夫妻に振り回される息子の悲しさ

すっかりパチンカスになった夫妻はパチンコのためにどう金を作るか、借金したときにどう逃げるかだけを考えるようになるので、息子がないがしろにされるシーンが多かった。

 

 

ママは何度も子供を置き去りにして逃げるし

引用:連ちゃんパパ 3話

 

 

パパはパチンコ、資金繰りに必死。

引用:連ちゃんパパ 8話

 

 

蔑ろにされるならまだしも、両親の都合による親権争いなんかに巻き込まれた浩司君は

 

と言ったりする始末。なんと健気な…

 

 

 

そんな浩司君、終盤にはついに自閉症になってた。

引用:連ちゃんパパ 32話

 

 

 

ゆるい画風で描かれる唐突な自殺

引用:連ちゃんパパ 38話

 

物語は終盤、パパは精神科にかかって何とか重度のパチンコ依存症から脱出した(克服はしていない)。真面目に塾講師として働き始める。順調に周囲からの信頼も取り戻し、縁談として紹介された女性と再婚、、が、今度はママ側が借金をこしらえる(原因はもちろんパチンコ)。で、邪魔になった子供達(間男との間にできた子供も含む)をパパのもとに押し付け夜逃げ。

 

引用:連ちゃんパパ 38話

 

 

浩司君だけだったらまだしも、浮気相手との子ども2人も預かっては仕事に私生活にガタがきて、最終的には破滅(直接原因は勿論パチンコ)。

 

 

仕方がないので夜逃げしたママを探しに鹿児島へ行く。が、全然 見つからない。浮かんでは沈む人生にほとほと疲れてしまったパパ。

 

 

何日も探して見つからないので、もう諦める。気晴らしに、と子供達をドライブに連れてく。

引用:連ちゃんパパ 42話

 

 

豪勢に金を使い始める。

引用:連ちゃんパパ 42話

 

 

そして、

 

引用:連ちゃんパパ 42話

 

 

ん、どこ行くんだろ、こんな夜中に。

 

 

 

 

 

えぇ………

 

 

っていう感想しか出てこなかったよ。90年代ってパチンコ全盛期だろ。そんな最中のパチプロ雑誌でパチンコ依存症の主人公が排ガス自殺してるんだが…

 

 

 

それでもパチンコから逃げ出せない

入れ違いにホテルを訪れたママ。いつまでも帰ってこないパパの異変に気付き捜索。なんとか車を発見。奇跡的に生還したパパ。

 

 

引用:連ちゃんパパ 42話

 

二人はゼロからやり直そうと誓い合い、東京に戻る。

 

ついに借金・家庭崩壊の原因がパチンコだと気が付いた夫婦は二度と銀玉を握らないと約束する。が、移り住んだ家の隣にパチンコ屋があり、ふらっとパパが足を踏み入れてしまう。取り立て屋から小遣いで1万円もらったこともあり、ついつい打ち始めてしまい、そこをママに目撃される。

 

 

引用:連ちゃんパパ 43話

 

 

このままじゃダメだ、と思ったパパ。取り立て屋に頼んでド田舎に引っ越す。周りに何もない田舎ということで、夫婦はついに平穏な生活が送れると安堵する。

 

 

 

が、近所でパチンコ屋の建設工事が始まり……

引用:連ちゃんパパ 43話

 

 

という形で作品は終わる。またも始まってしまいそうな悪夢を予感させる、ドロッとしたシーンで幕切れ。

 

 

 

 

まとめ「連ちゃんパパ」

全43話とは思えない濃密なストーリーの「連ちゃんパパ」だった。コミカルな絵柄、テンポの良い展開でスラスラとパチンカスになった夫妻のクズっぷり・鬱展開が堪能できる良作。漫画はマンガ図書館Zで7月31日まで無料で読めるから気になった人はお早めに。

 

 

 

 

『パチスロが全部 悪ではない!』とか『パチンコによって救われた人もいる!』なんて言ってるパチスロYoutuberとかいるけどアレ詭弁だからな。すくわれてるのは足だぞ。あいつらはこれからも広告費でバジリスク打ちたいだけだから決して信じるな。オレだけを信じろ。オレからアムウェイ製品を買って幸せになれ。

 

 

 

作者のありま猛氏が言うように、パチスロに限らずアルコール・セックス等に依存する人達は「連ちゃんパパ」のようなクズになる可能性があるってことだ。

 

世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに、自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない

 

 

引用:君はどう生きるか

 

 

 

商業的漫画が蔓延している中で、こうしたメッセージ性の強い漫画を後世に残していきたいね。現在は電子書籍でしか読めない連ちゃんパパだけど、道徳の副教材として使ってもいいと思うぞ。感受性の高いキッズならパチンコに嫌悪感を抱く良いきっかけになるだろう。

 

 

 

依存症、みんなも気を付けよう。

みたいな感じで今回は締めさせてもらいます。

 

 

それでは。

 

 

 

 

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