ゆるふわ茨城PRマンガ 『茨城ごじゃっぺカルテット』は薄味だが…

茨城県という超魅力のない県がある。日本で一番宇宙に近いというJAXA(筑波宇宙センター)や日本で一番デカい牛久大仏なんかもある県なのだが2019年 都道府県魅力度ランキング(株式会社ブランド総合研究所実施)において7年連続 最下位という不名誉な称号を得た。ってか調べてみて驚いたんだけど、2009年から始まった都道府県魅力度ランキングで2012年にワースト2位になった以外 他全部ワースト1位じゃねぇか、いい加減にしろ!あ、わたくし県南に住んでいたことがあります。井家と申します。

 

 

おまえはまだグンマを知らない」や「翔んで埼玉」など魅力ないことを逆手に取ったブラックコメディとして成功した作品がある。が、7年連続最下位というこれ以上ないシチュエーションにも関わらず「茨城」をテーマとした漫画・映画の数は少ない。そりゃ今も存在するといわれる伝説の生き物ボーソーゾク、比較的そこら辺にいるヤンキー・チンピラの報復は怖いけれども。なんとも勿体ないなぁ、と思ってた。

 

 

 

そんな中、今年2020年3月24日にマンガワンで連載がスタートしたのが表題の『茨城ごじゃっぺカルテット』だった。

引用:茨城ごじゃっぺカルテット 1話

 

絵の可愛さ、話のほのぼのさ等、うまくいけばアニメ化にもなって茨城の魅力が幅広く伝わると思うけど、どうだろう茨城県。茨城県魅力映画支援事業もいいけど、『茨城ごじゃっぺカルテット』を支援してみては。

 

 

 

ってわけで今回は茨城ごじゃっぺカルテットについて。

 

 

 

茨城ごじゃっぺカルテット

茨城県、魅力度ランキング全国ワースト1位。

茨城県、ヤンキーが多そうな県全国1位。

「茨城でナメられたら…人生終わる!?」

東京生まれ東京育ちの猿島ノブエは壮大な勘違いを抱えたまま一家で茨城県坂東市へ引っ越すこととなる。壮大な勘違いは大変な大間違いへと発展し、衝撃の転校生デビューを迎えることに……。

都会人ミーツ茨城県!

茨城の魅力に気付く、茨城をもっと好きになる、ご当地ゆるふわ日常コメディー!

引用:MangaOne

 

茨城の魅力に気付く、茨城をもっと好きになる、ご当地ゆるふわ日常コメディー!

う~む、読む以前と比べて茨城をより好きになった感はないが、『ごじゃっぺ(バカ、いい加減なヤツ)』や『とっぽい(不良っぽい)』とかの茨城弁、恐竜公園(八坂公園)とか日本一長い看板など、茨城のアレコレを紹介している日常系のフワフワした漫画だ。疲れているときとかに頭空っぽで読めるゆるふわ感が良い。

 

為になるかならないかでいったら多分ならない知識が多いと思う。まぁ題材が茨城だしな。が、第5話を掲載した段階で多くの「こういうのでいいんだよ」オジサンを獲得したことで、細く長く連載することが期待される作品である。

 

 

 

絵が可愛い

引用:茨城ごじゃっぺカルテット 1話

 

以前はアニメ会社に勤めていて、これまでにも『からかい上手の高木さん』、『イエスタデイをうたって』などの原画を担当している作者 豚もう(Tonmoh)氏などで1話目から絵が可愛くって安定している。

 

 

何度も申し訳ないが茨城県って題材は地味だ。圧倒的地味さ。休日はジャスコくらいしか時間潰せない。冒頭で都道府県魅力度ランキングで7年連続最下位ってことを「これ以上ないシチュエーション」なんて評したが、魅力のないモノには魅力のないだけの理由があるものだ。

 

県南で過ごしていても特にこれといって楽しくもなく、かといってつまらなくもないような平々凡々な生活だったのを覚えている。唯一 記憶に残っているエピソードは鹿島スタジアムでサッカーを観戦中、間違って川崎フロンターレのTシャツを着ながら鹿島アントラーズのサポーター席に躍り出てしまい、熱烈なアントラーズファンから滅茶苦茶メンチを切られたくらいだ。アントラーズサポーター超怖かった。

 

 

 

