食欲×性欲、といったジャンルの飯を食べながらアへ顔するマンガはこれまでに何度も見てきた。読んではいないが、飯食って赤面、大の大人が口の両端から涎をダラダラさせながら目をトロンをする作品にも『表情がエロい!』って評価されてアニメ化されたりすると「需要があるもんなんだなぁ」、としみじみ思った。え、別に特定の漫画を思い浮かべて書いたわけではないです。
で、恐怖×性欲。これもまぁ見たことはあった。その昔「辱 ―断罪―」っていうマンガがあってな…
それについて書くと話が脱線しかねないので今回は割愛するが、恐怖×エロ(性欲)も食べ合わせの良いのか定期的にそういったジャンルのマンガが連載してはコメント欄が炎上してきたマンガワンだ。
今回紹介する「うしろの正面カムイさん」も例のごとく 『ホラー×エロ』的な感じで紹介されてたので正直 僕は『またか…』と思っていた。。。
うしろの正面カムイさん
「幽霊が見えるだけ」の普通の女子高生・シヅカ。
シヅカは幽霊を引き寄せる特異体質を活かし、有名な霊能力者・カムイの助手として働いている。
圧倒的な霊力を誇るカムイだが、その除霊は前代未聞なヤリ方でーーー!?“超”除霊の幕が開く!!
エッッッッッッッッッッロイムエッサイム!!
引用:裏サンデー
『エッッッッッッッッッッロイムエッサイム!!』…。毎度のことながら裏サン・マンガワンのPRは深夜にでも書いてるのか?って思うくらい勢いがありすぎる。暑がりヒナタさんのときもそうだったが、ハマる前からテンション高めの紹介文見ると身構えちまうんだよ僕は。
ってなわけで今回も期待はしないで読み始めた。
結果…
エロもギャグも良い
恐怖×エロではなく、どっちかといえばギャグ×エロ路線だったが、予想以上だった。「はいはいエロいんでしょ…」と読んでたら予想以上のエロさ。マンガワン大丈夫か、グレーゾーン軽々踏み越えてるぞコレ。
そんな『うしろの正面カムイさん』、なんといっても期待を裏切らないエロ、そして予想だにしないギャグの面白さが光っていた。
簡単にあらすじ、というか設定を紹介させていただくと、
この大胆不敵な男がカムイさんだ。
カリスマ霊能力者として名高い彼の除霊方法というのが
…
ご覧のような感じだ。
霊を“性的”にわちゃわちゃすることで“悪霊退散!!”なのである。理屈はいらない。そうと決めたらそのマンガではそうなのである。『下半身がなかったらどうするんだ!』や『悪霊が全部女だと思ってんのか!』、『男は無理だろうが!!!』という声が聞こえそうだが、そんなのはカムイさんにとっては些事。きっとなんとかするだろうよ。
まぁ「霊を“性的”にわちゃわちゃすることで“悪霊退散!」と聞いて『面白そう!』ってなるヤツはそんなに多くないだろう。よほどエロマンガ・薄い本が好きならまだしもパンピー目線で考えると霊と性的にわちゃわちゃする、ってなかなかのトンデモ設定だしな。
ってなわけで例のごとく、どこがどう魅力的だったのか紹介していきたい。
絵が素晴らしく良い
ギャグはともかく、エロをやる上で最も重要なのは『絵』なのでないかと思う。
そりゃエロにはシチュエーション・フェチなど複雑な要素が絡むので一概に言えない奥深さがあるが、マンガにおいて、まずは絵、これが僕の持論である。
『とらのあなで好みのエロマンガを買ってこい』と中坊~青年の男に金を渡したら各自 好みのエロマンガを買ってくるだろうが、『なんでそれを買ったの?』と尋ねれば大半のヤツが『絵がエロいから…』と答えるだろうよ。『ストーリーが面白そうだから…』つってクジラックス買ってくるヤツはそういない。いたらヤバいヤツだから今後の付き合い方考えたほうがいいよ。ほとんどのヤツは師走の翁らへんをチョイスしてくる。ソースはオレ。
