ひょんなことから出会い系アプリ「Tinder」を使ってトランスジェンダーの女性(元男)とマッチしてデートに行くことになりました。
前回のおさらいとしては、公園(Albert Park)で待ち合わせることになり、薄暗くなってきた時間に前からGジャンを着こなした背の高いロングヘアーの女性が颯爽と歩いてきたわけでした。
心臓が飛び出しそうなくらい緊張した瞬間でしたが、私の座っていたベンチを横切った女性。、、、ん、、、?
遠くへ消えていく女性、、、あれ、、、あっ、、
人違いでした。タイプの女性だったのでガッカリしつつも ちょっとだけ安心してベンチの背もたれにもたれてスマホをいじっていると
「You Sho ?(あなたがショウ?)」
と背後から声。男の声では断じてないんだけど、女性の声としてはやや掠れたような声。振り返る前から 今度こそ今回のデート相手、ケイリーだと推測できました。
デート開始
本当は心臓が飛び出すくらい驚いたものの、平静を保ちつつ余裕を見せるように格好つけてゆっくり振り返ってみると
「おぉ、すごいな。」
と思わず日本語で感想がでるような外見のトランスジェンダーさんがいました。彼女の名前はKerry。今回のデート相手でした。
参考にちょっと描いてみました↓
多少 美人に描きましたが、初見ではまず元男のトランスジェンダーとは見抜けないと思います。今回は薄着でしたので よくよく観察して、腰のラインやアゴなどで「ん?」となったレベルでした。腕とかも細かったし。
正直 今までTinderでデートした中でもトップレベルの綺麗さでした。
韓国料理屋へ
正直 今までの比にならないくらいの凄まじい緊張感に包まれていたので、食欲とかそういう類のものは一切 感じなかったのですが、ケイリーがお腹が空いたそうだったのでAlbert Parkの近くにある韓国料理屋さん「Pocha」に入り、適当に料理をお酒を注文して会話がスタート。
まずは「何年ニュージーランドにいるの?」やら「趣味とかある?」といった月並みな質問を消化していきました。今までのデート相手はあらかじめ会話のトピックは選んできました。全員 外国人だったので、その国ならでの面白い風習や文化など質問は尽きませんでしたしね。
しかし、今回のケイリーはトランスジェンダーさん。別に腫物を触るような気持ちはないのですが、今までのように 気になったことを単刀直入に聞いてしまっては大変な無礼になるのではないか、という疑念が振り払えず、ついに会話が用意できずにデートを始めてしまったのでした。
進むお酒
ある俳優の大変 有名な名言に
「Don't think , feel(考えるな、感じろ)」
というものがあります。
そういう考えに基づいたわけではないのですが、こうなったら余計なことをウダウダ考える理性にさよならバイバイしなければいけないと理性が判断したので、ショウジュ(焼酎)をバカバカと頼んで、グビグビと飲み始めました。脳内にApehx Twinが流れ始めました。
加速度的 質問の品性低下
酔いが十分に回ってきて、理性も丁度良く 姿を消してくれたので思い思いトランスジェンダーについて質問をしてみることにしました。まだ理性がたまに顔をのぞかせてくるので、質問の前に「これを聞いたら失礼かもしれないんだけど、」と前置いてから聞いていましたが、ケイリーが
「私たちはそういうのに超オープンだから何でも聞いて大丈夫よ」
と言ってくれたんです。
そう本人からの許可が出ると、もともと好奇心旺盛な私ですので聞きたいことが どんどんと湧き出てきました。どういう風にトランスジェンダーになったのか、今までどんな男または女と付き合ってきたのか、そもそも竿はどうしたのか、等 どんどん質問の品性がなくなってしまっているような気がしつつも、絶え間なく浮かび上がる疑問を聞いていきました。
会話は尽きることなく、色々な方向に飛びました。私としても今まで親しい男友達ともしないような性癖の話とかのセンシティブなことも話せたりしたので満足でした。もともとヨーロピアンなこともあってユーモアもあり、尚且つどんな話でもしてくれるのでとても面白く、素敵な時間を過ごせました。
お会計のときに、全部支払おうとすると
「本当に大丈夫なの?働いてないんでしょ?」
ということをジッと目を見つめられて言われ、その目力と綺麗に化粧が施された肌、ほのかな赤のトーンで統一されたアイメイクとリップに心奪われました。
ナイトクラブ
韓国料理屋「Pocha」の横にはナイトクラブがあります。ナイトクラブが分からないようなウブな男性読者のために簡単に説明すると、ナイトクラブとはバカデカい音楽が鳴り響くダンスフロアみたいなもんです。
