名作ファンタジー漫画『Helck』の3巻に初登場し、外見がアン(ヴァミリオ)ちゃんに似ていることから未来、もしくはパラレルワールド的な世界のアンちゃんなのでは…と思った読者も多かっただろう。僕は『まぁ初連載らしいし、描き分けが出来てないのかな…』と甚だ失礼なことを思ってたよ。
はじまりの島、という孤島に住み着き、何やら魔術の研究的なことをしている魔女。今回はそちらについて。ネタバレを含むので、最終巻まで読んでいない人はブラウザバックしてほしい。
それでは、まとめていく。
孤島の魔女とは
はじまりの島、険しい山の頂に住んでいる。好奇心が強いピウイが毎日のように訪れて邪魔をするようになったのもあり、通常時は人が立ち入らないように結界を張っていて気軽に会える人物ではないが、たまに山の麓の村まで下山してくる。島の住人からは魔女と呼ばれているが、本名はシュノーヴァ。
本の挿絵にあった老婆の魔女を見たピウイからは『ババァ』と呼ばれている。もちろん禁句であり、言った場合はモフモフ弄られて、逃げ出すくらいに執拗にくすぐられる。ちなみにピウイを発見したのもシュノーヴァ。孤島の外で単身 旅をしているときに森の中でピウイを発見した。発見当初のピウイは仲間とはぐれたこともあったので引き取り、仲間と会うまで連れそうつもりだったが、最終的には孤島までついてきた。道中、ピウイの仲間(ピウイを縦に伸ばしたようなトンガリをつけたようなタイプ)を見つけ、こちらも引き取る。合った当初は『シュノちゃん』と呼ばれていた。
博識で魔術が得意なこともあり、遺跡から見つかったものを修復して船を動かす櫂として使えるようにする等、ヴァミリオとヘルクの航海準備には大いに役立った。
作中最高レベルの魔術師
作中終盤、魔王ウルム城の防衛に失敗し敗走しかける帝国軍の窮地を救ったのがシュノーヴァだった。アズドラ個人では精々 物品をいくつか飛ばす程度しか成功させられなかったゲートを帝国兵全員を通れるくらいの範囲で作成した大魔術師でもある。
ちなみに戦闘力も突出しており、禁呪によって召喚された魔物(戦闘レベル40~50程度)を数百体まとめて相手にするなど非凡。ヴァミリオと同じ炎系の魔術を得意とし、多勢に無勢のときほど威力を発揮する。普段 ヴァミリオの業火を見慣れているイスタやホンですら驚くほどの高威力さから、戦闘レベルは70以上と推測される。
ヴァミリオと容姿と魔術が似ている理由
ピウイには『ババア(シュノーヴァ)と同じような匂いがする!』と言われたヴァミリオだが、その理由は2人の出自に関係するもの。
先代の赤の四天王達は不死鳥の如く、死ぬ直前に『生命の炎』を出現させて次の世代を産み落とすことで血を紡ぐ。初代 赤の四天王には双子の姉がいたようで、それがシュノーヴァである。ヴァミリオの母に関係があるのかは分からないが、血縁関係のある肉親。
ヴァミリオの出生時から見守ってきたアズドラでさえ知らない事実なので、帝国内でも知っている人物は皆無に等しいと思われる。
[謎の魔女]シュノーヴァ
以上、謎の魔女 シュノーヴァについてまとめてみた。冒頭で述べたように初登場時から似ているなぁ、と思っていたが『まぁ、新人だしな。顔の描き分けが出来てないんだろ』と甚だ失礼な考えの僕だったが、再登場には驚いたし、設定にも関心した。舌を巻くような伏線ではないが、予めキャラを設定をして登場させていたんだなぁと感動した。
漫画には徐々に人気が出てきて、キャラ設定に凝り始める作品もあるが、七尾ナナキの描いたHelckでは間違いなく序盤から、登場する前から緻密にキャラ設定を施してある。使い捨てのキャラが極めて少ないのもHelckが傑作たる所以だと思う。旅途中で出会ったエリーユ国のキャラ達や料理バトルのキャラ達だっておまけマンガで取り上げられてるしな。
2019年には難航して一度ストーリーを組みなおした七尾ナナキの新作『異剣伝説ヴェルンディオ』が先月よりスタートした。あまり期待しすぎるのもよくないが、現在3話を終えて、はやくも面白くなっているのでHelckを読み終えた人は是非。
それでは。