超えるかモブサイコ ?『王様ランキング』の世代を超越した面白さ

Webマンガ界において普遍的に不足しているもの、それは画力だと思う。せっかくの良いストーリー・設定があっても活かしきれずに連載が終わるのは画力によるものだという見解も少なくない。え?モブサイコは絵が下手でも売れたって?あんな特例を出すんじゃねぇ。アレに関しては漫画の面白さもあるが、アニメ作画班の頑張りっぷりも評価してあげてくれよ。2期の5話見たか? 作画中に数名のスタッフが過労死しましたって言われても不思議じゃないレベルだっただろ。

 

それに、モブサイコのアニメ見て漫画を買って「な、なんだこの絵は…」と愕然してるファンも少なかったぞ。中学生の従妹がそのパターンで、折角 新品で買ったというモブサイコ1巻をパラパラっと読んですぐに「違かった。ヤフオクで売って」と頼まれたからして『絵』というのは漫画の重要なファクターなのは間違いない。

 

 

がしかし、絵の下手さを補って余る構図・ストーリー・キャラ設定などで魅せることができるマンガも勿論ある。むしろそっちのマンガの方が商業的に大成功していることが少なくない。進撃の巨人・カイジとか。『なんだよこの絵www』とバカにしたように読み始めた読者が読了後に

「外見(絵)で決めるなんてオレはバカだな…」

と感動し、悔い改めてファンになることも多いことから、絵は下手だけど面白い漫画、はマンガ界の宝といっても過言ではない。

 

 

そんな絵は下手だけど面白い漫画の超好例が今回紹介する『王様ランキング』。控えめに言っても傑作だ。

 

 

 

 

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王様ランキング

王族の長男で、巨人の両親を持ちながらも、自身は体が小さく、短剣すらまともに振れないほど非力な王子ボッジ。
しかも耳が聞こえず、言葉が話せないボッジは、周りからは次期王の器ではないと噂され、どこか空虚な毎日を過ごしていた。

 

しかし、ひょんなことから心が通じる「カゲ」という友達を得て、人生が輝き始める。

引用:Amazon

 

 

あらすじ

ではまずはあらすじを紹介する。既に頻度高く表示される広告でチラッと見た人も多かろうがそれでも紹介させてくれ。

 

 

主人公は王子様のボッジ。

 

耳が聞こえず、短剣も持てない非力さから王子としては不評で、いつもひとりぼっち。

 

そんなときに出会ったのが『カゲ』だった。

 

 

 

よいカモができたと思ったカゲは、王子の装飾品に目を付ける。

 

 

不満を抱くどころか満足そうにカゲの要求に応えるボッジ。帰り道は必然的にパンチ一丁になってしまい、自国の民の子供達にもからかわれる始末。

 

 

継母である王妃ヒリングには序列関係なく、実の息子ダレダに王を継がせようと思われてしまう。

 

 

どんなに熱心に教えても短剣を扱う腕力すらつかないので指導者からも呆れられてしまう。

 

 

 

弟と勝負すればコテンパンに叩きのめされてしまう有様

 

 

どんなに努力しても誰にも認めてもらえない。

 

 

「強くなれない星の下に生まれている」なんて思われてしまうボッジ。誰に笑われても、バカにされても『世界一立派な王様になる』と奮闘するけど、一向に腕力はつかない。

 

 

 

 

 

 

 

そんなときにボッジの前に現れたのが、興味本位で王子の傍についていたカゲだった。

 

 

 

 

王子をカモとしか見ていなかった己を恥じ、王としての器の大きさも感じたカゲはボッジに生涯 支えようと決心するのだった。

 

 

 

っていうのが僕的にグッときた王様ランキングのあらすじだ。王妃ヒリングだって、ただのヒステリックボインなんじゃなく、

 

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☝のような感じで、ちゃんとボッジをいつも思っているのも良い。

 

読み返すほどにキャラに愛着が湧くのが王様ランキングのスゴイところだと思う。もう僕はボッジの赤面V字口に癒され、カゲに堪らなくいじらしさを感じるようになった。

 

 

 

児童文学のような面白さ

 

