手放しに「面白い!」
と絶賛&友達にオススメできる本ってのは年200冊読んでいて10冊あるかないか程度なんだけど、表題にもある「なんとな~く物理」はその類の本である。万人に価値のある一冊なんて存在しないのだとしても、万人にオススメしたい。とりあえず手に取って読んでほしい。
物理でしょ?
あたし文系だから…
という方も、読め。いまどき文系・理系にこだわるなんてナンセンス。当作品は掃いて捨てるほどある物理入門書ではない。高卒の僕が言うんだから間違いない。
先週、基礎化粧品(化粧水や乳液)でアホみたい高い製品を買って死ぬほど後悔し、
色々と考えるのに疲れた…
何を信じていいのか分からない…
と超落ち込んでいた女性に薦めてみたところ、1日で読み終えた挙句「肌断食」という本を読み始めるようになっていた。なにが言いたいかっていうと「なんとな~く物理」は、
- 能動的に知ることの大切さ
に気づかせてくれて、考えるうえで重要な「基礎物理」を魅力的に教えてくれるのである。
何を どう信じるかは自分次第
そして それが正しい情報か見極めるのも自分!
だから自分で考えて
判断できる力って大事なんだよね
知ってることで防げることもある
知識は楽しいだけじゃない
自分の防御力も上げてくれるんだ
というワケで、今回はそちらについて。
随所にネタバレや本文の引用もあるので、気になる方はここらでブラウザバックしてね。
もくじ
なんとな~く物理
大まかな内容
SNSで話題沸騰! 物理の基本が全ページまんがでわかる1冊!
「壁ドンって、壁からもドンされている!?」
「波がスクワットって…どういうこと!?」
「電池なしでも電流は流れる!? え、超能力!?」
「集合体恐怖症が震撼! 世界はつぶつぶでできている!?」個性豊かで可愛いキャラクターと、一緒に物理学を学べる漫画大公開!
引用:Amazon
楽しく興味が持てる
まず主人公のリンゴちゃんと一緒に考えてほしい。
…
…
!!!
上のように、思い込みをスルーせず、その理由を突き詰めていくことが大切であることを軽やかに紹介してくれるのが「なんとな~く物理」である。上の現象については分かりやすい解説があるけど、詳しくは本編で見てね。
マンガなので軽~く読み終えられる
物理、と聞くと
うっ!トラウマが!!
と警戒していまう人がいるのも分かる。僕としても昔、河合塾で取っていた物理の授業が恐ろしくつまらなったことがあった。幸い、その時はチューターに相談して授業を変えてもらったけど、つまらない人にとっては苦行のような科目だと思う。
そんな物理だが、「なんとな~く物理」では名前の通り、
全編 マンガで楽しく学べる。
いまいち現象が想像しにくい、というのが物理で挫折するデカい要素なので、活字による難解な説明が一切ないのが嬉しいところ。
電子の「にゃんしー」や陽子の「ぴょんしー」達が超かわいい。
入門書ということもあり、なんとなく子供向けなのかな?と不安だったんだけど、大人の僕が読んでも普通に面白かった。あ、誤解がないようにネットのレビューを乗っけておくと、
Twitterで見かけて発売日に購入。
私も読みたかったし、いつか子供も読んでくれるだろうな、と思って。そしてついに子どもが手に取り、ドハマり!6歳児が「ぶつりがく読む!」と言ってるのは面白いですし、何より楽しそうに読んで感想を教えてくれるのが嬉しいです。
イラストもとっても可愛く、なかなか説明しにくいことも漫画で理解できるので強い味方です。続編は無いのでしょうか?他にも読みたいです!
というような感じ。超わかる。続編読みたいよね。
Kindleで読めないのが残念!
唯一残念なところとしては、電子で読めないのが残念なポイント。いや別に紙の本でも良いんだけど、電子で読めたらもっとも~~っと多くの読者の目に触れたと思う。
ぶっちゃけ物理の本としては結構多い評価を受けているっぽいが、筆者の友人に
Kindleでは出てないのか…
とがっかりしているヤツがいたのも事実。
え……直接本買うの…?