一言にナイトクラブと言っても国や地域によりますが、ことニュージーランドのオークランド、韓国料理屋「Pocha」の横にあるナイトクラブはUPLIFT SPICEのボーカルによく似た女がDJをする素敵なナイトクラブで、鼓膜が破れそうなくらいでした。
お酒が入って上機嫌なケイリーに誘われて、そんなナイトクラブにイン。ナイトクラブにはそんなに行ったことがありませんでしたし久しぶりのライブ会場のような熱気にあてられて地に足がつかないような高揚感を味わってました。
もっと前に行こう、と彼女に手を引かれて 人で犇めき合う前線に。爆音で響く重低音に体を揺らしていると突然 ケイリーのおっぱいが腕に。偶然ではなく、明らかに押し付けてきていたので、
「すごいな大人って、、、」
と妙に感心してました。まぁ私も年齢的には大人なんですけど。。同時に「もうこれはイケるんじゃないか?ここらがオレの童貞の納めどきなんじゃないか?」という考えが頭を過り、彼女に もう外に出ないか、と提案を試みるものも周りの音がバカデカすぎて全然聞いてもらえない。耳元で話しかけてみてもまったく理解せずに、逆にディープキスをされる始末。お前ら、大人って、というかナイトクラブってすげーよ。
その後も何度もボディータッチを繰り返すも帰るそぶりは微塵も見せずに踊りまくってるケイリー。オレのテンションも上がりに上がりまくる。楽しいし、めちゃくちゃ興奮する
そして悲劇は訪れる
はぐれた
はぐれちゃいました☆
自分でも驚きなんですけど躍るには至らないまでも、爆音にあわせて体を揺らしたりしているだけ思いのほか楽しく、ケイリーから意識を外してナイトクラブを楽しんでいたら さっきまですぐ傍にいたケイリーがいなくなっていることに気が付きました。見失ってしまいました。視界が悪く、初詣の成田山新勝寺なみの人込みの中でひとりの美しいトランスジェンダーを見失ってしまったのでした。
そして、、、
「連絡をとりゃいいじゃん」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、時刻が午前2時半。ちょくちょく韓国料理屋でスマホを使いながら会話したこともあって充電はすでに切れていたのです。なんということでしょう。もっとセクシャルな単語は前もって調べておけばあんなにスマホを使わなかったのに、、
一応3時ちょいすぎまで外で待ちましたが、それまでの高揚感を冬の夜の寒い風が冷まし、私を帰路につかせました。帰宅早々 スマホを充電して確認すると数十分前に「いまどこ?」という連絡があり、それに返信するも その後は連絡は来ず。モヤモヤした時間を過ごしましたが、慣れないナイトクラブと人生初のトランスジェンダーさんとのデートからの緊張感から解放されて すぐに泥のような眠りにつきました。
翌日、午後1時過ぎに目が覚めてすぐにスマホを確認。彼女からの連絡が入っていて
「とにかく昨日は楽しかったよ!また今度ね」
ということでした。次の予定も決めなくてはと思い立ち 提案するも どの日も都合が悪いそうでしたので、「また連絡するね」とメッセージを送って一旦 連絡が途絶えました。
Tinderの機能として、相手と自分の距離をアバウトに知ることができます。
先日 Tinderを開いてケイリーに連絡を取ろうとして確認してみると
その距離差 8402キロメートル。
この切なさ。もうどこかほかの国に行ってしまったのでしょう。おそらく今生ではもう彼女とは会えない虚しさの中、この記事を書いてます。慰めてくれてよい。この際 男の胸でもよい。
で、この話を飲み仲間のプレイボーイ達に相談したら、
「まじかよwwwwwすげードラマチックwwww」
「He who has never experienced hurt, cannot experience true love.(傷ついたことがない人は真実の愛を経験できない。)」
イタリア人の方は相変わらずゲラゲラ笑っていましたが、イギリス人の方は頷いたりして慰めてくれたり、英語の格言を教えてくれました。
ということでオレの初めてのトランスジェンダーさんとのデートは幕を閉じたのでした。切ない、が、ネバーギブアップ。。I Don't give a fu〇k。気にしてなんていられない。
今の私の気持ちをよく表す感じの曲を置いておきますので是非 一緒に聞いて感傷に浸りましょう。よく面白い動画で使われていた曲ですが、改めて聞いてみるとグッときますよコレ。
Bag Raiders - Shooting Stars (Official Video)
後々この記事を見返したとき、「そういえばこういうこともあったなぁ」って笑え飛ばせてたらいいなぁ