田舎は田舎なんだけど、そこまで田舎でもない気もするし。人口ももうちょっとで300万人突破するから廃れてるわけでもないし……。なんというかこう、微妙なブス感あるよな茨城。いじりたいけど、いじるほどの派手さがないようなモヤモヤした地、それが茨城。女芸能人でいうなら大久保佳代子。いじっていいか微妙なライン。トークが面白いから魅力的なタレントの大久保佳代子だけど茨城県は口きかないしな。

 

 

 

ええと、なんだ、話を戻そう。つまり、何が言いたいかっていうと作者 豚モウの作画によって僕は惹きつけられたって話だ。何度も申し訳ないが、茨城県をテーマとしたゆるふわ日常漫画って聞いて『面白そう!』ってなる人はいない。いたとしたらそいつは茨城県民だ。

 

 

世間一般の人は茨城に無関心。だが、1話を読んで「これは…イイね…」と思い購読を決意したのは作者豚モウの画力によるものが大きいと思う。少なくとも僕はそうだ。キャラクターがまず可愛いよ。

 

 

 

スズちゃん可愛い

引用:茨城ごじゃっぺカルテット 1話

 

なんといっても僕のおススメはスズ(スズラン)ちゃんだ。登場人物の中でも随一 口が悪い、のではなく方言がキツイ。性格もおてんばで恐竜公園に行ったら恐竜の股間にアタックする。見た目はお嬢様っぽいのに茨城弁がキツイっていうのがね、最高なんだ。

 

 

聞き返すときは『あぁ?』

引用:茨城ごじゃっぺカルテット おまけ『だいじ?』

 

 

自分のコトをオラって言うところ。

引用:茨城ごじゃっぺカルテット 4話

 

 

歩くときは「ててててててて」

引用:茨城ごじゃっぺカルテット 1話

 

 

ぶち食らわすぞ!

 

うむ、満場一致で可愛いね。作者はヘンに男キャラを登場してくっつけないでほしい。頼むから、そこんところよろしくお願いします。

 

 

 

 

あえていうなら背景の描きこみがちょっと…

ちょっとだけ気になったところがあるので、そこを最後に。

 

この前 浅野いにおの「素晴らしい世界」を読んでいて思ったんだけど、あの人の背景の描きこみ量は異常だ。すげー細かいところまで描く。写真をトレースして描いてるらしいけど、それにしたって凄い描きこみ量だった。新人漫画家なのにわりとすぐに世間から『鬼才』とか『気鋭の新鋭』なんて評価されていたのは、そんな並々ならぬ背景の描きこみがあったと思う。実際 僕も各話の重厚感には圧倒された。

 

 

それと比べることはお門違いなのはわかっているんだけど、「茨城ごじゃっぺカルテット」にはもう少しだけ背景をよく描いてもらいたいのだ。

 

 

とはいっても、ほんとうに少しだけで良いと思う。別にリアル路線じゃないから間違っても浅野いにおレベルで描きこむ必要はない。無暗に描きこめばいいってもんでもないと思うしな。むしろ、背景の殺風景さに茨城を感じることもある。具体的に言っても、本当に些細な所だ。

 

たとえば、3話の12ページ。

引用:茨城ごじゃっぺカルテット 3話

 

 

そして12ページの上のコマ。

引用:茨城ごじゃっぺカルテット 3話

 

門扉がちょっととがりすぎているのが気になる…

 

なんてことのない背景だが、なんとなく気になってしまうのだ。なんというか、味気無さが目立ってしまう。誤解しないように言っておくが、上手くは描かれているのだ。けどな、ちょっと直線が多い気がするんよ。

 

 

引用:茨城ごじゃっぺカルテット 1話

 

草とか畦道なんかの自然は気にならないくらい丁度良く描けているんだけど、建物とかテーブルとか、そういった人工物がやけにカクカクしている。直線が多い。キャラクターは生き生きと描けているんだから、もう少しだけ背景に力をいれてもらえると一層 作品として完成度が高まると思う。

 

 

 

まとめ「茨城ごじゃっぺカルテット」

最後に素人ながら意見してしまったが、僕は『茨城ごじゃっぺカルテット』が大好きだ。茨城に住んだことのある身としても応援しているし、スズちゃんが好きなのでこれからも読み続けていくだろう。

まだ始まって間もない作品。さぁ魅力のない茨城県を題材にこれからどう展開していくのか楽しみだ。5巻まで出せたらホント凄いと思う。

 

 

 

連載されてる裏サンデーで無料で読めるので、気になった人は是非。

 

 

リンク:茨城ごじゃっぺカルテット(裏サンデー)

 

 

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