誤購入注意!肉蝮伝説はウシジマくん外伝じゃないし、面白くないぞ!

最近では大人気作品となった漫画の主人公以外、名脇役などを主役にした「スピンオフ」というジャンルのマンガがある。あるだろう、『あっ進撃の巨人の最新刊だ!』と思って読んでみたらキャラが学生服着てたり、『あっ野原ひろし孤独のグルメだ!』と思って読んでみたら野原ひろしじゃなかったり。本家の面白さを期待して読むと落ち込むよなアレ。面白いけどよ。

 

 

大人気作品のスピンオフを出したほうが間違えて買う人も少なくないこともあり、漫画の売れ行きが芳しくない近年では、結構なスピンオフ漫画が安直にも流行している。

 

 

そんな昨今では本作とは別の漫画家がスピンオフを描いていること珍しくない。ので、本作品と比べると絵的・話的に劣ってしまうこともあるようで、「スピンオフ漫画」と検索すれば

 

 

と、3番目に「スピンオフ漫画 嫌い」というサジェストが来てしまっている有様だ。悲しい。が順当だと思うぞ。同人誌みたいな内容のスピンオフ漫画も少なくないし。

 

 

しかし、スピンオフ漫画のなかには「中間管理録トネガワ」や「マジカルパティシエ小咲ちゃん」など、面白い作品があることも事実。じゃあ、なんで「スピンオフ漫画 嫌い」というサジェストが出てしまうような現状になっているのか。

 

 

それは「ウシジマくん外伝 肉蝮伝説」のようなスピンオフ漫画が出てしまっているからだと思う。

 

 

 

 

 

 

ウシジマくん外伝 肉蝮伝説 とは

 

累計1100万部突破、『闇金ウシジマくん』の極悪非道スピンオフ!
「やわらかスピリッツ」にて圧倒的PV数獲得の話題作がついに発売!

主人公は『ウシジマ』1の凶悪キャラ、肉蝮!
時は、丑嶋と出会う直前、
出してはいけない男が刑務所から出所する時、
怪物の極悪伝説が幕を開ける…

 

あらすじはこんな感じ。

 

 

魅力的なキャラではなかったが、本編での肉蝮は『こ、こんなヤツに目を付けられたどうなるんだろう…』と読者が恐怖するような名脇役キャラだった。常識が皆無で剛腕・残虐な極悪チンパンジーのような肉蝮に僕含め読者が『次はどんな悪行を犯すんだろう…』となっていたと思う。

 

 

そんな名脇役「肉蝮」が主人公ということもあって、「ウシジマくん外伝 肉蝮伝説」を読み始めたんだけど、、、

 

 

 

面白くない…

読んだ感想がコレ。つまらないよ、、。ウシジマくん外伝って、何かね…?以降、この記事では外させてもらう。だって外伝つったって本編のメインキャラ全然出ててねーからな。

 

 

まぁそれはともかく、怖いモノが見たかったんだよ。わざわざ肉蝮を主人公にした作品を読んだわけだから。だが読めたのは安っぽい暴力とチンピラ・ヤクザとの抗争だけ。こいつはどういうことか?本作品にあった肉蝮のゾッとする恐怖はどこに消えたのか?と。

 

 

 

まず思うに

 

 

リアリティがない

オリジナルのウシジマくんにあった現実味がね、ないの。肉蝮の目から完全に白目が消え失せてチンパンジーの目になったのは置いといたとしてもね、リアリティがないの。

 

 

ウシジマくんでの肉蝮が何故 あんなにも恐ろしく見えたかって、そりゃ「こんな奴が現実にもいるのでは…」と読者が感じてしまうような現実味のある非現実的な話の通じないヤツだったからだと思うんよ。暴力的・非常識すぎて多くの読者をドン引きさせつつも僕の興味を引き続けたのは肉蝮の帯びる現実味だった。

 

 

要は肉蝮の恐怖を描く上ではリアリティが必要だった思うんです。それが1話目から大きく揺らいだのは

引用:肉蝮伝説①

 

このシーン。こんな大人数の警官達(刑務官?)に警戒されつつ出頭する肉蝮を見てまず「は?」だった。いや、法に則って満期出頭なのは分かるけど、それでも「は?」だろ。

 

 

 

 

まぁ、それはいい。この際 目をつぶろう。

 

 

で、出頭した肉蝮。すぐに恨みを持たれているヤクザに絡まれて

 

 

 

引用:肉蝮伝説①

 

ヤクザの目が潰される。ヤクザさんの目玉は面白いくらいにボボンッ!と飛び出たのは置いといて、警察は何してんだよと。出頭仕立てのときはあんなに厳重の警戒しといてシャバに出した後はもう知らんとかオツムがパーなのかと。思ってしまいまして。 

 

 

それ以外にも「警官何してんだよ」「流石に警察来るだろ」と思うようなシーンが多すぎた。警察が来ないにしてもヤクザの巣に単身乗り込んで皆殺しにしたり、半グレ集団を数コマで壊滅させたりとね。もうギャグマンガの域だったぞ。

