ファン以外 買う価値あるか? 石黒正数 短編集『探偵奇譚』について

絶妙な絵で最高に面白い日常的な話を描ける石黒正数という漫画家がいる。僕は高校のとき初めて『それでも町は廻っている』という石黒の代表作を読んでからファンになった。で、いつだったか訪れた本屋で『石黒正数セール』なるものが開催されていて、表題にある『探偵奇譚』という石黒の短編集を購入した。

 

この前 久しぶりに読み返したんだけど、まぁその、面白くも面白くもないような無味無臭感がありまして。。裏面に『石黒正数の多彩な魅力を満喫出来る!!』って紹介されてる割にはファンの僕としてもガッカリな出来だったんだよ。各話の合間、カバーしたの『未発表ラクガキ集』には困惑を隠せなかった。ラクガキ集って言ってマジで大学時代のラクガキ載せるのは石黒すげぇと思うけどよ。

引用:探偵奇譚 97ページ

 

 

誤解がないように言っておくけど、他の作品はスバらしく面白いんだよ。アニメ化もした『それでも町は廻っている』、現在連載中の『天国大魔境』なんか文句のつけようなく面白い。『木曜日のフルット』見たときは天才なんじゃないかって思ったし、この前 紹介した『響子と父さん』だって1巻完結とは思えない面白さだった。

 

 

だがね、『探偵奇譚』。これは僕自身が石黒ファンである贔屓目をもってしても微妙だったので、ましては人に勧めるなんてことは出来ないモノだったワケよ。折角 面白い作品を描いている石黒なのに、最初に探偵奇譚を読まれて『なんだよ石黒 話題になっている割には全然面白くねぇーじゃんか』って思われても僕自身 寝覚めが悪い。

 

 

ここまで律儀に本文を追ってくれた生真面目な読者諸君ならもう十分『探偵奇譚はおススメできない』っていう僕の声は伝わっただろう。お疲れ様。伝わったならもういいよ。解散してくれ。

 

 

つっても無名の僕に言われて「はいそうですか」と納得する人達だけじゃないことも分かる。そんな人達のために以降おススメしない理由をグダグダ語っていくつもりだ。特に石黒正数のことは知らないけど、とりあえず探偵奇譚を買ってみようとする人を全力で止める記事だ。ゴメン石黒正数(とそのファン)。

 

営業妨害感は否めないが、それでも、オレは、探偵奇譚はおススメできねぇ。

 

 

 

 

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探偵奇譚

「嵐山歩鳥&紺双葉」おなじみの先輩後輩コンビが、友人失踪のミステリーに挑む!

石黒ファン必読の表題作を始め、TVドラマの原作にも起用された『スイッチ』、思春期のエロスを描いた『14歳 性の相談室』など、石黒正数の多彩な魅力を満喫できる全11作品+α収録を収録した傑作短編集第1弾! 未発表ラクガキや著者の自作品解説も収録!!

まず「嵐山歩鳥&紺双葉」おなじみの先輩後輩コンビが、友人失踪のミステリーに挑む!なんてあるけど、コンビが登場するのは1話しかないから注意。

 

 

立ち読みで十分だぞ、コレ

引用:探偵奇譚 82ページ

 

ホントゴメン。だが僕の率直な感想としてはこんな感じ。立ち読みで十分。

 

というのもだね、僕が探偵奇譚を買ったのは数年前だったと思うんだけど、購入した当日にパラパラっと見て以降、去年の年末の大掃除のときまで一度も読み返すことがなかったんだよ。別に紛失したり、目の届かないところに収納してたわけじゃないのに、何度も目についていたのに全く読み返す気が湧かなかったんです。で、この前ようやく改めて全話隈なく呼んでみたんだけど、こんな記事を書いちゃうような面白さでな。正直 ガッカリした。

 

いや面白くないわけじゃないんだけどね。読了後に『あぁ面白かった』とか『いや~良いモノを読んだ』っていう感覚がなくってな。何度も言うように『無味』といった漫画の感想っぽくない評価に至った次第。

 

特に石黒正数ファンでないなら、そこまで魅力と面白さは感じないだろうし、僕のように読み返すこともないと思ってる。

 

 

面白い話・小ネタはあるんだけど…

引用:探偵奇譚 59ページ

 

2009年に世にも奇妙な物語で『爆弾男のスイッチ』っていう話があったんだけど、その原案となったのが探偵奇譚に収録されてる『スイッチ』という短編だったりする。

 

 

『カラクリ』って話も良かったよ。24ページしかないのに、あわや感涙するところだった。

引用:探偵奇譚 114ページ

 

 

構成力があることは石黒正数なので別に驚いたことじゃない。普通に面白い。

引用:探偵奇譚 125ページ

 

ただ、どうにも読み返すような面白さを全く感じない。響子と父さんはあんなに読み返したし、友達に貸しても絶賛されていたのに『探偵奇譚』はイマイチだった。

 

『探偵奇譚を読むことによって石黒ワールドをより深く知ることが~』みたいな紹介のされ方もあったけど、そんなことは全くなかった。1ファンの僕としては『ほぇ~石黒正数こんな話描いてたんだ~』とか『パチスロ雑誌で掲載してたりしたのか~』って漠然と思ったりするだけだった。

 

探偵奇譚で知ることができる石黒ワールドは『それ町』だけでも十分に伝わるし、面白いと思う。

 

 

僕がこの『探偵奇譚』をおススメできないどころか買ってほしくない理由は2つある。1つ目は単純にそこまで面白くなかったということ。2つ目が、作者が他に傑作とも言える漫画を多く出しているってことだ。それらを差し置いて探偵奇譚手に取られて石黒正数を評価されるとな、やるせねぇんだよ。僕的には他の作品と比べて大きく見劣りしてしまうんだよ。探偵奇譚って作品集は。

 

 

 

金と時間と好奇心が有り余っている人は是非 買ってみてほしいけど、そうでない人はよく考えてから手に取ってほしい。なんだったら僕のを貸してあげるから家に来い。

 

 

 

 

 

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