【女性エロ漫画家のマンガ?】近藤笑真 《あーとかうーしか言えない》が面白い

ウロウロとネットを徘徊する男諸君 こんばんは。今日もシコシコとエロ漫画、読んでる?僕は今しがたシオマネキ氏の『ずっと性徒』という傑作を読んできたところだ。。ふぅ、なんだか非常に落ち着いている。

 

エロ漫画」、それは性のバイブル。思春期少年たちが仲間と遊んでいるときに偶然 発見し、誰も先陣を切ろうとせずに一旦その場を離れ、各々が違う時間に発見場所を訪れてようやく読まれる神聖な性の教典だ。ページを捲るたびにベリベリ音を立てる感覚が今でも思い出せる。あの風習は今でも残っているのだろうか。僕が中坊の頃は地域に数人はエロ神様(河川敷とかにエロ本を配置する善人の類)がいたもんなんだが…

 

エロ漫画」それは鬱屈とした青春(もはや青春と呼べるかどうか定かではないが)を過ごしていた青年共が足を踏み入れたら最後、オカズの偏りはおろか現実世界の女への執着を一切 断ち切りかねないパワーを持つ代物である。取り扱い注意。事実 僕も高校2年以降の3年間は二次元以外で抜くのが困難になった記憶がある。

 

 

教典とは比喩表現でもなんでもなく、僕のような熱いバカ童貞達の性知識をメキメキと育んだのは保健体育の教科書2割エロマンガ8割だったと思う。が、保健体育の教科書は問題ないのにエロマンガはランドセルに入れられないし、おちおち机の上にも置けない。保管場所はベッドの下という限りなく日陰者な扱い。エロマンガはそういう存在だったのを歯痒くも覚えている。

 

 

枕が長くなった。『あーとかうーしか言えない』は主人公の女性エロ漫画家 戸田セーコを描いた異色の漫画だ。この前 30話(全4巻)をもって連載が終了した。今回はそれについて。

 

 

 

 

ネタバレ・画バレ含む!!
《あーとかうーしか言えない》

主人公 戸田セーコは考えをまとめて言葉にするのに時間がかかる。タイトルの『あーとかうーしか言えない』ってのは戸田が考えをまとめるときに頻繁に口にする『あー』とか『うー』という口癖のようなものから。そのため学生時代はクラスメートからその様をからかわれたり「喘ぎ声みたい」なんて言われてしまう。

 

そういった生活の中で徐々にモヤモヤとした「淀み」の蓄積を感じていた彼女は、それらを吐き出すためにエロ漫画を描き始める。

そして上京。戸田は電話越しには緊張もあってか『あー』と『うー』しか話せなかったが、なんとか編集者のタナカカツミと出会い、エロ漫画家としてのキャリアが始まっていく。

 

ストーリーとしてはこんな感じ。主人公は戸田セーコと言っちゃったけど撤回。「あーとかうーしか言えない」の主人公は戸田セーコ、そして編集者タナカカツミの女性2人だ。単身で状況してきた戸田と同棲を始めた2人の距離感やら百合感にも注目。

 

 

バクマン。』では小畑健の圧倒的画力&大場つぐみの徹底した取材・構成力によって漫画業界のアレコレが詳細に描かれたが、『あーとかうーしか言えない』ではぶっちゃけ、そこまで詳細に漫画業界を描いているわけではない。先述したようにエロ漫画を描く主人公(女性)と、その編集者のタナカカツミの心情劇がメインだと思う。

 

 

もちろん、エロ漫画業界の小ネタが豊富に散りばめられている。

 

が、バクマン。のように重箱の隅を楊枝でほじくるような詳細な漫画業界、執筆作業をアレコレ描いているわけではない。漫画家として他の漫画家と交流する刺激、編集者と何度も打ち合わせて作品を作る難しさなどはバクマン。でも描かれていた。しかし、あの作品も大場つぐみ・小畑健という大御所タッグの見た漫画業界の一例に過ぎない。遅咲きの漫画家 近藤笑真だからこそ描けたモノが「あーとかうーしか言えない」にはあったと思う。

 

 

漫画家としてキャリアを始めた戸田セーコの、新しい世界に踏み込んでいく漠然とした楽しさ。漫画を描く上での葛藤などは一読者の僕にもよく伝わってきた。

 

ちなみに作者の近藤笑真自身、マンガワンで連載デビューするまで長い年月がかかっており、「あーとかうーしか言えない」連載時までに3人の編集者に担当を引き継いでもらったそうだ。編集者と一緒に漫画を作ること等 『漫画家としては何の変哲もないコト』なんかを意識して描いたんじゃないかなぁ。作者自身の視点で感じた、漫画家として充実したことが十分に表現できていた良い作品だった。

 

 

が、絵はもう少し…

ただ、正直 絵の方をもっと頑張れば…という思いがある。もっと上手かったら、より幅広い世代・性別の人に届いたと思う。アシスタントに描いてもらったという「漫画の中のマンガ」の方が上手いっていうのはどうも違和感に感じた。

