【ん~、微妙…】『幸福人フー』の書評【そんなに面白くなかったぞ】

正直 そんな良くなかった

のがタイトルにもある「幸福人フー」という本。

面白くなかったってこと?

面白くなかったよ。

マジで、個人的には今年読んだ本の中でも断トツで面白くなかった。

 

「幸せ」というアヤフヤなものについて、ほどよく暇になった人は思い悩む。僕自身 ちょっとは気になるところである。人それぞれ、という大前提は分かっているけど、定義のようにカチッとした基準があるのなら学びたい。そんな気持ちで「幸福人」というタイトルから本書を手に取って、うす青色の文字に「!」となり

 

はじめまして、坂口恭平です。

もう自分の説明はしません。自分が何者かもわからないし、もうわかってもらえなくてもいいし、そもそも自分がわからないので気にしません。適当に好きに生きています。ということで、今回は幸せとは何か、という僕の主要な研究テーマについての研究所を書いてみたいと思います。

という序文で「おっ!」となり、読み進めたものの…

 

 

 

正直 期待が大きすぎた。

 

最後まで読んでいても、いまいち勉強にならないというか、フワフワしてるというか…。著者が研究対象に「憧れ」を抱いちゃってる感じね、どうも苦手というか、参考にならないというか…。ブリーチ屈指の名言を思い出した次第。

 

 

でも最後まで読んだんでしょ?

まぁ、読みやすかったからな。ただ、終盤は「なんで自分は面白いと思わないんだろう?」という研究スタンスになってたよ。ということで今回は、なんで個人的に「幸福人フー」が面白くなかったのか?について、自己整理のためにまとめていきます。

 

 

 

 

「幸福人フー」
おおまかな内容

ということで、今回は幸せとは何か、

という僕の主要な研究テーマについての研究書を書いてみたいと思います。

不幸せではない人生を送る、とかではなくて、幸せとは何か、です。
これはつまり、幸せな人を対象にしなくてはならないのですが、
幸せだと自認している人ってなかなかいないんですよね。
でも、僕は何人か知ってます。
(中略)で、今回もまた幸せ研究がはじまるわけですが、
今回の取材の対象は、なんと僕の妻なんです。
「幸福人フー」と、タイトルをつけましたが、
その「フー」という女性が僕の妻です。

引用:紀伊国屋書店「幸福人フー」

 

 

憧れが強すぎる

なんかフーちゃんを神格化してない?

って終始思ってた。

『フーちゃんには悩みがありません!』

『フーちゃんは後悔したことがありません!』 

みたいなことを書くけど、そんなの分からないでしょ…と。そりゃ傍から見ればフーちゃんは幸せそうにしてるように見えても、フーちゃんなりの悩みや苦しみってのはあるもんでしょ。

 

ちょっと憧れが強すぎてか、冷静に分析・研究されてる感じがなかった。フーちゃんって本当に存在してんの?美化しすぎてない?っつーくらい人間味を感じられなかった。人並み以上に「幸せ」を追い求める著者だからか、自分を苛む「漠然とした理由のない不安」を感じないフーちゃんに対する「引け目」を感じた。崇拝してた気がした。

 

 

書き殴ってる感

僕も書きながら、いま、わけがわからないです。

これよ。

書きながら研究を進める、という感じなのである程度は仕方ないとしても、ちょっと僕は苦手だった。わからないままでも書いちゃえ感は良いんだけど、終始こんな感じでフワフワしてた。ファンなら楽しめたのか?同じく、良く分からない抽象的な概念を研究した「逆張りの研究」がいかに良書だったのか実感した。

 

 

 

対話形式なので仕方ないとはいえ…

「おばちゃん…(涙)」

とか

「泣ける…」

とか、いるか?

泣ける話を聞いて「泣ける…」と口にする素直さが僕には欠如してるのでなおさら引っかかった。いやでも、いるか?実生活で何か感動したときに「○○さん…」と感情的に言えた例がなかったので、なおさら嘘くさく感じてしまった。

 

 

とくに目新しい内容でもなかった

  • 人と比べてない
  • 後悔をしたことがない
  • 退屈だと感じることがない

みたいな傾向があるためフーちゃんは幸せ(というか不幸を感じにくい)らしい。読んでて既視感?というか

あれ、この前 同じような内容読んだぞ…?

