【釣り人 必見!】『ウエカツの目からウロコの魚料理』の書評【料理が上手に・好きになる】

魚料理は生臭いからイヤ…

という方も多いかと思います。既製品のチキンナゲットやらソーセージやらと比べて、生臭い、と。これはねぇ、かわいそう。魚が、かわいそう。魚に独特の風味があるのは間違いない。でもこれは豚肉と牛肉が違うようなもんで、食材の性質ともいえるでしょう。では、なぜ魚料理を生臭いという人がいるのか?

 

魚が、魚を調達するところから始まるからです。

いや、鶏肉でも豚肉でもそうでしょ…

鶏肉や豚肉を一匹買ってきて調理する人は少ないでしょう。いわば既製品。店に並んでいるのは的確な下処理が施された既製品なのです。くわえて魚は一匹。まるごとです。鮮度、という漢字からも分かる通り、多少の目利きも重要だったりします。

 

めんどくさ…

まぁ気持ちは分かるが、それだけで他肉を偏食するには勿体なさすぎる。さかな、さかな、さかな。魚を食べると頭も良くなるんだぞ。煮ても焼いても、揚げても美味しい魚ぞ。せっかく魚大国の日本にいるんだから、四季を感じるように魚も美味しく食べろ。

 

 

というワケで、魚料理のカリスマでもある著者が書いた「ウエカツの目からウロコの魚料理」という本について。

目利きなんて、できないよ…

という方でも読んだ後には築地で競りに参加できる豊富な知識が授けられることでしょう。あ、記事本文では随所にネタバレや本文の引用もあるので、気になる方はここらでブラウザバックしてね。

 

 

 

 

ウエカツの目からウロコの魚料理
大まかな内容

テレビ・雑誌で話題沸騰!

元漁師、元水産庁職員と異色の経歴を持つ、魚食普及人・上田勝彦による、魚介類をまるごと楽しむための本。魚の旬や下処理、調理法、レシピまでの基本のすべてを教えます。魚に寄り添った調理の「しくみ」の解説は、まさに“目からウロコ”です!こだわりの47レシピも大公開。

引用:東京書籍「ウエカツの目からウロコの魚料理」

まずは、そんな「ウエカツの目からウロコの魚料理」の概要を紹介していくぞ。

 

 

魚料理の要点がサラッと分かる

「ウエカツの目からウロコの魚料理」は

第1章・サカナ道入門

第2章・魚料理は下処理で決まる!

第3章・魚がおいしい5つのしくみ

第4章・魚の個性いろいろ

第5章・春夏秋冬、この魚の逸品

の5章によって構成されている。

魚の選び方から実際の調理まで、魚、魚料理に関する様々なことが塩梅で書かれている。決して詳しすぎないので、知識ゼロの方でもスラスラ読み進めることが出来るでしょう。写真も大きくて分かりやすいのもグッド。

 

 

カッコイイ教科書のような魚料理じゃない!

本書では「めざす調理時間は5分」という目標が掲げられているように、よくあるカッコ良くてオシャレな魚料理本ではないことも挙げておきたい。オシャレなだけで、実際 まな板の前に立ったら、

……ん?
で、結局何からやるの…?

と路頭に迷う料理本も少なくないが、ウエカツの本は違う。

 

まず第一に、魚全般の知識量が格段に増える。

魚の臭い(魚臭さ)の主となる3要素、下処理の重要性、魚料理を簡単にする魔法のような時短調理方法など、多岐にわたる。上の写真の通り、魚料理にあると便利な道具についても写真付きで、分かりやすく丁寧に解説されている。

 

 

実際 筆者はウロコ取りをAmaz〇nで購入したけど、超絶便利だった。それまでペットボトルのキャップを使って3回に1回は指にカサゴのヒレを刺して流血させていたけど、ウロコ取りを使うようになってから血が流れることがなくなった。なおかつ時短。正直、これだけでも十分 読んだ価値があったと思う。

 

 

 

「ウエカツの目からウロコの魚料理」の著者

ウエカツです。

昭和39年島根県出雲市生まれ。長崎大学水産学部在学中より漁船で働きながら日本の漁村を渡り歩き、修行していた人物。1991年から2015年3月末まで水産庁に勤務した後、株式会社ウエカツ水産を設立。ニッポンの食の自律を目指し、テレビや雑誌・料理講習などを通して全国で活動する「魚の伝道師」です。

 

 

 

ウエカツの目からウロコの魚料理
読んだ後の読者の変化

読んだ後で僕の身の上で変わったポイントは以下の2点。

 

 

魚をさばくのが得意になった

これはあくまで筆者の実体験だけど、魚をさばくのが得意になった。上は釣ったヒラメ。2㎏程度の食べごろサイズだった。本書を読む前の筆者だったら可食部位が少なかったり、どういうワケか苦味があったり(多分 なにかの内臓を切り潰してた)した。魚に申しわけねぇ。

