えぇっ?亜獣譚って東京喰種より3倍以上知名度低いの?ウソだろ?

人に何かおススメするときは注意が必要だ。社会勉強のため、と小学生にウシジマくんを勧める人がいたらどうだろうか。イヤでしょ。僕の知人がそれをやって親御さんをキレさせてたからして、やはり人に漫画をおススメするときでも万全の注意を払う必要がある。

 

そういう点を踏まえると、この『亜獣譚(あじゅうたん)』という漫画はとても難しい。どういう人に勧めていいか分からない。とりあえず僕は東京喰種が好きなヤツには紹介してるが、、難しいんだ。亜獣譚では“性愛”、という人間の普遍的な性質を1つのテーマとして扱っている。じゃあ誰にでもおススメできるかと言えば

 

こんな感じで、描写がダークファンタジーらしく黒々と生々しい。早い。キッズにはまだ早い。僕基準ではR15指定。良くできたダークファンタジーは中二病をメキメキ育む素晴らしい土壌になり黒歴史を生む。というかこんなんキッズに見せたら性癖とか諸々曲がりかねん。

 

 

知る人ぞ知る超名作』でいいのかもしれないけど、それじゃ僕の気が済まない。カテゴリー的に似通った東京喰種があんだけ知名度あるのに亜獣譚の発行部数がこんなに少ないのはね、悔しいのよ。紹介させろ。亜獣譚。それではいってみよう。

 

 

 

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亜獣譚とは

第3回 次にくるマンガ大賞 Web部門入賞。
その愛には獣の臭いが染み付いていた——
男の名はアキミア。
職業、害獣駆除兵。
女の名はソウ。
職業、衛生兵。
獣を喰らう男と愛を知る女、
この二人の出会いの先にあるは安寧か破滅か…。
鬼才・江野スミが描く新境地、ハードアクションファンタジー開幕!

引用:裏サンデー

 

第3回 次にくるマンガ大賞ってのに入賞してた頃には既にオレにキテた。ハマる人にはドハマりする漫画だと思う。

掲載されてたマンガワンというアプリには一話一話、コメントが打てるシステムがある。アンチコメントではなく真っ当なコメントで1000を超える作品は一握り中の一握りだったからして如何に良作だったか分かる。たらればは嫌いだけど、ヤンマガ・ヤンジャンで掲載されてたらもっと人気出てたと思うんだよ。

 

ちなみに2020年2月に完結している。全8巻だ。

 

著者:江野スミ

著者は江野スミ。広島出身の漫画家。『たびしカワラん!!』、『美少年ネス』をはじめとした漫画は勿論、猫のイラストを描くことにも定評がある女性漫画家だ。作者人格分裂してんじゃないか…?と思わせられるくらい様々なことを描ける漫画家だ。

 

あ、あと猫のイラストといってもパンピーな女子共から『かわいぃ~♡』と言われるようなゆるふわな感じではなく

 

引用:LINE STORE『反省しない猫』

 

みたいな、なんというか『うぉっ』となる感じのインパクトあるネコだ。躍動感と味がある。というわけで僕はマンガワンショップで『ピザマン総柄ポーチ』を買った。いいでしょ。

☝これね

 

 

亜獣譚の魅力

で、亜獣譚の魅力だ。現在 午前3時。全部説明していくと夜が明けてしまうので3つに絞った。

 

 

アレな登場人物たち

明言は先入観になりそうなので避けさせていただくが少々 登場人物の頭がですね、普通ではないといいますか…、ええと… ええいもう面倒だ。端的に言えば頭がトンでる登場人物(良い意味で)が多いのが亜獣譚だ。狂った人が多いのでかえってバランスが保たれてるとすら思えるイカレっぷり。驚嘆。

 

まず主人公からして癖が強い。いや主人公たるもの癖がない・特異ではない方が珍しいんだけど、亜獣譚の主人公『アキミヤ』のイカレッぷりはでひどい(良い意味で?)。

 

☝一話のアキミヤ君。こんなん主人公のする顔じゃねーよ。1話~4話にかけてアキミヤとソウ(ヒロイン)しか出てこなかったもんだから『あぁ、コイツが主人公なのか…』と納得せざるを得なかったけど言動・行動・描写どれをとっても今まで見てきたような主人公らしさゼロだったので困惑した。

 

ホント一話二話のゴリラは酷かった。案の定 マンガワンのコメ欄でも『こんなに感情移入できない主人公は初めて』とか『え、このゴリラ主人公なん?ないわ』みたいなので溢れ返ってた。そりゃそうなるよ。

 

 

