【滅茶苦茶!】『来迎國/らいごうのくに』が意味分からんくてコワイ

今回紹介するのは『来迎國/らいごうのくに』。

 

面白いんだけど…なんか人に勧めると人格疑われそうで…

 

と言ってきた僕の友人のように、なかなか人に紹介し辛いマンガである。鬼滅の刃が『人に紹介しやすさ』で100点満点中94点だとしたら、来迎國は-21。まったくもって紹介できない。超仲良い親友クラスじゃないと、勧めずらい。

 

 

ここで、来迎國の作者コメントを見てみよう。

しゃ、社会的責任…?に、忍耐と生の実感…?

この物々しさである。中坊とか異世界転生ばっかり読んでるヤツからしたらこの時点で警戒レーダーが鳴り響いてたことだろうよ。気持ちは分かる。新興宗教団体の紹介文って言われても違和感ない。コワイ。

 

 

とにかく、とっつきづらいマンガだと思う。僕等が普段から読んでいる商業的なマンガと比較して極端に理解が難しい。し、1話読むだけでゴッソリと体力とか気力とかMPとか、色々消耗される感覚さえある。が、刺さる人には刺さる面白さなのは間違いない。作者の思想の強さが如実にマンガに顕現してるヤバみがある。思想犯とかこんな感じなんだろうなって思う。コワイ。

 

 

 

そんな異端なマンガ『来迎國/らいごうのくに』について、ネタバレ含む感想と魅力を紹介させていただくぞ。

 

 

 

 

 

『来迎國/らいごうのくに』レビュー


 

その日、アメリカ合衆国大統領は全世界に向けて緊急声明を発した。

 

 

 


それは「日本と日本人に関する歴史上類例を見ない未曾有の事態」についてであった。

 

時を同じくして、東京のとある日本家屋でも異変が起こっていた。

 

 

この家の隠された地下室に暮らす青年・才(さい)は、「ある病」が原因で12年間も部屋から出たことがなく、使用人にさえその顔を見せたことがない。

 

 

彼は幼い頃から『極めて特殊な幻覚』に苛まされ続けていた。

 

 

 

一人の青年の人生を歪ませた幻覚は、ある晩突如として日本全土を歪ませていく。

 

 

 

それは日本滅亡の始まりであった。

それは日本民族の終焉の狼煙(のろし)であった。

 

日本民族存亡を賭けた『令和の日本奪還戦記』が今始まる。

 

 

 

というのが概要。

 

ちょっとでも気になった人は是非 読んでみよう。無料で数話 きっちり読めるぞ。

 

 

 

以降、ちょっとしたネタバレ・画バレを含む。まっさらな状態で読みたい人はブラウザバック推奨。

 

 

 

 

『来迎國/らいごうのくに』の個人的見所と感想

 

 

 

主人公の(古参)2ちゃんねらー感

引用:来迎國 第2話

 

12年間引きこもり、主にネットで情報を集めていた主人公である。一世代前の2ちゃんねらー感が半端ない。シュタゲのアイツよりも各段に濃いしキツイ。

 

 

 

引用:来迎國 第3話

 

僕自身は面白く読んでいるが、

 

主人公のオタク臭さがなければ…

 

主人公のキャラが無理…

 

という評価が随所に見られた。まぁそりゃそうだ。気になる人はとことん気になる部分だろう。「せっかく複雑な物語に集中出来そうなのに、オタク口調で興ざめ…」みたいなね。苦手な人にとっちゃ余計で邪魔な要素でしかないと思う。

 

 

 

が、先述したように『常識のなさ』は主人公の特性だ。さらに、それが強いからこそ

 

引用:来迎國 第4話

 

シリアスに転調したときのコントラストが際立つ。

 

 

 

引用:来迎國 第4話

 

……

 

 

 

野蛮ながらも子供のように純粋で破綻した行動に、感情の琴線に触れられるんだと思う。

 

たしかにネット用語がキツくてしつこい。が、とりあえず主人公の人間味の一端が感じられる4話まで読み進めてみてほしい。僕の場合は多分、そこらへんからグッと引き込まれた。

 

 

 

☝現在、3話までは無料で読める。4話以降は、アプリをダウンロードして読んでみてね。

 

 

 

壮絶!緊張感溢れるバトルアクション

そして、なんといっても戦闘描写。バトルアクションである。構図はモチロンのコト、

 

引用:来迎國 第3話

 

相変わらず、ねらー用語なものの、、、

 

 

 

 

この躍動感。鬼気迫る、常軌を逸した表情

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というね。もはや文章による紹介はいらない。

 