つまり、エロにおいては視覚的情報が強いのである。玄人になれば官能小説のような1次元の文字からですら性的興奮を得られるそうで、『肉樹』を『あぁ、チンチンのことね…』と脳内変換して文字の語感などからでも妄想を膨らませることができるが、そんな変態的妄想力の強いヤツはそういない。ほとんどのヤツはエロは視覚的に得ることを得意とする。現在は2021年である。エロは視覚的に、存分に楽しめるようになった。好みのキャラのエロ絵はPixivに大量に転がっている時代になった。
そんなわけでエロは視覚的な要素が強い。納得いただけただろうか。漫画という2次元の表現媒体においては『絵』がもっとも重要なことは理解していただけたと思う。そして「うしろの正面カムイさん」の作画担当 コノシロしんこ(鳥丸やよい)の絵は素晴らしいのである。
…
深く言及すると「パラレルパラダイス」のようにGoogleから警告が来てしまうので控えさせていただくが、とにかくエロい。Twitter上げとくから参考にしてみてくれ。18歳未満はダメだぞ。刺激的な絵ばっかり描いてる人だからな。
https://twitter.com/myayoi62/status/1268581322764587008
ギャグの面白さ
うしろの正面カムイさん、ては原作と作画が分かれている。作画は先ほど紹介したようにコノシロしんこ(鳥丸やよい)氏だ。そして原作はえろき氏である。
この作品がエロありきではなく、ギャグの面白さも相まって「またエロかよ…マンガワン…」という僕のマイナスバイアスを吹っ飛ばしたのは、えろき氏の原作の面白さだと思う。先述したように勿論、エロをやるにしても最近 えらくたくさん連載しているエロ系マンガに負けないくらい「エッッッッッ!!!」ってなったのは作画担当の鳥丸やよいの画力の他ないが、マンガは絵とストーリー、甲乙つけがたく両方とも重要なのである。
変態的読者が多いマンガワンだけど、彼等は、いやアイツ等のコトは知らん、少なくとも僕はマンガワンにはマンガを読みにいってる。エロマンガを読みに行っているわけではないのだ。そこを理解せずに容易にエロで読者を釣ろうとすると「辱 ―断罪―」のような悲惨な結末になる。マンガワンにおいて、エロは諸刃の剣。エロで易々と釣られた読者は次第にストーリー・面白さも要求するようになるのだ。厄介極まりないよなマンガワンの読者。
ってなわけで、エロを描いても内容が伴ってないと〇勝のようにコメント欄がアンチで沸き返った挙句 封鎖されたりするのがマンガワンだ。
「うしろの正面カムイさん」で僕が終始感じているのは鳥丸やよいの絵の素晴らしさ、そして読み続けるようになったのはえろきの原案の良さだ。とくにえろきのギャグ展開はイイ。そもそも性的に除霊するってなんだよ。とんでもお色気マンガになりそうになればキチンとツッコミが入るのも読者を置いてけぼりにさせない。
ちなみにえろき氏だが、決して絵が描けないということはなく、自身で「脳筋ちゃん」というオリジナルマンガを描いていた。下にリンクを貼っておくので参考にどうぞ。あ、18歳未満はダメだぞ。刺激的なマンガ描いてるからなこの人。そう原作も作画もエロに精通しているのも『うしろの正面カムイさん』の強みだ。よく考えたらプロのエロ漫画家2人がタッグ組んでギャグ漫画描いてるって意味分からんくてウケる。
まとめ『うしろの正面カムイさん』
深夜に読んでクスクス笑って、たまに「ムム…」と下腹部に妙なアツさを感じさせてくれた『うしろの正面カムイさん』だった。
エロ系コメディのマンガで原作と作画が分かれているのは僕的に『アレ?』となったが、期待を大幅に上回る面白さだった。マンガワンのエロ系マンガの多さに辟易していた僕でも『こいつぁマブいマンガだぜ…』ってなったことから面白さが分かると思う。
まだまだ始まったばっかりに過ぎないが、十分 看板作品として成長する見込みのあるマンガだと思う。
アニメ化目指して頑張ってくれ えろき、単行本は買うよ。
良いネタありがとうコノシロしんこ、今夜はコイツで決まりだよ。
ニコニコの『次にくるマンガ大賞 2021』にもノミネートされてるぞ。応援してる人は、投票忘れないようにね!!