【メルボルンに住んでいる理由 その1】トシというオーストラリア永住男

人がその場所、それも海外にいる場合は何かしらの理由がある。なんとなく、でその場所にいる時間的・金銭的に裕福な人も稀にいるが、大抵の場合は留学をしていたり、働いていたりするものだ。

 

『そんなことよりメルボルンで良いカフェある?』やら『昨日 St.kildaでBBQパーティあったのになんで来なかったん?』という人は今すぐブラウザを閉じて、

「(お洒落な料理の写真)This food is sooooooo good!☆」

みたいなインスタ上げて寝ろ。昼間に見てる奴もブラウザを閉じろ。貴様達の貴重な時間を費やすだけの価値があることは書くつもりがない。っていうか昨日 BBQあったのかよ。招待来てねーよ。

 

 

☝BBQ男が好きなアフロジャックの『Spark』って曲。たしかに爽やかで良い曲だよな。それは分かるよ。

 

 

で、冒頭に戻るけど、なんでメルボルンに滞在しているのか。前の記事で書いたように、全く好きになれないようなメルボルンというビッグシティにいるのかっていうと、人間関係に他ならない。

 

ぶっちゃけ先人達に開発されつくされたメルボルンには興味が湧かない。何年も連絡が取っていなかった知人から紹介された情報商材とかアムウェイの類よりも興味が湧かない。今更、何番煎じになるかわからないようなカフェ、レストランの紹介には1ミリも惹かれないし、僕以外のワーホリブロガー(特にカップルの)が既にやってるでしょ、そういう系は。

 

 

知り合いは結構できた(勿論 ブログをやっていることは言っていない)が、僕をメルボルンに引き留めているのは今回 紹介する3人の人達だ。

 

 

TOSHIさん

まずは、メルボルンに来てからひょんなことから知り合ったトシさんという30歳半ばの男性。

 

経緯としては、シティライブラリー(お洒落じゃない方の図書館)で閉店間近に、日本語本コーナーでどんな本があるのか吟味していたところに

 

『急にごめん!絶対 返すから一冊 オレのために本を借りてくれない?』

 

と尋ねてきたのがトシさんだった。その手には森林原人さんの『セックス幸福論』という本があった。なんでもFlagstaff Gardens(デカい公園)で寝ていたときに、図書カードの入ったバックごと盗まれてしまったようだった。

 

敬語ではなく、いきなりタメ口で話しかけられたことにピュア日本人として(むむむ....)と感じたものの、『仕方ない。借りてあげよう』と思った。しかし僕自身も、住所証明ができていない状態で作った図書カードだったので、一度に2冊までという制限があって、結局 本は借りてあげられなかった。

 

これも何かの縁だと思ったので連絡先を聞いてみようと思ったが、スマホも盗まれていたので聞き出せなかった。財布も勿論盗まれていたが、幸い 家は徒歩圏にあったようで、電車賃は貸さなくっても大丈夫なようだった。

 

『最近 仕事クビになったんだ。明日も明後日も一週間後もここに来ているから、気が向いたら来てよ。』

 

と言われて、その日は別れた。

 

 

 

翌日 朝早くにシティライブラリーに行くと、真剣に読書に励むトシさんがいた。眉間にシワを寄せて本を読んでいたので躊躇ったが、思い切って声をかけてみると、

 

『は?もう来たの?暇人だな、お前』

 

と言われた。図星を指されると人間イラっとくるし、反発的に『テメーもな』と言いたくなるもので、もう足早に立ち去ろうと思ったが、『まぁいいや、コーヒーでも飲もうぜ』と言われ、近くのDukes Coffee Roastersというカフェに行った。

 

 

思いのほか 話が弾んだ。詐欺師のように早口で、あれほど口数の多い年上男性というのも初めてだった。海外に長く住んでいると、そういう癖がつくのか『言ってること分かる?』と頻繁に言うのが若干 鼻についたが、おおむね話は面白かった。歯に衣着せぬ言い方もなかなか愉快だった。

 

 

そういうわけで、出会った数日で打ち解け、その後もお互い 仕事がないので頻繁に集まり、気が付けばメルボルンを離れることを思いとどまらせる一つになっていた。

 

 

人間の…

一緒にいて楽しい(主に、これまでになかったような新鮮な意見が聞ける)というのもある。それに、彼から学ぶことも多い気がしている。率直に言ってトシさんは、いわゆる普通から離れた人(主に悪い意味で)だ。言っていることは矛盾に富んでいるし、学歴やら何やらコンプレックスもたくさん患っている。口も悪いし、自己中心的だ。息をするようにウソをつくし、ケチだ。

 

 

尊大な自尊心。結婚しているのに、他の女性達(日本人女性)と浮気(定義は分からないが、濃厚接触を頻繁に行っている模様)している。人の人間関係なので、とやかく言うつもりはないが、この人の場合は色々と自分を詐称して付き合っているので、やはり弁解の余地なしで地獄行きだろう。ワーホリで来ている、トシさんいわく『期限付きの女』を狙っているという計画性もある。

 

 

会話も7割方は下ネタだ。下ネタを言い合うことによって人間関係が円滑になると考えているような人だ。むしろ、それ以外のことにはそんなに興味がない。人によっては『下衆』と見なされる人だ。僕は下衆と見なしている。

 

 

なんだか書いていて申し訳なくなってきたが、それがトシさんだ。反面教師としては申し分なく、最高な人材だ。放射性物質(主に精神的に)のような人、とも形容できる。直ちには影響は出ないかもしれないが、それでも将来的に悪い影響が出ないように、適度な距離を保っていこうと思う。

 

 

人間的な尊敬は今のところ片手で数えられるくらいしかない。それ以上に『僕はこれからこの人と付き合っていていいのだろうか、、、?』と頭を抱えるような言動、行動が多い。この前 バーに行ったとき『ギリホリでワーホリしてる日本人女はみーんな売れ残り!!』と結構な声量で言っていた。周りに日本人が誰もいなくて良かったと心から思った。

 

 

しかし、なぜか、ヘンテコな雰囲気がある。動物のように欲求に従順で、ほかの人からどう見られているかを全く気にしていない、という特異点もあったりする。他人から見ると純度100 人間の屑だし、日本の野生 高レベルメンヘラに遭遇していれば数回は刺殺されている人だ。

ただ、今までそんな人に会ったこともないので、新鮮で仕方ないのだ。

 

 

 

そんなわけで、滅茶苦茶な人間だが、何か新しいことが学べる気がして今は、トシさんのいるメルボルンに住んでいる。

 

 

 

 

 

つい長くなったので、もう2人については次回の記事で書くつもりです。

それでは。

 

 

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