 

 

 

多すぎる暴力シーンと、その薄っぺらさ

 

 

多すぎるギャグ的暴力シーンがつまらなかった。肉蝮が主人公のマンガに何言ってんだコイツ、ってなるだろう。僕も書いてて思ってるよ。ただ流石に暴力シーンのバーゲンセール状態が酷く、ソードマスターヤマト完結編を思い出した。

 

 

 

 

 

他作品にはない恐ろしいものが見られるだろうと思って読み始めた肉蝮伝説。勿論 当初はどんな暴力シーンが描かれるんだろうと思って読んでたんだけど、読めども読めども簡素な暴力シーン。たまに太鼓のバチの代わりにパイプ椅子のパイプ部分をへし折って使ったりする工夫はありつつも、基本的には中高生が授業中に思いついたような現実味のない暴力シーン。血はパシャパシャ水のように出るし、骨はパキパキ折れる。建物の鉄骨?物理?そんなもん知らんとばかりに無茶苦茶な暴力シーン。

 

 

 

もちろん全然 恐怖を感じない。どころかギャグのように感じてしまう始末。暴力描写のテンポが良すぎるとギャグマンガになるんだね。コマの左下でビュティに突っ込ませればボーボボだった。

 

 

お笑いとは緊張と緩和だと聞いたことがある。恐怖・残虐性を描きたいならテンポよく暴力シーンを描いてもダメないのかも知れないね。

 

 

そもそも肉蝮なのかコレ?

回を増すごとに僕の知ってる、想像していた肉蝮から遠のいていった。残虐性を人のカタチにしたような肉蝮なのに、最近では依頼人の為に戦ったりしてるらしい。たった100万円で8人の殺害依頼を引き受けるとか(安すぎだろ、相場もっと調べろよ)。そんなの、肉蝮って言えるのだろうか…?肉蝮といえば依頼人の要件を聞くどころか金をぶんどって、更にはその友人親族も強請って地獄に突き落とすような男だっただろ。

 

 

徐々に悪いヤツを成敗する更に悪いヤツ(ダークヒーロー的な存在)になっていく肉蝮なんだけど、僕が見たかったのは脅迫相手(金づる)に友達(金づる)を紹介させる超利己的な狡猾さ、異常な突発的暴力行為、人間の限界ギリギリの膂力(筋力)であって、

 

 

引用:肉蝮伝説 70話

 

自動車のドアを片手でいとも簡単に外せる肉蝮じゃない。重機かテメーは。作品はいつもこんな感じ。ギャグマンガとしてみるにしてもアングラマンガとしてみるにしても微妙な感じ。

 

 

女性に甘いようなシーンもあった肉蝮だったけど、速戸ゆう、原作をちゃんと読んだんか?そいつ100人くらい女レ〇プしてるようなヤツだぞ。強姦魔だったダークヒーローとか無理だし、望まれないと思うんだけど。

 

 

キャラ設定だけでなく、絵柄も1話に比べて原作の肉蝮から離れていってる。もう、僕の知っている肉蝮ではないのだろう。肉蝮をダークヒーロー化させようとする思惑が透けて見えた時点で僕は読む手を止めた。

 

 

 

 

【まとめ】そもそも肉蝮をこんなに見たくない

引用:やわらかスピリッツ

 

肉蝮伝説を読んでおいて言うのもなんだけど、こんなに毎ページ肉蝮ばっかり見たくなかった。

 

誰かが言ってたように、そもそも肉蝮なんてオリジナルのウシジマくんで遭遇したら問答無用でアウトなキャラとして、たまに登場するから面白かったのであって、肉蝮の話を延々とされても面白くないことが、僕は、分かりました(小学生並みの感想)。

 

 

ごめん 速戸ゆう。そもそも読んだ僕が間違ってた。

 

 

ってわけで僕は口が裂けても人におススメできないけど、強いて言うならアウトロー作品が好きな人にはおススメ、なんじゃないだろうか。

 

投げやりでゴメン、ただお金払って見た人としては圧倒的不満だったんだよ。コミック(紙)で買ったら即BOOKOFF不可避。間違っても部屋の本棚には置きたくないマンガだった。

 

 

 

あと小学館さん

Amazonでこんな風に紹介するの止めてくれよ。「闇金ウシジマくん外伝」なーんてタイトルでウシジマくん要素が全然ないのはまだしも、著者に真鍋昌平しか紹介されてないのはこれ如何に。速戸ゆう氏も追加しておいてくれよ。初見の人は間違って買っちゃうよ…

 

 

というわけで、「肉蝮伝説」のレビューだった。騙し討ちに近い形で買わされたので少々 辛辣な感想になってしまったが、感想は各々で決めてくれ。人の意見に惑わされるな。

 

 

 

ただ、いきなり買うのはマジでおススメできない。ちょっと待て。後悔するぞ

 

上のリンクからやわらかスピリッツで「肉蝮伝説」は数話、無料で読めるからそこから判断するように。後悔したくなければな。

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