JRなどの鉄道会社でPASMOなどのICカードが購入されているのはカード流行りということもあるが、一つには、小銭で買えば平均して21秒かかる切符が、カードだと7秒でチャージできるからだと聞く。差分の14秒で電車に乗り遅れるということはないだろうが、とりあえず今の世の中というのは「早いことは美徳」なのである。

 

労働階級の皆さんこんにちは。奴隷階級の私です。

 

みなさんもご存じのとおり(知るか)、筆者は現在 オーストラリアのブリスベンという都市から1時間ほどの辺境でワーキングホリデーとして2年滞在することができるビザ(セカンドホリデービザ)を取得するべく ファーム仕事と呼ばれる農作業の真っ只中です。

 

まだファーム仕事を始めて間もないので、日によって仕事が異なったりしていたのだが、最近はマンゴーと呼ばれるウルシ科マンゴー属の果樹を早朝6時から午後3時までただひたすら切る作業をしている。

 

ただひたすらに切る。ひたすら(3回目)

初日に作業の説明をされ、その単純作業っぷりに驚いたのも記憶に新しい。説明時間わずか20秒

 

切るだけて。ただひたすら切るだけて

 

 

筆者はいたって健康な青春丸出しのピチピチの青年なのだが、姿勢に何らかの問題があるらしく、立ちっぱなしの仕事だと1時間もしないうちに腰が痛くなってくるのだが、このマンゴーをひたすら切るという仕事、なんと立ち作業である。

 

 

あっ、地獄だコレ

 

 

ただ切る作業なのだから座ってやってもよいではないか!と憤慨しボスに椅子の使用について交渉しようと思ったが、ミッシェルと呼ばれる女ボスの威圧的な声色と眼力に圧倒され、萎縮しては機を逃し今に至る。私は決して日本人気質の いわば「長い物には巻かれろ」的な固定観念は持ち合わせていないが、人並みの危険察知能力は持ち合わせてしまっていたので反射的に踵を返してしまった。

 

 

とはいっても過酷な受験戦争を乗り越えた私には、それなりの応用力が備わっていたらしく、20分に一度 老婆のように腰を曲げるスタイルや靴紐を結びなおすふり(私の長靴にはヒモなど存在しない)をすることにより痛みの70%を軽減することに成功した。

 

 

しかし、本当の地獄はここから始まった。

 

 

 

 

 

 

単調作業の繰り返しであるのでとんでもなく暇なのである。

 

 

それもそのはず。だってひたすらベルトコンベアーで流れてくるマンゴーを切るだけなのだからな。

 

 

早朝6時から午後の3時まで、切るだけ。ひたすらに、切るだけ

23歳の健康的な青年の仕事が、切るだけ

 

脳みそのシワがなくなっていくのを感じた

 

 

「切るだけて(笑)ただひたすら切るだけて(笑)」と マンゴーカッティングをなめくなり楽観視していた私は途方もないアホであった。

 

 

暇すぎて午前10時を回るころには考えることも放棄してしまうくらい頭の中は無になる。カーズか。それくらいに どうしようもなくやることがないのだ。すげー暇さ

 

 

ファームジョブにおいて、「働いたのに相応の給料が支払われない」、セカンドビザ発見問題や仕事環境悪すぎる問題などか徐々に明るみに出てきているが、私のところ単純作業が辛すぎる問題が挙げられる。しかし、単純作業中は考える時間はたくさんある。浮いた時間をどう使うかというのは人間の永遠のテーマであるように私は思う。

 

 

 

 

 冒頭のように、私たちはめまぐるしいほど刻一刻と変化するような感じのする世の中にいる。そんな私もなぜか理由もわからないのに行き急いでいる。数十年前、サンテグジュペリは自信の著書「星の王子さま」のなかで小さな星から来た王子にこう言わせている

 

「(地球にすんでいる)みんなは、特急列車にのるけど、いまではもう何をさがしているのか、わからなくなっている。だからみんなはそわそわしたり、どうどうめぐりなんてしてるんだよ…。」

 

続けて王子は言う

 

「ごくろうさまな話だ…。」

 

 

 

「大言海」によると「ひま」というのは「日間の義」とあり、『日光のさし入るにつきて言う』と書かれてる。そんな暇(ひま)な時間をいかに過ごすか、が結局その人の「生命の使い方」そのものと深くかかわっているいるのではないかと思うのだ。

 

それはそうと、椅子はほしいなぁ、と思う私であった。

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