3巻(21話)くらいまで読んでいれば主人公の良さ(まぁどこまでいってもアレだが)とか、亜獣譚という漫画のテーマにも徐々に理解してくるんだけど、それまでのエピソードがなかなかえげつない話になっている。道中 ギブアップする人も多いと思うけど、その分強く共感 ・理解・考察できる要素テンコ盛りなので読んでみてほしい。読む上ではテカテカした上官には気を付けてほしい。

 

 

画力、心理描写の細かさ

亜獣譚の前にも作品がある江野スミ氏なので1巻から画力が高い。正直 開幕数話で主人公の不条理っぷりに頭を抱えた(好き勝手やりすぎなんだよあのメガネゴリラ…)。が、それでも読み続けられたのは、まず江野氏の描く絵の官能的かつ暴力的な美しさ、そして繊細な心理描写だったと思う。

 

亜獣譚には『害獣病』という病気に侵された人達が登場する。症状は様々だが、薬の投与によって病の進行を止めなかったりすると、どんどん体が変形してしまうような病気だ。この害獣病という感染症については亜獣譚の中でも大きなテーマになっている。では、害獣病に侵された少年を見てみよう。

 

コワイ。大変グロテスクで恐ろしい造形をしている。が、元々は人間。そういった異形となった人々の(それに関わった人も含め)、病気になってしまったことで生じる苦悩や孤独まで丁寧に描き上げられている。胸が締め付けられるような感覚さえ抱く。

そんな丁寧な心理描写によって読者は様々な感傷に浸っていける。読んでいく上で僕が魅了されたのは、そのような繊細な表現だった。

 

 

ところどころに人の踏み込んでほしくないようなところ、考えても明快な答えが出ないようなテーマについても書いていて、それがまた心に響く。

読んでいると否が応でも考えさせられる。すげーよ江野スミ。鬼才って言葉がよく似合う。

 

 

名言製造所

そしてセリフの強さも特色だ。江野スミなので色々なタイプの人間の心理描写を描けるのは今更だが、台詞回しが非凡のソレ。どんな人生歩んでたら思いつくんだ。『嫌う理由に正義を動機付けてはいけない』とか、人がモヤモヤ考えてることをズバッと言葉にできてる驚異の言語化能力。江野スミが新興宗教初めても何ら不思議じゃないし、少なくとも僕は入信するつもりだ。

 

機会があれば名言集についてもまとめてみたい。そのくらい各所、刺さる言葉がちりばめられてる。

 

あと、よく『20代の女性が書いたとは思えない深さ』みたいな寸評している方もいらっしゃるが年齢と性別は関係ないと思う。性別問わずこんなん40代だろうが50代だろうが描けない奴の方が少ないと思うぞ。

 

 

ほかの人の反応

 

アプリでチケット使った人しか読めない「ちょい足し」が毎回ちょいどころかずっしりぎっしりな亜獣譚。
ちょい足しと合わせて本編読むとさらに深いから、絶対ちょい足しは見るべしって毎回コメントがつくのだけれど
今回のカバー裏はそんなちょい足しからとても深い言葉が引用されています。
普通ってなんだろう。
登場人物達の抱えてる葛藤や絶望をとても綺麗に表現してるので目が離せません。

引用:Amazon 亜獣譚2巻

 

独特の雰囲気と世界観がたまりません。どんどん引き込まれていきます。
毎巻買ってます。

 

引用:Amazon 亜獣譚3巻

 

ってな感じ。ただ、作品としては『歪な世界』の感じが滲み出ている。なので僕個人としてはワンピース大好き!仲間!みたいな人達にはおススメできない。作者はワンピース愛読してるっぽいけど。

 

 

というわけで亜獣譚の紹介だった。

別に僕が持ち上げるわけもなく刺さる人にはぶっ刺さってる作品だが、この前 江野スミがTwitterで『電子版しか取り扱い無くなっちゃうかも』みたいな売り上げが芳しくない類の発言をしていたのでね、お節介にも紹介させていただいた次第です。

 

冒頭で述べたように、人を選ぶ作品だ。誰しもが共有できるようなテーマ、闇ではないと思うが共感できる人は決して少なくないと思う。「ぼくらの」とか「東京喰種」が好きな人は8割方ハマると思うので、まずは裏サンデーの無料版(1~2話)でもいいから見てほしい。

 

つっても1話2話じゃなぁ、ハマってくれなそうなんだよなぁ。3巻まで読んでほしい。読め。なんだったら僕は1巻と2巻は誤発注で2冊ずつ持っているからからお古でよければ差し上げる所存。投函してやるから住所を教えろ。いいから、読め。

 

PS:なくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

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