【これ以上ない釣り漫画!】『放課後ていぼう日誌』より面白い釣り漫画を知らない

 小生 趣味で釣りをするし、漫画もよく読む。が、『釣り漫画』というのは長らく敬遠していた。何度か読もうとしてみたものの、どうもダメだった。絵柄とか以前に漫画として面白さがなかったり、過度な萌えと抱き合わせになっていたり。僕はバカだが真面目に読んでるのに乳袋バーンって出されるとな、読む気が失せるんだよ。

 

 そして何より、「釣り漫画」と称される作品に引き込まれるモノが少なかった

 

 

 例えがないと読者も分かりずらい事だろうから名前を出させてもらっちゃおう。MISS CASTって釣り漫画があってね、おじさん5巻まで出てるからまぁ面白いんだろうと思って衝動買いしちゃったんよ。結果から言えば大失敗。Kindleじゃなかったら即BOOKOFF。この際 画力とストーリーには目を瞑る。もはや漫画として評価するのは置いておこう、一旦。ただな、釣りの魅力が一切 伝わってこないのはアウト。看過できねぇよ。なんのために釣り漫画描いたんだい…?

 

 

 またまた例えがないと読者も分かり辛いだろうからMISS CASTの1ページを載せるよ。シーンはヒラスズキっていう、一般釣りピーポーからしたら滅多にお目にかかれない魚をかけたてから釣り上げるまで。描かれたのは76㎝の良い型のヒラスズキ。大物だ。これは白熱したファイトの予感!

 

 

 さぁさぁMISS CAST、そんなヒラスズキとの一戦 どう描くのか?!!

 

 

 

 

 

 

 

 

引用:MISS CAST5巻

 

 

 

 

 

い、1ページで済ませてる…だと…?!

 

 

 

 もう一度言うけど、ヒラスズキってのは釣りずらい魚なんだよ。僕のような一般釣り人が釣ったらしばらくは感涙に震えるような魚。初期のハイサイ探偵団・釣りよかなら動画2つに分割するレベル。70㎝を超すの大魚、それもヒラスズキっていう引きが特に強い魚がかかっているのに当釣り人本人(釣り雑誌編集者)のリアクションはというと

 

 

す…すみませ~~~~ん』。ふざけとんのか鈴木テメー。編集者やめちまえ。顔もよく見たらムカつく顔してんなオイ。ちなみにヒラスズキ76㎝は登場してから5コマでサラっと退場した。正気か…?

 

 

 

 

 とまぁ面白くない漫画に金欠なのに2500円も払ったことで怒りも一塩。悪態つこうと思えばエンドレスにタイピングできちゃうので控えるけど、釣りの魅力が何一つ描けてないのは心底ガッカリしちまってね。以降 釣り漫画は友達に勧められても読まずに返していたワケだ。どうせ似たような商業的匂いがプンプンする釣り漫画ばっかりなんだろうって思ってね。どんな大物掛かっても「す…すみませ~~ん」なんだろって。しょげてたわけよ。

 

 

 

 そんなときに出会ったのが表題の『放課後ていぼう日誌』だったんです。すまん、ついMISS CASTへの批評が長かったけど、今回の記事は「放課後ていぼう日誌」についてだ。もうMISS CASTは忘れてくれ。以降4000字は「放課後ていぼう日誌」を語っていく。

 

 

 今期の春アニメで『釣り』がテーマのものがあるって聞いて、放課後ていぼう日誌、まずアニメを1話みたら超ハマッてな。見終わって即、漫画版も最新刊の6巻まで買い漁ったってわけだ。

 

 

 

 

 人間 あまりにも感動すると、それを誰かと分かち合いたくなるもんだ。その好例が今の僕だ。いかに『放課後ていぼう釣り日誌』が良い漫画なのか、是非 紹介させてほしい。それではいってみよう。

 

 

 

 

 

放課後ていぼう日誌

それではまず、ストーリーを紹介させていただこう!!

 

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 7ページ

 

 主人公は上の鶴木陽渚(ヒナ)。高校生になったばっかりだ。

 

 関東から父親の故郷 九州の芦北町海辺に引っ越してきたヒナは趣味が裁縫、見た目通りフワフワした女の子で、部活は手芸部に入って楽しい高校生活を送ろうと考えていた。

 

 たまたま訪れた海沿いで、ひょんなことからヒナが入学する高校の生徒 黒岩悠希(くろいわ ゆうき:ていぼう部の部長)と出会う。

 

 成り行きで一緒に釣りをすることになり、

 

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 15ページ

 

 

 なかば強引に廃部寸前の「ていぼう部」に勧誘されて、

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 24ページ

 

 

 

 

 

ていぼう部に入部することになる。

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 29ページ

 

というのが漫画の始まり。大分端折ったが、こんな感じ。一話は生き物が苦手な主人公がほぼほぼ酷い目にあっていた。今なら秋田書店のホームページのところで1話無料公開中なので是非。あ、リンクはこちらからどうぞ。

