廃墟と化した未来の日本。マルとキルコは、どこにあるともわからない「天国」を目指して旅を続けていた。二人は、「天国」を見つける鍵だと思われる「キル光線のマーク」を追い茨城にある「高原学園」の施設を訪れる。そこにある「復興省」を訪れたキルコは捜し求めた人物との再会を果たす! 一方、「天国」の「高原学園」では妊娠のために隔離されていたトキオが無事に出産を果たす。脳移植を目論む園長の野望は果たして……? 厳しい世界を、悩みながらも軽やかに生き抜く、少年少女サヴァイブ群像劇!
引用:Amazon
面白かったと言えば面白いんだけど何でしょう、この気持ち悪さ。作品に没頭してるからこそ得られる胸糞感。なんでしょう、リアルでNTRを経験したかのような落ち込みを感じつつ、文字をタイピングしてます…後述するけど、マジでひどいもんだったよ君…
徐々に物語の起伏が浮かび上がってきた天国大魔境5巻だったけど、今回の6巻は…な仕上がり。
物語はグッと先に動いた、っていうか、既に動いた後だったっていうか…。これまでトキオ達の住んでいる『天国』と、マルとキルコが冒険している『地獄』が並行して進んでいるモンだと思っていた僕のような読者は驚愕したと思う。とにかく、色々と衝撃的だった。
今回はそんな天国大魔境の6巻について。
詳細なネタバレは書かないで、魅力を紹介できるようにまとめていくよ。
前巻(5)の感想記事はこちら
天国大魔境 6巻 見所まとめ
【ネタバレ・画バレ含む】
それでは天国大魔境6巻の大まかなあらすじの各話をさらっと紹介……はできないので見所をいくつかピックアップしたので、そんな感じで紹介するぞ。
何度も言うように、マンガの面白さを抜くようなネタバレはしないように細心の注意を払ってまとめているけど、ネタバレはネタバレ。魅力を伝えるには絵が最良だと思って付けているので、『真っ白な状態で読みたい』という人はここでブラウザバックだ。これが最終忠告ぞ!
【閲覧注意】胸糞展開
キルコはようやく、ずっと探していた稲崎露敏(ロビン)に会うことに。
ずっと行方不明だった稲崎が、新天地で大活躍していることを知ったキルコ。元々 良い兄貴分として慕っていたことや、これまでの混乱状態から抜け出せそうな希望を見出して安心。そういや4巻でヒルコ(人食い)の幻覚攻撃にあったときは真っ先に稲崎の名前を叫んでたしね。
が、
で、
……というね。
巻の序盤にコレよ。
しかも結構長いの。描写も結構 具体的なの。青年誌だから。すげーよ石黒正数。漫画でここまで精神的にキたの、久しぶりだったぜ……
“テスト”が始まった高原学園の子供達
4期生だけではなく5期生も召集され、告げられたのは“テスト”について。
これまでの筆記テストのような具体的な指示は受けず、アバウトな説明をする端末。
そして唐突の伏線回収(この辺は本編を読んでね)。
まったく理解できなかったようだが、ある生徒たちは、すっかり忘れていた自分の名前を思い出させるように感じたようで…
高原学園の権力騒動(?)と4期生達
徐々に狂気を孕んでいった園長に見切りをつけたのか、前巻からタッグを組んでいるように見えた青島・猿渡ペア。しかし当人達にも予想外な、外部からの攻撃(?)を受けてしまったようで施設が一部破損。飛行機のような機影が見えたという報告もあるが、真偽は不明。
そして、そんな大人達の混乱をよそに
…
高原学園施設を抜け出す4期生。
初めて見た空に感動するミミヒメ。
…
何が分からないままの4期生だったが、端末の言っていた『外の外』が施設外の何かかもしれないと考え、施設を抜け出すことになり…
天国大魔境 6巻の考察と感想
所感としては、
うぅむ…
って感じ。
ナイーブな読者の僕としては序盤の胸糞展開がキツすぎた。必要だったかアレ?いや必要だったにしろ、僕は読みたくなかったよ…。
もともとハッピー要素の少ない文明崩壊後を描いた作品だとしても、石黒正数の緻密なストーリーとスッキリした絵柄から繰り出される胸糞展開には目を覆いそうになった。『あ、もうここら辺のストーリーは見返さないだろうな…』って思ったもの。マジで、それくらい衝撃的でキツかった。
そんな冒頭のアレは除くと、まぁ、非常に面白かった。点と点が線になるような伏線回収はまだにせよ、それまでの話を読み返してハッとする展開もあった。ちょろっと紹介しておこう。
機械工作が超得意な『シロ』。
ミミヒメに好意があるのは1話から知っていたが、自己犠牲を全く省みずにミミヒメを助けようとするシーンがあり、、
…
というね。
本編を読めばアッとなるんだけど、この既視感。ミミヒメから貰った高原学園マークのボタン。
…読み返すと、色々と辻褄が合って切なくなってしまった…。6巻を読んだ後は、是非4巻も読み返してみよう。
そんな感じ。
天国大魔境 6巻。
予想外の展開にウッとしてしまうこと必須だが、それ以上の発見のあるので是非!
次巻(7)の感想記事はこちら