
『新世界より』自体、結構 鉄道を表すような要素があるようで、第3楽章の3拍子は『シュッポッポ、シュッポッポ』という感じで少し喘ぎ気味の蒸気機関車のようだという意見ある。
そんな『新世界より』第4楽章は動き出す重い動輪に始まって、全体が蒸気機関車や汽車の描写に満ちており、風を切る音、ドラフトの音、シリンダーの音、吐きだす蒸気などが表現されている。そうだ。
蒸気が噴き出す音、車輪が力強く路線を叩きつける音、荒涼とした大地を行く機関車のような壮大さを感じる第4楽曲だ。
41話を見返すときは是非。
ユーモレスク
34話で演奏された『ユーモレスク』ってのはこんな曲。
ときに軽快で、ときに悲壮感漂うような気まぐれなユーモレスクには「奇想曲」という邦題がある。
音楽をしてこなかった僕なので稚拙な表現になってしまうが、歓喜・落胆の差、ふり幅がある曲に感じる。僕はどうしても阿佐ヶ谷姉妹が脳裏にちらつくがそんなことはどうでも良いのである。
青野オヤジが言ってるように『軽やか』な曲調と
という悲壮感漂う感じを持つ面白い曲が『ユーモレスク』だ。
歌劇『カルメン』より前奏曲
初っ端から『あ、これか!』となるような、絶対に一度は聴いたことのある曲だと思う。音楽の授業、給食の時間、テレビCMにF1のシャンパンファイト。むしろ聴いたことのない人の方がレアケース。トトロ観たことないってレベルだ。
僕が音楽初心者だからか、初っ端から難しそうな曲に聴こえるカルメン前奏曲だ。中学からヴァイオリンを弾き始めて、よくこんな曲まで弾けるようになったなぁ秋音…。
『くるみ割り人形』小序曲
カルメン前奏曲を終えて小桜ちゃんメイン回となった37話で演奏されたのがピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲『くるみ割り人形』組曲。
イタリア語で『やや早く正確なリズムでAllegro Jiusto(アレグロ・ジェスト)』という通り、やや速いテンポで、聴いていて楽しい曲だ。
演奏はもう、先述した通り圧倒的描写で実際に音が聴こえるのは置いといて、小桜ちゃんの成長っぷりが涙もんだった。
これ以上文字を打つと個人的な感想がネタバレ関係なく冗長に4万字くらい書けちゃうので控える。
小さいときには演奏会で思うような結果が出なかったりして泣いてたのに…、立派になったなぁ小桜ちゃん…
もうね、最高でした。
年だろうか。最近 涙もろくってかなわん。お母さんの表情と食べ終わって2つ並んだパフェの描写がもう堪らなかった。
カルメン前奏曲に比べると、ややマイナーに感じるけど良い曲だ。
僕が実際に目を滲ませたのは上の『小序曲』の方だが、行進曲の方が聴き覚えのある人が多いかな。
アントニオ・ヴィヴァルディ作曲『四季』
こちらが演奏曲のアントニオ・ヴィヴァルディ作曲『四季』。
案の定 『青のオーケストラから来ました!』みたいなコメントが見受けられた。
実際に原田先輩達が演奏したのは第1、第3楽章
特に7:28から演奏される第3楽章は絶対に聴いてもらいたい。おどろおどろしい暗雲の中の雷鳴のような、圧倒されるような曲だ。
聴いたのと聴かないのでは話の面白さが結構 違うとさえ思うぞ。
歌劇『サムソンとデリラ』より バッカナール
こちらが3年生達が抜けた後、新体制となった海幕高校オーケストラ部がコンクールで演奏した曲。歌劇『サムソンとデリラ』より『バッカナール』である。
曲は
というシーンがあるように、オーボエの独奏から始まる。
ヘブライ的旋律、とも呼ばれる妖艶な独奏であり、僕としては一音だけでグッと曲に引き込まれた。上の動画0:30まで聴いていただいたら、その蠱惑的な音に魅了されると思う。
『サムソンとデリラ』は旧誓約書をもとにした歌劇。
ペリシテ人の奴隷にされていたヘブライ人を解放した勇者である怪力男サムソンが、妖艶な美女デリラに篭絡され、その怪力を失って囚われの身となる。しかし祈りが神に通じて怪力が復活し、自分自身をも犠牲にしながら復讐を果たして息絶える、というストーリー。
そして青野達 弦楽器チームが苦戦していた『怒り』の表現。これは6:27あたりから始まる演奏だと思う。
序盤、中盤共に好きな曲だけど特に終盤の盛り上がりは異様なまでも漫画とリンクしている気がするので是非どうぞ。
まとめ
とまぁ、そんな感じで作中 たくさんの曲が演奏される青のオーケストラ。
これまでのネタバレ記事で数百回は言っているように、実際に演奏曲を聴きながら読むと更に面白いのは間違いないので、これを機会に聴いてほしい。
今記事を書き始めたときは『やっぱり新世界より第2楽章が一番良いな…』と思った僕だけど、実際に曲を聴きながら漫画を読み返していると、どれも甲乙つけがたく素晴らしい曲であることに気付いた。
描写を含め、第二楽章は大好きな曲だ。
しかし新体制となってからの各メンバーそれぞれの葛藤を描きつつ、それを昇華した先の『バッカナール』。
本当に、どれも素晴らしい。
是非、諸君等も読み返しながら演奏曲を聴いて、青のオーケストラを更に楽しんでいただきたい。
最新刊が出たぞ!!