 

 

 個人的には他の部員が登場する3話まで読んでほしい。他作品のキャラデザを担当する小坂泰之氏なのでキャラクターが非常にイイ。

 

 

 先述もしたが、3年の「ていぼう部」部長 黒岩 悠希(くろいわ ゆうき)

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 48ページ

 

 

 家が鮮魚店で釣りも料理も得意な高校2年生。寡黙でメガネ、高身長という僕のタイプを網羅している、大野 真(おおの まこと)

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 49ページ

 

 

 ヒナと同じ 1年生。ヒナと子供の頃に何度か遊んでいた活発な幼馴染、帆高夏海(ほだか なつみ)

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 59ページ

 

 

 以上の3人が主人公を除く、ていぼう部の部員。各位キャラが立っているので何気ない話でも飽きずに楽しめる。熊本弁なんかも面白い。

 

 

 

 3話の最後、夕暮れに照らされながら堤防で釣った魚をフライにして食べるシーンまで読めば「放課後ていぼう日誌」の魅力が堪能できると思う。っていうか「ていぼう部」に入部したくなると思う。僕も来世は女子、可愛い女子に生まれ変わって「ていぼう部」に入りてぇよ…間違っても極寒酷暑な剣道場で防具付けて奇声あげて竹刀振り回すような高校時代はごめんだ…

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 72ページ

 

 はじめは「ていぼう部」への入部を辞退しようと思ったヒナだったが、次第に釣りの魅力・奥深さを学んでいく。っていうのが漫画の骨子。釣りに興味がなくっても、アウトドアとしても楽しく読めて、外に出たくなってくるような素晴らしい作品だ。世間はコロナってるけど…

 

 

 うん、ストーリーはこんなもんでいいでしょう。では次に、「放課後ていぼう日誌」の魅力について紹介してみる。

 

 

 

絵の丁寧さと上手さ

 正直 釣りっていう未開拓(僕的には)なジャンルの漫画だから、絵については期待していなかった。判子絵でも内容が面白ければ読んでみよう、みたいな半ば諦めみたいなものが絵に対してあった。

 

それが

 

 

引用:放課後ていぼう日誌 2巻 特別読み切り

 

 これは…イイね…、と。もうホントこのシーンを見たときは感動したよ。夕焼けに儚げに照らされた海面、イカの重厚感、キラキラ輝く水滴、驚く主人公。餌木まで丁寧に描かれてやがる。こちらの話も読み切りが無料で読めるので是非どうぞ。リンクはこちら

 

 で、上のコマは夕マズメ(夕暮れ)らへんにアオリイカを釣るシーンなんだけど、釣るまでの過程、イカをかけてからの緊張感、釣りあげてからの感動まで詳細に描かれてる。なんといっても上の、釣りあげたシーンよ。漫画でここまで空気感まで出されるとよ、感動しちまうよ。。釣りって、いいよね…

 

 

 釣りあげてからの描写も放課後ていぼう日誌は詳細に描く。魚を締めて(息の根を止める)、料理にして食べるまで綺麗に説明されている。さっきのアオリイカの話に至っては、釣りたての新鮮なアオリイカの皮膚にまで着目して描いてる。イカの皮膚の点滅なんて描いた釣り漫画 今までにあったか?

引用:放課後ていぼう日誌 2巻 特別読み切り

 

 

 

ちなみにこちらが実際のアオリイカの皮膚の点滅。

 田舎育ちの僕からすると「宇宙生物みたいでカッコいいなぁ、綺麗だなぁ」って思うんだけど、無菌室で育ったような現代っ子は『キモイ~』って反応するようだ。たしかにちょっとグロいしゾッともギョッとする。がそれ以上に生物の神秘性を感じられる気がするので良かったら見てくれ。

 

 

 

 あとね、小坂泰之はね、絵が上手い。小学生並みの感想で申し訳ないけど本心だ。小坂はホント、絵が上手い。

 

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 60ページ

 

 このシーン。これ、凄すぎるぞよく見ると。「海を覗き込むていぼう部4人を海中から描いた構図」なんだけど、この構図を描くって相当難易度高い、らしい。漫画家のアシスタントで頑張ってる僕の友人が言ってた。

 

 

 そんな難しい構図がね、一読者の僕としては一目見ただけで理解できたどころか水中に響く 主人公たちの声まで想像できたってとこが最高に凄い。なんでそんな風に感じられたのかなぁ?吹き出し(セリフが入る枠)に注意をしてみよう

 

 

 んなるほどねぇぇぇっぇぇえええ!!!!気泡が吹き出しにちょっと被っていることで水中感が表現されていたのねぇぇぇぇぇえええええ!!!!すげぇぇぇえええええええぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!