まだ序盤なんだけど、すでに他作品には見られない狂気や凄みを感じる戦闘描写は必見。何気なしに読み進めたら上の4コマを観て「うわ、とんでもない作品が出てきたぞ…」と身構えたもん。マジで、バトルアクションは恐ろしく刺激的

 

 

 

絶望!初期のGANTZのようなワケわからん恐怖感

引用:来迎國 第2話

 

突如 現実世界にも表れるようになった謎の敵勢力“四ツ手”の侵略描写が恐ろしすぎる。

 

 

引用:来迎國 第5話

 

 

 

 

 

 

 

 

引用:来迎國 第5話

 

 

 

 

 

蛮族だと思いきや、かなり戦略的に人間の殺戮を行う敵勢力。

 

 

 

 

 

第2次世界大戦時のホロコースト、と形容されるような合理性。予想以上に多勢で、賢く、言葉が通じないという絶望感。

 

 

画力・表現力が高すぎて直視するには凄惨すぎる。これで主人公が真面目系だったらもう僕は読むの諦めてた。そんなもん絶望しかないじゃん…って。彼岸島が絶望シーンばっかりだったら1000万部以上も売れなかったようなもん。

 

 

『みんな丸太は持ったか?!』に代表されるギャグ的要素がなかったらそこまで話題性にならなかったし、パチンコにもならなかっただろ。先生ェのすごいところは、アレを意識的にやっていなかったところにあるけどな。

 

 

 

丸太ギミックは草

 

 

 

そういうことだよ。今のとこ『来迎國』のギャグで笑ったことはない。10人中7人は『うわぁ滑ってるなぁ』って思ってるだろうよ。パクチーみたいなクセの強いギャグが多いけども、混沌とした世界観での主人公のアホさ加減は頼もしい。ドギツイ展開の連続で胸焼けするけど、なんとかついていけてるのは主人公の存在が大きい。

 

 

まさか彼岸島のようになるとは期待してないが、混沌な社会と意味不明なギャグの化学変化には今後 期待できる作品だと思う。

 

 

 

 

 

 

総括:『来迎國/らいごうのくに』

ぶっちゃけどこの層に需要があるのかさっぱり分からない。女子供は軒並みNGな気がする。グロイしコワイし、何が描きたいのか理解不能。記事を書くにあたって作者2人が運営しているウェブサイトに行ってみたんだけど、やっぱり妙な熱気を孕んでて怖かったもん。信濃町で迷子になったときくらい緊張したわ。

 

 

 

 

 

昨年末くらいからマンガワンも流行のビッグウェーブに乗ってか異世界転生モノの新連載が増やしてた覚えがある。いや、超増やしてた。あまりにも露骨になろう系は増えたもんだから『マンガワンどうかしたんか?』『編集部 全員入れ替わったんか?』と噂されるくらいだった。

 

 

が、僕が読みたいのは『無職のアラサー~容姿・知能・体力最底辺だけど異世界でハーレム築いてますけど何か?~』みたいなクソ長いタイトルのテンプレなろう系マンガじゃなく、

 

 

これ。

この重厚感と雰囲気よ。

たしかに僕も中学のとき流行った夢小説みたいな気楽に読めるなろう系が恋しくなるときもあるけど、あそこまで過剰に陳列されると伸びる手も伸びない。多すぎる選択肢は人を躊躇させる。

 

その点 『来迎國/らいごうのくに』ってタイトルは凄い。8話まで読んだけど、全然ピンとこねぇもん。クソ長タイトルで「あぁ、そういう感じね」と予想してからじゃないとマンガを読み始められない層はともかく、タイトルの物々しさで「お?」と釣られた人は多分期待してたものは読めたんじゃないかな。か、期待を遥かに上回られて読む手を止めたんじゃないかな。

 

 

冒頭で述べたように、人に勧めるには色々と問題のあるマンガだ。クセが強すぎる。大クセじゃ。

 

が『堕天作戦』のように熱狂的な信者をひとり、またひとりと獲得していってるようなので、刺さる人には致命傷のレベルでぶっ刺さってる様子。良かったらどうぞ。個人的には、まだ人におすすめできるような面白さは感じられないが『こんな漫画もあるのか…』と見識を深められることでしょう。

 

 

読了後の倦怠感・虚無感については保証しかねるが、とりあえずまぁ、読んでみてね。

 

 

 

 

それでは。

 

 

 

 

完結(2023/2/23)

連載序盤は『これは…!』と思ったのですが…。

ちょっと話が難解すぎる上にギャグ要素がきつく、連載終盤は連載を追ってまで読めてませんでした…。

 

 

こちらも多分おススメ

 

 

 

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