じゃあいいかな…
という人は読売ランド前駅まで来てくれれば僕の本を貸してやるから遠慮するな。
なんとな~く物理
グッときた場面・名言
https://twitter.com/shishamo_lab/status/1515602180585422851
楽しいと思っていた物理が、いつしか「学校を卒業するためのもの」に変わってしまった経験をし、再び物理の面白さに気がついた一人の著者ネコザメタカシ氏。
「不思議」ということにワクワクする。
なんでだろうと考えることが楽しい。
本書で、鎖に縛られた心の中の科学の箱を、宝箱に変えるべく筆をとり、2年の制作期間を経て完成させた大作が「なんとな~く物理」である。
紹介したいことが尽きないが、最後に簡単ながら「なんとな~く物理」を読んでみて僕が個人的にグッときたパート(≒名言)を抜き出しておく。
いろんなものを、いろんな角度から…
今 自分が
見ているものだけが真実じゃない
当たり前は 当たり前じゃない
いろんなものを
いろんな角度から
見てみることで
始めて真理に
たどりつくこともある
物理を学んでいく過程で、そんなことが学べるのかもしれない。
何が分からないかが分からない!
分かったような
分からないものもあるような…
でも何が分からないのか
分からない!
「そういうもの」
と割り切って先に進んでみることも大事よ
求める答えは その先にあったりするしね
すばらしく含蓄に富む言い回しである。
受験物理で死ぬほど苦労した筆者としては、分からないことを分からないままに放っておくのも勇気だと思う。説明を聞いてイマイチ分からなくても、すこし間を置いて他のことを考えている間に考えが熟成するもんなのかもしれない。
なんとな~く物理
読書レビュー
物理はもちろん、それ以外も学べる!
という点において、今年に読んだ本の中でも屈指の面白さだった。すごい作者のネコザメタカシ。物理の入門書として最高レベルの面白さ。楽しく興味が持てる、という点ではの追随を許さない。
そこかしこにオマージュが散りばめられているのもグッド。忍び笑いの絶えない、素晴らしいバランスの良本だった。
筆者の友人にめちゃくちゃ世間知らずなヤツがいる。その昔 パチンコ屋で換金する際に計算が合わず、等価交換ではない(4円で1玉を買うんだけど売るときは3.3円とかになる)コトを知らない彼は憤慨し、従業員に直談判しに行ったという無頼漢である。そんな彼に、
俺は物理とかいいし…
と言われつつも無理やり読ませたが、割と面白そうに読んでいた。先日、1か月かかったがしっかりと読み終えた(ちなみに15年振りに本を読んだらしい)。方位磁石がなぜ北を差すのか?という彼の長年の謎が高校レベルの物理で良く分かるとに感動していた。
物理知識ゼロの方でも挫折することなく、なんとな〜く物理の基本知識が習得できるような構成になっている作品であり、読み進めるほどに物理に対する苦手意識が消える。本来の物理の楽しさを味える。
最後に、「なんとな~く物理」の中でも最高に感動した場面を紹介して締める。
いろんなものが
どうやってできているのか
いろんな現象が
どうして起きるのか
なんとな~く知るだけで
いつも見ている世界が
昨日と違って見えたりする
知識は世界を楽しむメガネ
だから知るって面白いんだ
少しでも気になった方は是非!
なお、こちらの「ししゃもラボブース」で元素マグネットキーなど素晴らしいアイテムが買えるぞ。
無頼漢の彼に読了記念として「ガウスの法則アクキー」をプレゼントしてあげようと思ったんだけど、
「食べる古代生物クリアファイル」の方が良い…
と言われてしまった。なんでだ。意味わからんアイツ、こわ…。
こちらも多分おすすめ
『チー地球の自転についてー』
画力なんて気にならない
くらい面白いマンガです。なんとな~く物理が好きならば『チ。-地球の運動ついて-』もきっとハマるでしょう。決してわかりやすいマンガではありませんが、主題は『好奇心』と『探求心』。時代や宗教が入り混じり、血で血を洗うようなドロドロとした先にある『知的探求心』をめぐるマンガです。