衝撃的、というと語弊があるが、なんにせよ大部分のマンガとは一線を画す異質さを存分に醸し出した血の轍1巻。これまで色々と読んできたけど、これほど先行きが暗そうで、なおかつ続きが気になる漫画も珍しい。
と思ったのだが、万人ウケどころか2020年現在、100万部越えの超人気作になっているらしい。僕の見る目のなさよ。ただ、それでもワンピースとかハガレンとか、そういった王道漫画からは大きく離れている作品なんだよ。椎名林檎の曲で言うとメロウあたり。雰囲気的にも、そんな異質な生々しさというかワケわからなさが合ってる。イッちゃってるんだよ何かが、この漫画。
漫画なんて読んだ方が作品を堪能できることは間違いないのだが、多くの人気作品で『○○ ネタバレ』とGoogleサジェストで出るからにはネタバレサイトで読んだ気になってしまう方がいらっしゃるのだろう。愚の骨頂、というか大変 勿体ないことをしているとは思わないかね。目を覚ませ、あんなもん百害あって二利くらいしかないぞ。
というわけでネタバレを含む、とあるけど、そこまで詳細なネタバレをするつもりはない。ので注意。
一言一句 説明しているネタバレサイトもあるが、それは僕の基準ではネタバレというレベルではないのでな。というか下手に素人が文字に起こしても作品の面白さを損なうから注意だ。僕はあるネタバレサイトで読んだ『鬼滅の刃』で全く面白さが理解できず、むしろ『なんでこんなん流行ってんの?BL要素とかで釣ったのか?』、となってしまい流行に乗り遅れたという経験がある。あれは酷かった。読者諸君も容易に『〇〇(作品名) ネタバレ』なんかで調べちゃダメだぞ。
そういうわけで、漫画の魅力は本編に及ばないまでも伝えたいと思ってチラリ画像をつけて紹介するけど、くれぐれも本編を知った気にならないように注意。ネタバレ・画バレが苦手な人は本編をもう読んじゃおう。君は賢い。真っ白な状態で読んだ方が漫画は楽しいぞ。
え、御託はいいから海賊版よこせ?zipはまだかって?
よろしい、そんな君には良いリンクがあるから下から飛んでほしい。人気作家たちのマンガがたくさんあるから満喫してこいバカタレ。
血の轍 2巻
ネタバレ・画バレ含む考察と感想
暴走する母性という狂気…愛に殺される!
ママ、なぜ「あんなこと」をしたの!?
母・静子の突然の“異常行動”.
息つく間もなく
静一の自我を粉々に打ち砕く次なる“事件”が起こり…
幸せだった家庭は、静かに、逃げ場のない地獄へと
変容してゆく…「惡の華」「ぼくは麻理のなか」「ハピネス」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の押見修造が満を持して描く最新作!!「究極の毒親」待望の第2集!!
引用:Amazon
それでは『血の轍』2巻の各話 大まかなあらすじについてまとめていくよ。
何度も言うように、マンガの面白さを抜くようなネタバレはしないように細心の注意を払ってまとめているけど、ネタバレはネタバレ。魅力を伝えるには絵が最良だと思って付けているので、『真っ白な状態で読みたい』という人はここでブラウザバックだ。これが最終忠告ぞ!
第8話 母の背中
『静ちゃん、ぎゅってして?』
と言われ、魅了されたように猛然とお母さんと抱く静一。
しばらくすると落ち着いたのか、離れる2人。
平静を保ったかに見えたお母さんだったが……
突如、自分が突き落としたしげる君の安否が心底気になったようで、探しに行こうと藪の中を進み始めるお母さん。
自分の母親がパニックでどうにかなってしまった!と判断した静一君。
『僕がお母さんを守らなきゃ!』と決心して後を追うと、しげる君の母の声が近くに聴こえる。
第9話 眼差し
声のする方に向かうと、そこには
息絶え絶えだが、目をぼんやりと開いているしげる君が横たわっていた。どうやら木々がクッションになって、一命を取り留めたそうだ。
しげる君が見た、お母さんの表情は、
……
一緒にゲームをしているときや、休憩所での一件で多少はケンカのようにはなってしまったが、なにも死んでほしかったわけではない。ましてやお母さんに殺させたかったわけでもない。
が、しげる君はお母さんが突き落とした。しげる君が助かると、お母さんが罪に問われるのは必須。最早、どうしたらいいのか分からなくなっている静一にお母さんが放った一言が意味深だった。
精神とか人格が分裂しているというか、なんというか……
第10話 脳圧
しげる君が搬送された病院にて、沈黙の親族たち。
しばらくすると緊急手術が終わり、担当医のもとに呼ばれる一同。
手術は無事に終わったらしく、命は取り留めたという報告を聞いて安堵したしげる君の両親。
『しげるは、大丈夫てすよね…?』というしげる君の母親の質問に、即答しない先生。
CTスキャンをもとに説明。頭蓋骨が陥没骨折したことによって急性硬膜下血腫が生じてしまったらしい。日本のデータバンクによる統計のよると死亡率は65%、無事に手術が成功したとしても以前のように日常生活できる可能性が18%程度という重症。
一旦 手術は成功したものの、障害が残る可能性が高く、最悪の場合は脳死に至る高次脳機能障害を負ってしまったことを自覚した静一。
お母さんの方に目をやると、
無表情。サッと目を伏せる静一。
医者の説明を聞き終え廊下を歩いていると、静一は精神的にも体力的にも疲弊したのかうずくまってしまう。
いつものように気遣ってくれるお母さん。
そんなとき、訪れたのが警察官で……
第11話 十字架
警察の事情聴取にお母さんは、自分の関与しない事故の起こり記憶が勝手に歪曲されたかのようにスラスラと説明。演技、とは思えないくらい悲壮な表情で無念を伝えた。
これで、現状ではお母さんがしげる君を突き落としたことを明言できるのは静一だけとなった。
静一にとって、大きな分岐点となった第11話 十字架。
勿論、分岐点は『お母さんをかばうか、かばわないか』。
良心とかの問題もあるけど、それよりも静一にとって重要なのはお母さんをかばうか、かばわないか。端的に言うと、警察に嘘をつくか、つかないか。
この結果は、、、まぁ予想はつくかもしれないが、結果に至るまでの過程の描写が繊細で意味深でゾクゾクした。
……
この記事は血の轍2巻を読み終えてから数分で書かれているので僕自身、整理がついていない。が、多分 1時間後に読み返そうが、1週間後に読み返そうが明確な描写の説明はできないと思う。是非 本編を読んだら所感とかをTwitterとか掲示板に書き込んでほしい。自分一人だとかみ砕けないくらい、入り組んでて複雑だった。
第12話 来訪者2
話の始まりは静一の夢。
猫の頭がしげる君に挿げ替わっており、『どうして死んじゃってるん?』と尋ねるも、お母さんは何も言わず、微笑んでいるだけ。
スッと微笑みが消える。
目が変わっていく。
ここからはめちゃくちゃ怖かった。深夜に読み耽っていた時だったので、怖すぎて耳の付け根がピリピリするほど怖かった。
☝本編ではしっかり読めるぞ。
肝心のコマは当然 見せないから是非、本編で読んでね。
で、夢から覚めた静一。
あんなことがあった後で、何変わらず普段通りのお母さん。
お父さんとお母さんはしげる君の病院に行くそうだったけど、静一は拒否。病院に行きたくないそうで、一人 家で留守番をしていた。
するとチャイムの音。
訪れたのは……