前回のつづきです。
そんなワケで体調の優れないものの、まぁ歩けないほどではないのでデートに向かいました。
待ち合わせ場所はCourtney pl(コートニープレイス)にあるバーガーキングの前です。『写真と違ったらどうしよう、、』などといった考えが頭を駆け巡り、周りの人に聞こえているのではないかと思うほど心臓がバクバクしていました。
時間ギリギリにバーガーキングの前に着くと、いました。
デート開始
いました。ザラです。流石 外国人。完璧なEライン。
『Hi!nice to meet you!』と声をかけ、鼓動鳴りやまぬ心臓を必死に抑えて 普通に友達と話すように日常会話をして、レストランを探すことになりました。特に深い意味はないんですけど、外国人でもやっぱりプロフィール用の写真って実際の外見とは異なるんだなぁ、って思いました。
ジャパニーズレストラン『嵐』
で、レストランに来ました。
本当はKC-Cafeに行こうと思ったんですけど、飯時ということもあって大盛況すぎたのでジャパニーズレストラン『嵐』で夕食を取ることにしました。従業員は中国人が多いジャパニーズレストランですが、店内はすごい綺麗なんですよねココ。
おそらく既にTinder内のチャットでもしたであろう質問をし合いながら、料理を待ちました。大学では心理学を専攻している彼女です。俄然 そちらに興味が沸いたので英語は難しかったですが 質問は無尽蔵にわき、会話も途切れることなくって良かったです。
緊張しすぎか風邪のせいなのかまったく味がしなかったです。薄味っていうレベルではなく、マジで無味。辛うじて匂いはしました。
お互い完食して、数分 食休みした後 店を出ました。
『You wanna go to bar or something(バーでも行かない)?』
と提案してみました。(未だに『You wanna』って使って相手を誘うのには苦手意識がある私です。かといって『Would you like ~』は ちょっと丁寧すぎる感じがしますし。。ほかの男ってどうやって誘ってんの?)
で、彼女の返事は、
『Why not!(もちろん)!』
ということだったので、めでたく(?)バーに行くことになりました。
バーにて
入るや否や、ザラが『さぁ、飲みましょう!!』とめっちゃ目をギラつかせて、バーテンダーにカクテルを注文してました。
私も決して好きではないものの、他の酒を見ても英語でなんだかよく分からなかったので、とりあえずビールをグラスで頼もうとしたら
『Nah~Nah~Nah~。それじゃ少ないでしょ!こっちにしなさいな!』
と、ジャグ(下の画像の一番左のサイズ)でビールを頼むことになってしまいました。
今回訪れたバー『El Barrio』ではビールがジョッキだろうがジャグだろうが、その日は一律で10ドルだったことを彼女は知っていたようでした。
で、ザラもちょっとはビールを飲むのかと思いきや、彼女は自分の頼んだコップのフチに塩のついたお洒落なカクテルを少しずつ飲んでました。
酒が進み、ここで喋るのも躊躇うほどの下ネタを話しながらビールを飲んでいると、風邪気味なこともあってか酔いがとてつもないスピードで回り、気が付いた頃には頭がグワングワンと揺れて まともに思考ができないくらいには出来上がってました。たまに日本語でも喋っていたと思うんですけど不思議なことに会話は、というか意思の疎通は出来ていたことのを強く覚えています。
そこからさらに30分が経過したでしょう、午後 9時30分頃。近くに良いナイトクラブがある、という彼女に連れられてさらにもう一軒 行ってきました。
そして、、、
もうこの頃にはもう記憶が混濁する程度には出来上がっていました。悪い酔い方の手本みたいな状態。オレが女じゃなくって良かった。
良いナイトクラブだろうが悪いナイトクラブだろうが私にとってナイトクラブはナイトクラブでしかないので、相変わらずの爆音に正直 ウンザリしながらザラを見失わないように近くでフラワーロックのように限りなくぎこちなく揺れていました。
その後もしばらくしたら一軒目のナイトクラブを出て、近くのバーで数杯 お酒を注文して、二軒目のナイトクラブに行き、なぜかザラは轟音鳴り響くスピーカーの前に陣取り、突発性難聴になるかと思いました。
どのくらい時間が経ったかは定かではないですが、いよいよ風邪が本格的になってきたのでしょう。周りはほぼ半裸で踊っているというような熱気溢れる室内にいながら悪寒が半端なくなってきたのでザラに