 

しかし、「ウエカツの目からウロコの魚料理」を読んだ後は、

包丁の刃は透けて見えるほど、骨に付く身が超少なくなった

 

 

半身でこの分厚さ。

 

ヒラメの最上部位ともされる「エンガワ」も

この通り。とっても綺麗に取れるようになった

 

一般的な家庭はともかくとして、釣り人なら是非 読んでほしい。読まないと勿体ないレベル。せっかく超新鮮な魚が手に入るのであれば、「ウエカツの目からウロコの魚料理」を読んで、最高に美味しい食材を極限まで活かせる調理技術を学んでほしい。

 

 

魚を料理するのが好きになった

得意がどうかは別として、魚料理が好きになった

調理するのも、食べるのも、観察するのも。第3章では魚がおいしくなる5つの仕組み(煮る、焼く、揚げる)について徹底的に学び、第5章では魚の個性について楽しく学べたこともあり、魚料理への知識が増えた。

 

刺身にフライにカルパッチョ、いろいろな魚料理について触れたことで調理・調味次第でどんな料理にも華麗に転身する魚の可能性に釣り人として胸の高鳴りが抑えられなかったぜ。

 

 

それまで刺身、煮付けくらいしかレパートリーがなかったが、本書によって

いろんな魚料理に挑戦しようと思った。

得意がどうかは別として、魚料理へのモチベーションが格段に上がったと思う。

 

 

 

 

ウエカツの目からウロコの魚料理
面白かった部分

「ウエカツの目からウロコの魚料理を読んでみて面白かったところや、感銘を受けた一節を備忘録として抜き出しておく。多くなり過ぎたので数を減らしたが、少しでも気になるフレーズがあれば是非、本編を読んでね。

 

 

魚は高くない

「魚は高い」という声を時々聞きます。魚はほんとうに高いのかどうか。一般的に、畜肉にはほとんど天然がない。完全に養殖するシステムの中で育てられ、殺すも、解体するも、切り分けるのも、機械化されているからこそ、安くできる。つまり魚が高いのではなく、畜肉が安すぎるのだ。

 

 

一匹のサバと、一投の牛

仮に40センチくらいの殺した牛一頭と、同じくらいのサバ一匹と、まな板に乗せるとしたらどっちがいい?小さければ牛でも自分でさばきますか?突き詰めれば、そういうことなんです。牛一頭、鶏一羽は、家庭ではゴミも手間もどうにもならんので工場や店がやる。魚は、体の構造が簡単で、自分の手でやれるし、隅々まで使うことができるから無駄がない

 

 

知れば知るほど…

安けりゃそれでいいという傾向にはあるけど、食材というものは、知れば知るほど安くて旨いものにありつけるようになっていて、たとえば魚は年に2回の旬があって、安くてそこそこおいしい時期と、ちょっと高いけどすごくおいしい時期があるなんてことを知ってしまえば、賢く買って使い分けができるというもの。

つまり、それがわれわれにとっての魚という いのちの存在であります。

 

 

 

総括:ウエカツの目からウロコの魚料理
読書レビュー

魚料理について学びたい方にオススメ!

の「ウエカツの目からウロコの魚料理」だった。本文でも述べたように、魚釣りが趣味な人は是非。下処理によって劇的に美味しくなるのが魚なんだと超分かるよ。上の写真は、この前釣ったアジ。デカい20Lくらいのクーラーボックスを持って行ったけど、アジ一匹しか釣れんくてな。

 

でも

やった!旨いぞコレは!

と意気揚々と帰れたのは本書のおかげ。貧果でも、美味しくなるのが分かっている魚を、これ以上ない新鮮な状態で持って帰れるのが嬉しくてしょうがなかった(実際、超絶 旨かった)。

 

 

まぁ別に、無理に魚を食べる必要はない。

下処理が手間だったり、生ごみが出たりと、夏場に食べようと思ったら結構 計画的にゴミ出しの日などを考える必要があったりする(まぁ生ゴミに関しては、凍らせちゃえばいいんだけど…)。

 

しかし、特に理由はないけど

めんどくさいから…

で魚料理を避けてしまうのは勿体ない。他の肉では感じられないほど、強烈な「旬」があるのも魚料理の特徴だ。日本という魚文化の強い国にいて、魚料理を食べないなんて勿体ない。高校3年の3学期に中退するようなもん。特に釣り人は間違いなく読んでおいた方が良い。断言できる。

 

 

本書ではめざす調理時間5分、というように、多忙な現代の日本人でも手軽に、

  • おいしい
  • 財布に優しい
  • 栄養バランスが良い

の3拍子揃った魚料理について、しっかりと学べるぞ!

 

 

以上!

少しでも気になった方は読んでみてね!

 

 

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