といちいち思ってたんだけど、多分あれだ。

アドラー心理学だ。

人間関係とか後悔とか、そういった普遍的な悩みについてはアドラー心理学で大体は目を通していた。ので、あまり新しい発見がなくて、衝撃も走らなかった。「嫌われる勇気」とか読んでいるのならば、幸福人フーはそこまで面白くないかも。

 

 

フーちゃんは素直に、今までの自分を最適なものだと捉えます。他者と比べないだけではなく、理想の自分とも比較しません。だから自分を叱ることがありません。これぐらいしかできないのか、と僕は自分を責める時がありますが、20年以上もフーちゃんを見てきて思うのは、フーちゃんは一切自分を責めないんですね。

これとか、「今にフォーカスを当てる」みたいな感じで「不安の哲学」にも「嫌われる勇気」にも書いてあったぞ。通底しているものが一緒な以上、僕にとってはあまり有益な本でもなかった。

 

 

 

「幸福人フー」
「へぇ…」と思った文章

「幸福人フー」を読んでみて「へぇ…」と思った部分、一節を備忘録として抜き出しておく。

 

 

予測で勝手に言葉にしない

いつもフーちゃんは、予測で勝手に言葉にしない。フーちゃんは経験していること、見ているコト、判断できることだけを感g萎えて言葉にしている。フーちゃんの言葉にする方法も、後悔しないやり方と同じかもしれない。

 

 

体験しないと面白いものにも出会えない

「ま、恭平は落ち込んでもいいよ。私は違うから、私は笑うし、体験しないと面白いものにも出会えないから、体験することはやめないし、また変な町に行っても、笑うよ。」

 

 

虚しさ

フーちゃんは虚しいということも感じたことがないそうです。僕の場合、なぜ虚しさを感じるかというと、これだけやったのに、結果がうまくいかず、嫌になる、という感じだと思います。これだけやったらこれくらいになるだろう、と想像しちゃって、そうならなかった時にむなしく感じちゃうわけです。見返りを求めているわけですね。

 

 

だからなんでもいいのよ

「わかってないなぁ。でも今は、わかることができないんだから、わかることができないことに悩まなくてもいいよ。でも悩むことが仕事なのが今だから、悩んだとしてもいい。だからなんでもいいのよ」

 

 

鬱の時に自己否定的になるのは

鬱の時に自己否定的になるのは、何も自分がダメだからではなくて、自己否定的になっていないと体をどんどん動かしちゃうからだ

米国の精神科医アンドリアセンによると、躁鬱の体験は創造性を高めるのではないか?と推測できるらしい。鬱病期のときが、いわば創造の培養期に相当し、躁病期になって一期に花開くそうだ。

 

 

嘘をついて生きていくのは違う

それならフーちゃんを裏切るようなことをしなきゃいいのに、と思います。確かにそう思います。しかし、僕としてはなんとなく、嘘をついて生きていくのは違う気もします。無茶苦茶自分勝手な考え方ではあるのですが、フーちゃんがこれまで受け入れてきてくれたのは、僕自身がとにかく自分に正直に接してきたからではないかと考えるところもあります。

そういう考えに至るのか…

となった一文。あ、良い意味ではないです。

 

 

自己否定している時は すでに鬱に入っています

ときどき、自己否定の言葉が出てくるじゃないですか、その時は実はもうすでに、心の調子が良くないんです。

自己否定している時は すでに鬱に入っています

 

 

 

 

総括:「幸福人フー」
読書レビュー

オススメはできない

「幸福人フー」だった。

 

ひねくれ気質な僕としては、面白くない。納得できないポイントが多すぎた。また、話の構成が

  1. 僕はこう考えるからダメなんです
  2. でもフーちゃんは違います

と一辺倒なのも読み応えがなく、研究対象である『フーちゃん』に対しても憧れが強くて人間味がぜんぜん感じられないのがキツかった。

 

というか何よりも僕は、生まれつき「幸せな考え方」が実践できている人よりも、四苦八苦しながらも「幸せな考え方」に到達した人の本の方が読みたいことにも気づいた。

 

 

というワケで「幸福人フー」についての書評でした。

僕的には全く良くありませんでしたが、躁鬱病に悩む方が近くにいる方は「なるほど…こういう感じなのか…」と勉強になるかもしれません。もしくは著者のファンなら満足できる、距離感の近いアットホームな本に仕上がってるのかもしれません。

 

僕は、好きじゃなかったです。

 

 

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