『じゃあオレは帰るね。グンナイ』
と言って別れようとすると
『え!なんでよ!まだそんな遅くないでしょ!』
と、彼女も酒が回ってきたようで、もはやデート開始時の彼女とは雰囲気が変わっていました。
体調が良くないから、というと率直に理由を言うと なんだか『体調悪いのに来たのかよコイツ、、必死過ぎ、、』となるのではないか?という考えが風邪とアルコールで混濁した頭をよぎり
『もう、正直ちょっと眠いし、、』
と言っても音楽が喧しく、全然 伝わりませんでしたのでスマホを取り出して画面に『Getting Tired(疲れた)』とタイプして見せると、彼女も耳元でペラペラと喋ってくれましたが、まったく聞き取れません。3回くらい聞き返しましたが全く聞き取れず。すると彼女は自身のスマホを取り出して
という画面を見せてきました。
これ以上ないくらいに混濁した脳内でしたが、一瞬で『こ、これは、、、』と男の勘(注:童貞)が働き、これはもうそういうサインなのではないか、いやきっとこれはそういう類のサインに違いない、と判断しました。
が、ここでさらに理性がカムバック。理性君の言う分には
『君は過去にお酒でへべれけになった状態で女性とコトになったが、ジョニーは反応しなかったじゃないか。今回はさらにヒドイ状況だけど、ジョニーをスタンダップさせる自信はあるのかい?またさらにトラウマを拵えるのは愚の骨頂なのではないのかい?』
ということでした。
本能君の方は『行け!とりあえず、行け!』の一点張りでしたが、20数年間を童貞で過ごした男の本能なので何だか頼りなく思えました。
しかし、これがチャンスなのであるという可能性は捨てきれないのであります。だったこれはもう、そうでしょう。そういうサインでしょう。女性の方に質問ですが、『I have a big bed』なんていう文を使うとしたらどんな状況ですか。Tinderで知り合った男に ただ快眠を提供するためだけに提供する言葉としては不適切ではないでしょうか。男子諸君にも質問ですがマッチングアプリで女性と知り合い、居酒屋に行って良い感じに打ち解け、下ネタを話した後にナイトクラブに行き、帰り際に女性から『I have a big bed』と言われたらどう捉えますか?わ~~い、今日はぐっすり眠れるぞぉ、って考えるドピュアな野郎はいるのでしょうか。鈍感力には定評のある少年漫画のラブコメの主人公でも気付くレベルだろうが。真中淳平でも気付くわ。据え膳に気付けぬ男はTinderなんて使うんじゃねー
もう、そうでしょう?
それしかないでしょう?
ということで私が下した決断は、、
帰宅・まとめ
帰宅しました。
最終的には理性君の勝ち。またも酒の入った状態でジョニーが反応しないなんてことになったらオレはもう、ウェリントン港に身を沈めるしかなくなります。喜んでロブスターの餌になりますとも。
それに、ある考えも頭に過りました。それは
『オレの童貞のゴールはここで良いのか、、?』
というようなものでした。完全に血迷ってしまいました。
昨今では非童貞というと童貞(元は非童貞)からは見下され、『童貞が許されるのは小学生までよね~~』やら『それにつけても童貞は死ぬべきである』という厳しい風当りでワタクシ自身も肩身の狭い思いをしてきてはいますが、それを理由に投げやりにお酒の勢いで童貞を捨ててしまっては過去のオレに申し訳ない気がしまして。一生に一度のことだからこそ一片の悔いも残したくないのです。それに混濁した意識の中じゃあね。というか十中八九 立たねーよ。だって前よりも状況悪いんだぜ。。
今までことあるごとに会社の先輩からの風俗やハプニングバー、おっパブなどの素敵な語感の眩い誘惑を断ち切ってきたオレの童貞は安くはない。『童貞はカッコ悪い』、『童貞はダサい』という何者かの悪辣なプロパガンダには負けてはならないのだ。
なんの話だ。
当日以降、彼女からの返信はない。
しかし真の童貞は落ち込まない。真の童貞とは神や妖精にもなりうる純粋で汚れなき聖なる男の事をさす。優しくて強い存在である。ヨハネの黙示録によると、最終的に救われるのは1,444,000人の童貞男子だけらしいよ。
いつかオレの理想の女性が現れることを願い、今日も人知れず枕を濡らして眠る。
そんな誇り高き童貞のウェリントンTinder記でした。