セリフやコマ割り、キャラ設定とかは良かったと思う。だけど乃木坂太郎のような、一コマの絵だけでキャラの心情やらが鮮明に読者に伝わるようなシーンは残念ながら『あーとかうーしか言えない』には少なかったと思う。あえて残念に思うのはその点だけだ。

 

西さんとか、出番があるたびにアーモンドみたいな頭蓋骨になっていくのは怖すぎた。キャラを特徴的に描くのはいいにしろ流石にやりすぎ。読者コメントに引っ張られないようにね近藤笑真。一読者としては『これは…作者が遊んでるのか…?僕のスマホが動作不良なんか…?』って不安になったぞ。

 

 

近藤笑真のデビュー作

「あーとかうーしか言えない」が近藤笑真のデビュー作。ということなので作者をよく分からない人も多くいるだろう。ちょっとだけ触れておこう。近藤笑真とはアニメ『けものフレンズ 2期』の9話だけ見て『けもフレはいいからガンダム見よう!』的なファン(暗転してアンチ)を煽る発言をしてしまい、Twitterが轟々と炎上した人物である。Twitterはおろか関係ないニコニコ静画の方にも『けもフレ2擁護作者』というタグが付けられたこともあった。攻撃型オタクの恐ろしさもあるけど、無暗に火中の栗を拾いに行くことないぞ近藤。。

 

 

 

Pixivに投稿を始めた2016年頃は『収穫祭の終わり』といったSFモノ、『Ghost Piano』のような音楽をモチーフとした話を書いていたが、近年では『カラーオブパッション』や『2人の漫画家』といった日常および漫画家を描いているようだ。

 

作画は本人も言うように、あまり上手いとは評価されてはいない。

がしかし、近藤笑真の漫画はネームという線も極限に荒い状態で読者をスラスラと読ませる。ストーリー・キャラの良さで『あーとかうーしか言えない』を大手マンガアプリ マンガワンでランキング上位にめり込ませた実績もある。これからが非常に期待できる漫画家だと勝手に太鼓判を押してる。Twitterはホント気を付けてな近藤笑真。

 

 

作品が気になる人はPixivとニコニコ静画の方に何点かあるのでご覧ください。

 

Pixivはこちらから。ニコニコ静画の方はこちらから。

 

 

 

 

 

「あーとかうーしか言えない」のレビュー

 

Twitterで知ってサンプル読んで購入しました。
表紙と比べると本文はやや荒いし絵柄もやや古いかもしれない。
でも「ああっ女神さまっ」の藤島康介先生だって1巻の頃と数巻先では別人のように画力付いてるので近藤笑真先生にも期待。
内容は編集者と漫画家の話なので「バクマン」や花見沢Q太郎先生の「まるせい」が近いかな。
物語は勢いがあって読みやすい。エロ漫画が題材なのでエロネタかと思いきや結構熱く、予想外に百合要素が多くとても尊い┌(┌ ^o^)┐
絵柄が少女漫画風だったら「百合姫」とかに載ってても良いんじゃないかと思う尊さでした。 期待を込めて次巻も期待。

引用:Amazon

 

 

あまり私には縁のない、エロ漫画をテーマにしてる作品でしたが、読み始めたら引き込まれました。
キャラクターたちが活き活きとして、葛藤や淀み(良い表現だと思いました)を創作にぶつけているところに、胸が熱くなりました。
続きも楽しみにしてます。

引用:Amazon

 

 

話題になっており宣伝が目に入ったので読ませて頂きました。

絵のクオリティは置いておくにしても、単純に感性が合わないのか、主人公の描写が受け入れがたく感じました。かなり人を選ぶのではないかと思います。

引用:Amazon

 

 

才能のある漫画家という触れ込みですが、その才能が読者には理解できない。コミュ障とされてますが、完全に知的障害者モチーフで知的障害があるのをいいことに、編集である主人公が誘導しているようで胸糞悪い。
あと、絵が下手で構図がおかしかったり、作画崩壊
大した理由もなく主人公が称賛される、なろう系読んでるみたい

引用:Amazon

 

最近は王道漫画ばっかり読んでたから1巻でここまで賛否が分かれる漫画が久しぶりだったわ。ちなみにAmazonのレビューは

 

 

こんな感じ。イイ。音楽にしろ漫画にしろ、人の感情の琴線に触れる作品というのは賛否が分かれるもんだ。僕は毒にも薬にもならぬ『大衆受け』を意識した作品よりは「あーとかうーしか言えない」のようなニッチを狙った作品の方がずっと好きだ。良い意味でWebマンガらしさがあったと思う。

 

 

 

この漫画はどういった人におススメなのかは分からないけど、誰かにはきっと、いつまでも心に残る作品だと思う。4巻で終わっちゃったのは凄く寂しいよ。

 

 

 

 

相変わらず最後まで読ませる良い漫画を描いていた…。
絵も上手くなってるし。感動した。あーうーを読んだ方はこちらも是非。

 

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