廃墟と化した未来の日本。マルとキルコは、どこにあるともわからない「天国」を目指して旅を続けていた。二人は、「天国」を見つける鍵だと思われる「キル光線のマーク」を看板に掲げた「高原学園」のビルをついに発見! そこには何が……? 一方、「天国」こと「高原学園」では、学園の根幹を揺るがす事件が起こり、組織の人事異動が行われる。園長の思惑とは、果たして……? 厳しい世界を、悩みながらも軽やかに生き抜く、少年少女サバイブ群像劇!
引用:Amazon
初速が微妙だった『天国大魔境』。まだまだ物語が序盤の内に「このマンガがすごい!オトコ部門1位」を獲得したことで僕自身『まだそんな面白くないだろ…?』と混乱した。いつかには批判的な記事も書いた。
が、今回の5巻。
徐々に物語が面白くなっていくのはヒシヒシと感じた。
いままではシリアスなのにイマイチ作品に没頭できない感じがあったんだけど、今回の5巻でどっぷりとハマっていく読み心地を感じた。端的に言うと、じんわりと面白く、奇妙な世界に恐ろしくなってきた感じ。
今回はそんな天国大魔境の5巻について。
詳細なネタバレは書かないで、魅力を紹介できるようにまとめていくよ。
前巻(4)の感想記事はこちら
もくじ
天国大魔境 5巻 見所まとめ
【ネタバレ・画バレ含む】
それでは天国大魔境5巻の大まかなあらすじの各話をさらっと紹介……はできないので見所をいくつかピックアップしたので、そんな感じで紹介するぞ。
何度も言うように、マンガの面白さを抜くようなネタバレはしないように細心の注意を払ってまとめているけど、ネタバレはネタバレ。魅力を伝えるには絵が最良だと思って付けているので、『真っ白な状態で読みたい』という人はここでブラウザバックだ。これが最終忠告ぞ!
徐々に近づいていく『高原学園』
2人はついに目的地『高原学園』と見られるビルのワンフロアに潜入。
しかし、なかはもぬけの殻。
なかば廃墟となっていることは想定内の2人は部屋を物色。
どうやら大災害の後に浮浪者の住処になっていた形跡もあり、『天国』らしく情報は一切 見当たらないようだったがキルコ、
なにやら紙を発見。それが、
『Natural Wealth Operation』
と堂々と書かれた高原学園のチラシのようなモノだった。
一見、支援学校のような活動をする慈善組織(?)であるが、
人間が最も自然であるときは、我慢をしていないとき
という社会秩序を無視したような信念を持っていた様子。チラシが発行された当初は全国に2施設、18分室という繁栄っぷり。世の中を我慢地獄と形容する高原学園。
もしかしたらただの銃工場なのでは…?という疑念を持ったマルだったが、どうやら目的地の『天国』は高原学園で間違いないようで……
【園長の暴走?】『高原学園』での出来事
4巻で明らかになったトキオの妊娠。
トキオ自身は、それが赤ちゃんだとは知らされていないものの出産をすることになった様子。
無事に生まれることになったが、高原学園の上層部は手放しに喜んでいるわけではなく、
と、特に園長は特別視しているようだった。
人間の寿命を『足枷』と断言する園長。
刻一刻を争う、という雰囲気の園長。
血走る目を剥きながらスタッフ(世渡り猿渡)に語ったコトとは……
超強力なヒルコ(人食い)
ひょんなことから、キルコとマルの2人は種豚11号(ジューイチ)と行動を共にすることに。
マルも女装して女が絶対的な権力を持つ根城(学校)に潜入。
しかし、、
誰もいない廃墟。
ある日を突然に、人々が姿を消してしまったような雰囲気。
校内を探索していると、様子がおかしいことに気付く2人。すると…
どうやらヒルコの縄張りだったらしく、強力な冷凍能力によって死にかける。
幸い、マルの「なんとなく」で命拾いするが…
超強力な高原学園の5期生
高原学園では新たに5期生が入学してきた様子(トキオ達は4期生)。
副園長に昇格した青島さんいわく、4期生達はもうすぐ、とても大切な時期を迎えるとのこと。思春期なのか、園長が言っていた「病気」に関係する何かかは定かではないが、とにかく大変な時期になるらしい。
で、一気に5期生が15人増える。
4期生達は
- 身体能力が高い
- 予知能力がある
といった個性があったが、5期生には
…
………
どう役立てて良いのか分からない程、物騒で強力な能力を持っている生徒がいるようで…
天国大魔境 5巻の考察と感想
所感としては、
おぉ、面白くなってきたぞ…
って感じ。
今流行りのアニメ・マンガのようにイケてるキャラが大活躍、能力がなんかもうSNS映えして、キャラが特徴的にカッコ・カワイくって…というような分かりやすい面白さではないものの、純粋にSFとして『なんだろう…どうなってるんだろう…?』と知的好奇心をグリグリ刺激されるような塩梅。不安感しかないけど、続きを渇望するような状態。『このマンガがスゴイ!』の審査員の見る目スゴイ。モンドセレクションとか言って申し訳ない。
個人的には『なるほど!』と膝を叩くような、伏線が回収されたようなスッキリ感はなかった。が、それでもどんどん明らかになる世界観に『???』となり、
アクションシーンの迫力、
奇妙なヒルコ(人食い)とのバトル描写等 とっても満足な仕上がりだった。多分、長年の石黒ファンほど新鮮で読み応えがあると思う。
さらには、
思わずウルっときてしまうストーリー展開など、圧巻の仕上がり。『新作はあんま面白くなかった…』って言ってた友達に5巻まとめて貸してやろうと決意した天国大魔境5巻でした。
そんな感じ。
天国大魔境 5巻。
上質なSF漫画を読みたい方は是非!
次巻(6)の感想記事はこちら