 

 

 

 覗き込む4人も可愛い。。尊い。。。

 

 

 

 「龍の歯医者」ってアニメのキャラデザとか経験してる作者だから絵は上手いにしても、漫画家としての表現力までスゲェともう「スゲェよ」、それしか言いようがねぇよ。小坂、もう釣り漫画界背負ってくれ。。『釣り漫画じゃ食えねぇ』っていうなら僕が献身的に働いて食わせるからさ、頼むよ。。

 

 

 

豊富な釣り知識&くどくない説明

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 26ページ

 

 毎年 遊魚券(河川で釣りをするときに必要)を買うほど作者の小坂泰之も釣りが好きらしく、釣りの知識がすごい。

 

 

引用:放課後ていぼう日誌 1巻 131ページ

 

 釣りをテーマにするくらいだから各所 釣りに関するアレコレが紹介されるんだけど、それがまぁ、なんと分かりやすいコトか。上のソフトルアーの付け方なんかが一見 地味だがスゴイぞ。たったの3コマで必要な知識が要約されてる

 

 

 釣りに限らず、何かの専門知識を説明するってのは意外と難しく、ましてや漫画のような限りあるスペースで説明するとなると情報の取捨選択が肝だ。で、ニッチなジャンルにいくほど作者の熱量が増すのか説明過多、俗にいえば「クドイ」説明になってしまう漫画が多くあるが、放課後ていぼう日誌では非常にスムーズに釣り知識が紹介されている。すごすぎるぜ小坂泰之。漫画家としても釣り人としても非凡だよアンタ。

 

 

 「釣りキチ三平」のように、釣り用語・知識の説明は本編と別に紹介する作品もあるが、「放課後ていぼう日誌」のように本編に沿って、登場人物を交えてコミカルに説明されるのも良いもんだと思った。

 

 

 

他の読者の評価

引用:放課後ていぼう日誌 3巻

 

 恋のように盲目的に放課後ていぼう日誌を好きになっている僕なので、少々 手放しに褒め過ぎた感がある。最後に他の読者の声を紹介しておこう。

 

女の子4人が釣りやる漫画です。作画、演出ともに安定して高水準を保っており、安心して読めます。

女の子のデザインに若干の古めかしさがある、食事シーンが淡白、など、時折”地味”に感じるところもありますが、一見のインパクトよりも長く読み続けられるにはこういう素朴さが必要なのでありだと思います。美味しんぼのスパゲティ対決でシンプルな食材を使って毎日食べたくなるようなスパをこしらえた海原雄山のほうが勝ったようなもんです。漫画の冒頭で主人公の女の子の脚に蛸が這い登ってくるようなフェチっぽいシーンは個人的にこういう漫画でやられるのが嫌いなので以降はやめていただきたいです(スカートの中にまで蛸足が入ってこようとするんですよ)。最近流行り?の生き物漫画好きならおすすめできる作品です。

引用:Amazon

 

 

 

実はそんなにも釣り好きではないのですが、余りにも高評価が多いので思わず手にとってしまいました。
現代的なシャープな絵では無いですが、人、モノ、雰囲気ともに描写上手いと思いますし、第一とても丁寧な絵には好感度を覚えます。
初心者向けではありますが割と本格的で、「釣りキチ三平」ほどは高度に釣りに特化していないのも、逆にのんびりと楽しめて良いと思います。
最初にAmazonからのオススメに表示された時に、「何でもかんでも女子高生使えばいいってもんじゃねぇよ」って思いましたが、
このほのぼのさは女子高生ならではで、結果的に意味がありましたね。

うん、サビキで釣るのは上手い作戦だ(笑)

引用:Amazon

 

 

 

しっかりと漫画らしい面白さもありながら
ちゃんと釣りをしていてとても面白いです。

初心者の女の子がタコ釣ったりマゴチ釣ったり。
ええい羨ましい!!

引用:Amazon

 

 

 

釣りの知識は全くありませんが、説明や描写が丁寧なので知識がない人でも楽しめます。
内容的には女の子達が海釣りをするものですが、萌え要素を押してくる漫画ではない点も読みやすい。
釣れた時の達成感や喜び、食す楽しさ、そういったものが中心です。
作者の釣りの楽しさを読者に知ってもらいたいという想いが伝わってくる良い作品です。

引用:Amazon

 

 

ってな感じで、概ね高評価だった。

 僕のような釣り経験者は勿論、そうでない人も楽しめる超良作だ。既に世間に認められているようで、2020年の4月7日からアニメとしても放送中。おめでとう、自分のことのように嬉しいよ。僕的2020年早期ベスト漫画賞を贈るから遠慮せず受け取ってほしい。

 

引用:放課後ていぼう釣り日誌 公式サイト

 

 

 そんな『放課後ていぼう日誌』、ストーリーが面白いのもさることながら釣りの良い入門書にもなる素晴らしい漫画だ。漫画に出てきたアイテムも実際に売られてたりするので参考になるぞ。

 

 

是非 漫画を読んで、釣りをするワクワク感を味わってほしい。

 

 

 

最高だ。

これ以上の釣り漫画はない気がするぜ。。

 

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