作者の十日草輔(とおか そうすけ)は元々 漫画家ではなく絵本作家を目指していた時期もあってか、『子供が面白いと思うモノを作ろう!』という気持ちが強い。気がする。タイトル『王様ランキング』というわりにはランキング要素が薄いなと思った僕だが、十日草輔氏いわく『子供がランキングとか好きそうだから』という理由で『ランキング』と付けたくらいだ。

 

漫画に限らずあらゆる媒体で「何を伝えるか」ということは重要だ。表現とは誰かに何かを伝えるためにある。そして、そこには勿論 作者本人の素が出る。41歳でプロデビューを果たした遅咲きな作者の人生を見てみると数ある挫折、失望で満ちている。成功体験もあるけど、それ以上に失敗の方が多いようだった。自信を喪失したり、夢を見失ったり。

 

だがそれでも投げやりにならず、

引用:脱サラ41歳のマンガ家再挑戦。

 

と捉えられる人間的柔軟性があってか、作中では

 

  • 一生懸命やったことは無駄にならない
  • 芯から悪い人間はいない

 

といったことが伝わってくる。悪いことをしてしまっても贖罪の機会が設けられてたり、王子の誰にも気に留められないだろう苦心・努力をカゲが見守っていたり…

 

 

 

 

多くの読者にウケて大ヒットする漫画には「夢を見させてくれる」という側面があるという。モテモテになったり、金持ちになったり、最強になったり。その点 王様ランキングで僕が感じた

 

陰ながらの努力を結果が出なくっても認めてくれる存在がいる

 

というコトは他のマンガには素朴すぎてあまり扱われていなかった「夢」だと思う。スカッとジャパンのような単純明快な勧善懲悪でなくとも、なろう系のようなハーレムを築けなくとも、“自分を認めてくれる存在がいる”ということだけで満たされて、ジーンと心温まるように感じた。

 

 

他の漫画がテコ入れで使ったりする“ひねくれた展開”、“不快な描写”も少なくて全年代にウケる面白さもあった。商業的な展開が見受けられなかったのはWeb漫画という媒体で掲載したというメリットもあるだろう。

 

 

流行りとは真逆に進んだ王様ランキング。

 

単行本化が進んでるらしいけど売れるの?
女が好きなイケメンキャラもいないし、主人公も弱いし、今流行りのなろう系のハーレムご都合主義、転生モノと真逆を進んでるし。
売上の予想は一万前後と予想。5万部はいかないだろな。
自分は好きだから買うけど、Twitterとかから食いついたミーハーは絶対買わないだろ。

 

なんてコメントがあった単行本発売当初だったが、最近 予想を10倍上回る50万部超えを果たした。

 

 

 

無駄のない絵柄

上手くない絵を「味がある」なんて言うレビューを多く見るが、下手なものは下手だ。そこは変わりない。が、余計な描写・クセのない、無駄のない絵ともいえるのが十日 草輔の絵だろう。現代の煌びやかな画力はなくとも、手塚治虫世代の漫画のようなテンポ・分かりやすさがある。下手だけど、丁寧だ。上手くはないけど1話に1週間丸々使って描いた絵が雑なわけないのだ。

 

 

いつだったか『感情が爆発したキャラは敢えてデッサンを崩して描け!』と言ってた漫画家がいた。その最たる例が王様ランキングだと思う。

 

 

キャラが泣くシーン描写はめちゃくちゃに上手い。なんでこんな上手いんだ十日草輔。日常生活で凹んでいるときに見ると涙が止まらないぞ。まだ全話読み切れてない僕だが、何度も見返しては頬を濡らしてる。低く見積もっても半年分は泣いたと思う。

 

 

 

 

時期は未定だが王様ランキング、アニメ化するらしい。

 

 

年齢を問わず楽しめる王様ランキング。モブサイコのように良いアニメーターを捕まえられたら一世を風靡することも十分に有り得るぞ。ボッジ自体 非常に描きやすいキャラなのでおそ松氏のように自分で描いた絵を上げてキャッキャする中坊の様子も想像できるぜ。グッズも飛ぶように売れそうだ。

 

 

王様ランキング。是非 今のうちにチェックしておいて流行ったときに古参面してほしい。

 

 

☟作者の漫画家道程を描いたコチラもおススメ。現状に上手くいってない夢追い人は是非。
それでは
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